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ケアリング・デモクラシー ジョアン・C・トロント(著/文) - 勁草書房
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【利用不可】

ケアリング・デモクラシー (ケアリングデモクラシー) 市場、平等、正義 (シジョウビョウドウセイギ)

社会科学
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発行:勁草書房
A5判
360ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-326-30336-6   COPY
ISBN 13
9784326303366   COPY
ISBN 10h
4-326-30336-0   COPY
ISBN 10
4326303360   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年1月31日
最終更新日
2024年5月1日
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書評掲載情報

2024-04-20 朝日新聞  朝刊
評者: 前田健太郎(東京大学教授・行政学)
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紹介

“ケアに満ちた民主主義”を訴えてきたフェミニスト政治学者トロントの主著を邦訳。ケアの倫理を踏まえた社会への変革を提起する。

これまでの民主主義論が前提する自立/自律したリベラルな個人像を批判し、誰もが「他者に依存せざるをえない存在」という人間観の下での社会構想を訴えるとともに、「ケア」を周縁に封じ込めてきたその政治性や権力性を問う。民主主義の定義を「ケア責任の配分に関わるもの」とし、ケアの倫理を踏まえた社会への変革を提起する。
【原著】Joan C. Tronto, Caring Democracy : Markets, Equality, and Justice(New York University Press, 2013)

目次

日本語版読者の方々へ
はじめに
謝 辞

序 章 ケアがもはや「くつろぎの場」にはないとき
 民主主義的なケア革命の必要性
 ケアをより民主的に考える方法――よりケアに満ちた方法で民主主義を考える方法

第Ⅰ部 ケアリング・デモクラシーの構想

第1章 民主主義の再定義――ケア責任論争の解決へ向けて
 ふたつの不足の物語
 ケアとケアリングの意味
 概念としてのケアから政治理論としてのケア
 ケアと民主主義の政治理論
 フェミニスト的なケアの民主的倫理
 民主的なケアと新自由主義
 結語

第2章 なぜ自己責任は民主主義にとって不十分なのか
 なぜ責任に焦点を当てるのか
 政治的な考えとしての責任
 責任と権力
 無責任マシーン?
 ケアリング・デモクラシーの視点から責任を再考する
 民主主義への責任  

第Ⅱ部 いま私たちはいかにケアしているか

第3章 タフな男はケアしない、のか?――ジェンダー、自由、ケア
 ジェンダー化された責任
 なぜケアは女子向きなのか? なぜタフな男はケアしないのか?
 男性によるケア1――保護パス
 暴力――ケアとしての保護のダークサイド
 男性によるケア2――生産パス
 職業倫理とケア倫理
 新自由主義、競争、自由
 自由
 シティズンシップのジェンダーを変革すること
 結語

第4章 私事化されたケアの悪循環――ケア、平等、民主主義
 ケアの不均衡
 不平等なケアの社会心理
 ジェンダー、階級、ケアのエコロジー
 平等の意味を再考する
 ケアの不平等と使用人であること

第5章 市場はケアすることができるのか?――市場、ケア、正義
 ケア制度のひとつとしての市場
 教育の市場化
 結語

第Ⅲ部 民主的ケア実践とケアリング・デモクラシーを想像する

第6章 民主的にケアすること
 ケアすることが民主的ならば、包摂的でなくてはならない
 包摂的であるためには、自己をケアの受け手として再考することが必要である
 民主的ケア実践
 民主的にケアすることに関する考慮事項
 民主的にケアすることは、よりよくケアすることである
 民主的ケア制度
 民主的にケアするための時間
 民主的ケアをそれ自体で引きあげる 

第7章 ケアリング・デモクラシー
 パスを回収する
 ケアリング・デモクラシーにおける市民は何をするのか?
 結語

原注
監訳者解説
参考文献
人名索引
事項索引

著者プロフィール

ジョアン・C・トロント  (ジョアン トロント)  (著/文

ジョアン・C・トロント(Joan C. Tronto)

1952年生まれ。ミネソタ大学政治学教授、ニューヨーク市立大学大学院およびハンターカレッジ政治学教授を経て両大学の名誉教授。専門はフェミニズム政治理論。著書に『ケアリング・デモクラシー』(2024, 勁草書房)、『ケアするのは誰か?』(2020, 白澤社)など。

岡野 八代  (オカノ ヤヨ)  (監修

岡野 八代(おかの やよ)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は西洋政治思想、フェミニズム理論。主な著書に『ケアの倫理――フェミニズムの政治思想』(岩波新書、2024年)、『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)、ジョアン・トロントとの共著『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(白澤社、2020年)。訳書にエヴァ・キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(監訳、白澤社、2010年)、アイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』(共訳、岩波書店、2022年)など。

相馬 直子  (ソウマ ナオコ)  (翻訳

相馬 直子(そうま なおこ)
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。専門は福祉社会学、社会政策、ケア研究。主な著書に『親密性の福祉社会学――ケアが織りなす関係』(執筆、庄司洋子編、東京大学出版会、2013年)、『社会が現れるとき』(執筆、若林幹夫・立岩真也・佐藤俊樹編、東京大学出版会、2018年)、『子育て支援を労働として考える』(松木洋人と共編、勁草書房、2020年)など。

池田 直子  (イケダ ナオコ)  (翻訳

池田 直子(いけだ なおこ)
中央大学非常勤講師。専門はフェミニズム平和理論。主な訳書にアイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』(共訳、岩波書店、2022年)、主な論文に“Seeing the Whole Picture,” in C.Cockburn ed., Antimilitarism(Palgrave Macmillan, 2012)など。

冨岡 薫  (トミオカ カオル)  (翻訳

冨岡 薫(とみおか かおる)
慶應義塾大学大学院文学研究科助教(有期・研究奨励)。専門はケアの倫理。論文に「ケアの倫理の「自律」批判再考――ケア提供者の被る抑圧の問題をめぐって」(『倫理学年報』第71集、2022年)、「ケアの倫理における「依存」概念の射程――「自立」との対立を超えて」(『エティカ』、2020年)、共訳書にケア・コレクティヴ『ケア宣言――相互依存の政治へ』(大月書店、2021年)など。

對馬 果莉  (ツシマ カリ)  (翻訳

對馬 果莉(つしま かり)
神戸女学院大学非常勤講師。専門はハンナ・アーレント思想とフェミニスト理論。主な論文に「ケアする人と世界疎外」(『同志社グローバル・スタディーズ』vol. 11、2021年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。