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正しい核戦略とは何か
冷戦後アメリカの模索
- 書店発売日
- 2022年8月12日
- 登録日
- 2022年7月5日
- 最終更新日
- 2022年8月4日
書評掲載情報
2023-05-13 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 阪田恭代(神田外語大学教授) |
2022-12-10 |
毎日新聞
朝刊 評者: 岩間陽子(政策研究大学院大学教授・国際政治) |
2022-10-15 |
毎日新聞
朝刊 評者: 岩間陽子(国際政治学者) |
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紹介
ウクライナ戦争で明らかになった核兵器のリアル。冷戦後アメリカの核戦略はどのように進化してきたのか? 第一人者が徹底検証!
ウクライナ戦争でロシアは「核の恫喝」を行い、北朝鮮は今も核開発を続けている。日本でも核共有の議論が高まった。今こそ核戦略のリアルな議論が必要だ。米国は中露や各地域の核問題にどう対峙したのか? 核の傘を保証するには何が必要なのか? 第一人者が冷徹に評価していく。最近の展開をカバーした新章と、監訳者解説つき。【原著】Brad Robert, The Case for U.S. Nuclear Weapons in the 21st Century(Stanford University Press, 2015)
目次
謝 辞
序 論
第1章 冷戦後における米国の核政策・核態勢の発展
冷戦の遺産
ジョージ・H. W. ブッシュ政権
クリントン政権
ジョージ・W. ブッシュ政権
オバマ政権
新たな抑止指針
3つのNPRにおける継続性と変化
近代化の問題
変化する政治環境
近代化と軍縮
第2章 第一の新たな問題──核武装した地域の挑戦国
中東における問題
新たな問題──北朝鮮からテキサス州オースティンへ
核兵器に関する北朝鮮の主張
北朝鮮の核使用の妥当性
新たな紛争レベルにおける抑止上の課題
結 論
第3章 地域における新たな抑止戦略
地域の抑止アーキテクチャを強化するための包括的アプローチ
弾道ミサイル防衛による抑止とその他の価値
地域抑止のための米国本土防衛の価値
抑止戦略の最適化
核の代わりになるものはあるのか?
われわれにとってのセオリー・オブ・ビクトリーに向けて
グレーゾーンにおける効果的な抑止
レッドゾーンにおける効果的な抑止
ブラック・ホワイトゾーンにおける抑止
われわれにとっての重要な前提
恫喝戦略への対抗と戦争の勝利
結 論
第4章 第二の新たな問題──プーチン率いるロシアとの関係
1984年から2014年へ──複数の「リセット」
核の次元──収束する未来か,分岐する未来か
戦争と抑止問題への回帰
ロシアのセオリー・オブ・ビクトリー
戦略的不安定性の新たな要因
米国への示唆
第5章 進化する米中関係
関係改善の促進──1989年から2014年へ
米中関係における核の次元
非公式対話からの教訓
米中の核をめぐる将来シナリオ
戦争と抑止の問題へ
中国のセオリー・オブ・ビクトリー
戦略的不安定性の新たな要因
結 論
第6章 欧州における拡大抑止と戦略的安定性
拡大抑止を定義する
NATOの核政策──1991年から2009年
2010年の戦略概念から抑止・防衛態勢見直しへ
DDPRの履行とクリミア・ショック
重要性を増す課題──新たなNATO・ロシア関係における抑止
結 論
第7章 北東アジアの拡大抑止と戦略的安定性
変化する安全保障環境と拡大抑止に対する新たな要望
拡大抑止を適用・強化するための方策
実施にあたっての課題
結 論
第8章 核をめぐる安心供与の諸問題
核の傘による同盟国への安心供与
核の傘を提供していない同盟国・パートナーへの安心供与
NPTに加盟している非核兵器国への安心供与
戦時における敵国への安心供与
ロシア・中国に対する安心供与
米国への安心供与
競合するアジェンダ
結 論
結 論
さらなるステップに向けての条件は現時点で整っているのか,あるいはすぐに整うのか
核兵器反対と軍縮賛成派のための教訓
米国の核兵器賛成派への教訓
敵にとってのセオリー・オブ・ビクトリーとそのリスク
われわれにとってのセオリー・オブ・ビクトリーと米国の核兵器
米国の核態勢への示唆
歴史的視点の結びにあたって
終 章 これからの核戦略,核政策,核態勢見直しへの示唆
最初の問い──バランスのとれたアプローチはまだ必要か
政治的,法的手段によって今以上に何ができるか
軍事的手段によって今以上に何ができるか
結 論
新終章 日本の読者のためのその後の展開と課題
2015年以降の主要な地政学的進展
地域的課題の激化
米国の核戦略への影響
日米同盟への含意
結びにかえて
監訳者解説・あとがき
索 引
著者・訳者紹介
【訳者紹介】
平尾 眞一(ひらお しんいち)
東京大学法学部を卒業後,陸上自衛隊に入隊。バージニア大学フランクバッテンスクール公共政策修士課程修了。
ロメイ 小百合(ろめい さゆり)
マンスフィールド財団アソシエイト・ディレクター。笹川平和財団米国研究員,スタンフォード大学研究員,ランド研究所員を経て現職。ローマ・第三大学大学院修士を経て同大学・政治学部で博士号取得。
佐野 由梨(さの ゆうり)
東京大学法学部を卒業後,外務省勤務。ハーヴァード大学ケネディ・スクール修士課程修了。
上記内容は本書刊行時のものです。