出版社のべからず4ヵ条?
出版社には、それぞれ社の特色、出版理念というものがあると思います。
一方、それとは別に、出版社としての“べからず”というものもあることでしょう。
以前、大手書店の店長経験者のかたから教えを受けた四箇条を紹介します。出版界の長い経験に基づいていると思いますので、的外れではないでしょう。いや間違っている、それ以外にもある、もっと大事なことがある、などなど多くのことがあるかもしれません。ご意見をください。多くのかたの参考になることは多いと思います。
さて、4箇条とは
・一発企画を狙うべからず
・印刷部数を多くすべからず(重版は小まめに)
・異分野に手をだすべからず
・依頼原稿を引き受けるべからず
それぞれについて改めての説明は不要でしょう。
数学書房に引き寄せて考えてみると、最初の3つは、あまり縁がないですね。数学書で、一発大逆転企画というのはそもそもありえないでしょうし、印刷部数を多くするなどとても考えられません。それでもあえて小刻みにしろという教えなのでしょう。異分野というのはありえません。小社から
『神保町ラーメン&カレー一本勝負』『復興財源の闇』
『スマートグリッドの未来』『FX必勝法』
などは、どうみてもそぐわないというか読者から信頼は得られないでしょう。また、自らの首を絞めることになるのは明らかです。
悩ましいのは、最後の点でしょう。依頼原稿ですが、編集者の立場からすると著者の思いを形にすることは大事なことですし、編集者の一つの役目でもあります。また、利益を無視して、遺すべき企画の依頼だと悩ましいですよね。もっとも、遺すべきと考えた時点で結論は見えているのかもしれませんが。編集者の視点も大事だが、経営の視点も忘れるな、ということでしょう。
いま出版界では、明るい話題に乏しいので、ダメダメばかりを言うのは前向きではないかもしれませんが、こういう時だかこそ後を固めろということでしょうか。
逆に、“こうすべし” ということもあろうかと思うので、両方向含めて皆様のご意見を頂けたらと思います。もっとも、
売れる本を出すべし
といわれても、どないすればいいの?? でしょうが……
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