2025/11/03

『特性のない男』を愛のテーマで読んでみた ～20世紀を代表する長編小説への招待～

『特性のない男 ウルリッヒとアガーテ』（松籟社）刊行記念トークイベント

オーストリアの作家ローベルト・ムージルの代表作『特性のない男』は、ジョイスの『ユリシーズ』やプルーストの『失われた時を求めて』と並んでヨーロッパの20世紀文学を代表する作品です。長大で、観念的な思索が物語の多くを占めるためにけっして読みやすい小説とはいえない本作ですが、「愛」をテーマとした大胆な抄訳で、読んで楽しめる一冊にまとめられています。イベントでは訳者の白坂彩乃さんと大川勇さんのお二人をお迎えし、『特性のない男』への招待として本作がこれまでどのように読まれてきたのか、「愛」という視点で読むことで読み方がどう変わるのかをお話しいただきます。また、難解な小説と思われている『特性のない男』は「笑える形而上学小説」でもあります。新訳の朗読で、ムージルの言葉遊びの楽しさをご紹介くださいます。