アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』刊行記念・配信イベント
2020/10/31
喪失の記憶、物語の循環
アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』刊行記念・配信イベント
場所を喪う――その、われわれが毎日、ミリ単位でメンタルに体験していることを、政治や自然の暴発により、いっぺんに、フィジカルに体験した、あるいは今、体験しつつある人々がいる。〈難民〉という言葉――あるいは〈被災者〉も――に、われわれがぴりりと反応してしまう理由は、そこなのかもしれない。
アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』は、全編をあげて、そこに反応している物語だ。
「家族全員が消えていた。友人も、クラスメートも、つまり彼のそれまでの人生がまるごと無くなっていた。だから彼は、数時間とたたないうちに、二度と戻るまいとの決心をもって、あの場所をあとにしてきたのだ。」(第9章より)
〈あの場所〉は、どこにでもある。そして、その記憶は、当の本人たちがこの世を去っても、大気の循環に乗って地球上を経巡る。
アーノルド・ゼイブルに、じかに聞いてみたい。オーストラリアから見ると、東ヨーロッパのあの〈喪われた場所〉がどんな風に映るのですか。日本の神戸、そして日本軍が闊歩する上海の記憶は、どんな風に揺れていますか。その記憶の揺れを〈カフェ〉の空気そのままに捉えてやろう、なんていう作品を、いつ、どこで思いついたのですか、と。
会場 | 本屋ロカンタン[オンライン開催] |
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開場/開演 | 開場/開演 18:30/19:00 |
料金 | 配信のみ1500円/書籍セット4000円 |
出演者 | アーノルド・ゼイブル、菅野賢治、宮森敬子、加藤めぐみ、下平尾直 |
お問い合わせ | https://www.roquentin.tokyo/post/20201031 |
その他情報 | アーノルド・ゼイブル/菅野賢治訳『カフェ・シェヘラザード』 978-4-907986-72-8 http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907986728 |