出版業界の変革の波に自ら飲みこまれます
2019年から書籍の企画制作をスタートし、コロナ自粛をきっかけに2020年4月新たに出版社登録して事業を開始しました。全てを意思決定できるスピードとノーストレスを日々実感しながら、周囲の方に助けていただいています。
本業としてやりません
これは、「副業として適当にやる」という意味ではもちろんありません(笑)。
先輩会員の皆さんが書かれているように「初年度から出版事業だけでやっていくのは難しい」ということもあるのですが、出版業で生計を立てていこうとすると「売上を立てるために刊行数を維持する」必要にかられ、いずれ質の低下を招きそうだからです。
前々職で映画制作をしていたのですが、
その時も会社を維持するために年間最低制作本数という縛りを感じ、企画の判断が甘くなった苦い経験があります。
ですので、あくまで食い扶持は他の事業にするという決意表明です。
ヒットは狙いません
というのは嘘になりますが(笑)、ヒットだけを狙うと大衆迎合的になってしまう自分を戒めようと思っています。少部数でも社会に必要とされ、残すべき書籍が必ずあると思うので、商業的出版より意味的な出版社を目指したいと考えています。
とはいえ、私が以前経営していたグループ会社が300万円で制作した「カメラを止めるな」という映画が興行収入30億円超の大ヒットを記録しました。
書籍ビジネスは映画ビジネス以上に収益逓増型なので、小さく産んで大きく育てたいという密かな想いはあります。
さらに、書籍制作にかかるコストは映画製作の100分の1なので、ベンチャー企業でも参入しやすく、ヒットした場合の映像化など、マルチユースしやすいコンテンツとして抜群の可能性を秘めていると感じています。
こんなふうに書くと、また妄想が膨らみ、色気が出てきてしまうので、やっぱりもっと自制しないといけません(笑)。
ビジネス&エンタテインメント
出版社としての初作品は「リクルートOBのすごいまちづくり2」です。
リクルートO Bが地方創生に関わり、地域に元気にしていく事例を一冊にまとめました。
こうした政治・行政分野とビジネスを中心としたジャンルに加え、今後はドラマ化・映画化できるようなエンタテインメント小説も手がけていきたいと思っています。
出版業界の変革の波に自ら飲みこまれます
2019年、ネット広告がテレビ広告の売上を超えてメディアNO.1になりました。この間およそ20年。IT業界でその進化を目の前で見てきた私としては、出版業界にも同様の産業変革が押し寄せてきているように思います。
既に出版市場におけるネット販売は全体の3割を占めるまでに成長し、そのうちの8割がアマゾンユーザーというデータもあります(楽天ブックスなど他のECとの併用も含めて)。
昨年、弊社が企画制作した「PTAのトリセツ」はアマゾン限定販売で実売4000部となり、もうすぐ3刷になりそうです。
この先、電子出版市場が大きくなると、従来のように書店に並べ、高い返本率で収益の毀損と紙資源の無駄という構造が大きく変わるかもしれません。
新聞に段広告を打つよりSNS広告や口コミが効果を出す時代に移行してきていますし、マーケティング・オートメーションなどで書店営業の形が変わるかもしれません。
この大きな変化の中に身を置いて、楽しみながらファブレス出版社を経営していきたいと思っています。
みなさま、どうぞよろしくお願いします。