「上野の森親子ブックフェスタ」に共同出展しました
こんにちは。猫の言葉社の稲垣です。小社は2014年より上野の森親子ブックフェスタに共同出展しています。つまり、今年は4回目。毎年5月3日4日5日に開催されるこのイベント、去年は全体の売り上げが3702万円でした。さて、今年はどうだったでしょう !? レポートしますね。
5月3日は早朝、雨風が強く、てっきり初日は中止だろうと思ったのですが、6時に「小雨決行」という発表があり、あわてて上野に向かいました。会場は上野公園の中央噴水池広場です。約70の出版社が、絵本や児童書など約5万冊をすべて20%OFFで販売します。連休中は上野動物園だけでも10万人の人出。広場の周りには美術館、博物館、子ども図書館があるので、上野は朝から大混雑です。雨がやみ、予定通り10時からフェスタが始まりました。今年、版元ドットコムの共同出展に参加したのは次の6社です。
太郎次郎社エディタス
トランスビュー
第三書館
ポット出版
瀬谷出版
猫の言葉社
まず、トランスビューに本を送り、初日の朝、まとめて搬入します。終了時も残部をトランスビューに運び、各社へ送ってもらいます。小社は今年、1コマ( 90 cm X 90 cm )の販売スペース。うちの絵本は24 X 30 cm と大きいので、あまりたくさん並びません。そこで、よく見えるように立ててみました。
私がフィンランドの絵本を翻訳するようになったのは、1981年に『フィンランド語は猫の言葉』(文化出版局)という留学体験記を書いたあと、子どもたちのためにも何かフィンランドの文化を紹介したいと考えたからです。1982年に偕成社から出して頂いた『サンタクロースと小人たち』(マウリ・クンナス作、拙訳)は今でも人気のあるベストセラーです。
猫の言葉社は10年間に20冊、フィンランドの絵本を刊行しました。そのうち、9冊がマウリ・クンナスの絵本です。なかでも、『フィンランドの小人たち トントゥ』『ぐっすりメーメさん 夜のおさんぽ?』『ぐっすりメーメさんの世界旅行』は特に人気があります。クンナスの楽しい絵は、フェスタのお客様もすぐに気づきます。
「あっ、この絵、知ってる。子どもの頃、本がぼろぼろになるまで読んだ」と、30代の男性。
「私が子どもの頃大好きだったので、この子にも読ませたいわ」と、幼児を連れた女性。
上野の森で、こういう読者に出会えるのは本当にうれしいです。訳者冥利に尽きます。
2014年、初めてこのブックフェスタに版元ドットコムが共同出展したときは、みんな大慌てでした。10時に始まると、人がどんどん入ってきて、本が飛ぶように売れるのです。だれも休憩などしている暇はありません。テントの中で30秒しゃがみ、あんパンを飲み込むのが私のランチでした(笑)。この年、私たちのブースは30万円以上売り上げがありました。このイベントが終わってから、さ・え・ら書房の社長ブログに「今年の親子ブックフェスタには新しい出版社がたくさん出展していました。猫の言葉社のような出版社が活躍するのはいいことです」と書いてあり、びっくりしました。どこかで誰かが見ていてくださるのですね。
2015年は開催されませんでした。イスラム国のことが話題になった年です。
2016年は、径書房さんが参加し、『ちびくろサンボ』200冊完売という快挙を成し遂げました。同じテントの中で、すごい売れ行きを見ながら、私たちも一日中わくわくドキドキでした。この年は、会期中、夜中に嵐が来て、テントが飛ばされてしまった版元もありました。3日間、本をテントの中に置いておくので、雨や風は本当に心配です。テントの場所は抽選です。去年と今年はレジから遠く、やや不利な場所で苦戦しました。でも、大勢の読者に本を手に取ってもらえるまたとない機会ですので、とても有意義だと思います。
主催する一団体である出版文化産業振興財団(JPIC)の速報によると、今年は、5月3日に1431万、4日に1405万、5日に1119万と、合計3955万円の売り上げがあり、過去最高売り上げを更新したとのことです。一人平均4400円のお買い上げでした。どんどん成長を遂げる楽しい親子イベントです。次回は、皆さんも参加してみませんか?