「上野の森 親子ブックフェスタ」に共同出展します
毎年5月3日、4日、5日の3日間、「上野の森 親子ブックフェスタ2018」が今年も上野公園で開催されます。
「上野の森 親子ブックフェスタ」はさり気なく名称の変遷もありながら、今年で18回目を数える児童書フェアで、出版社による児童書販売や絵本作家のサイン会、読み聞かせをはじめとした関連イベント……などなど「子ども」と「読書」をテーマにした盛りだくさんの内容で、上野公園に老若男女、多数の読者が集まります。
版元ドットコムは2014年より有志で共同出展しており、今年は以下の6社で出展いたします。
瀬谷出版
第三書館
トランスビュー
猫の言葉社
ポット出版/ポット出版プラス
太郎次郎社エディタス
また、以下の会員社7社が単独ないし共同で出展しています。
あすなろ書房
一声社
えほんの杜
仮説社
子どもの未来社
青幻舎
ロクリン社
児童書出版社が一同に介し、多様な児童書が販売されます。それを見るだけでもなかなか壮観です。「上野の森 親子ブックフェスタ」にぜひお越しいただき、共同出展ブテント、会員社テントへお立ち寄りください。
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で終わっても良かったのですが、せっかくの機会なので、売る側の楽しみを少し。
出版社が直接読者に本を売る、という機会は、会社にもよりけりですが弊社の場合は年に数度くらいしかありません。とくに子ども向けのタイトルがたいして多くはない太郎次郎社エディタスにとっては「上野の森親子ブックフェスタ」は[親子]に本を売る年に一度の機会です。これはなかなか貴重な経験です。
子どもの本は特殊です。大人が自分で買う本であれば、欲しい人と買う人は同じですから、「障害」をとりのぞくことで購買に結びつくことがあります(もちろん結びつかないこともままあります)。また、当人(=子ども)が欲しがっていなくても、買う人(=親)がほしければ、大人が自分で買う本と構造は同じですから、購買に結びつけやすくなります。しかし、欲しがるのは子どもでも、買うのは親という構造が生まれるのが子ども向けの本というもの。そこにはある種の「権力関係」が存在しているので、とりたてて欲しくない親にメリットを説かなくてはなりません。これが大変難しい。
基本的に子どもには権限がなく、親に説得力のある購買理由を提示できません。その状態で、親が買ってくれるのであれば、最初から買ってくれます。しかし、買ってくれそうにないのです。そうなると、初対面の出版社の人間が、子どもに介添えして「買う理由」を作らなくてはいけません。見知らぬ子供との共同戦線は楽しいです。でもたいてい失敗します。出版社にはまま直販職人がいたりもするので、そういう人にとっては造作も無いのかも知れませんが、私の場合は3日間で1回か2回くらいしか成功しないのではないでしょうか。しかし、これがたまらなく満足感があります。手に入れがたいものを手に入れた子どもにとって、私が売っている商品が特別になる瞬間です。あと、あまりに難関なので自らを鍛えてくれているような気もします。
買いたい子ども、売りたい出版社、子どもの欲しいものはわりと買いたくないことの多い親。「上野の森 親子ブックフェスタ」はそんな三つ巴のパワーバトルを観ることができます。子どもを連れてくれば体験もできます。ぜひ、お越しください。そしてたくさんのお気に入りの本と出会い、お買い求めください。それが版元ドットコムの共同出展テントや会員社テントにあるかもしれません。どうぞお立ち寄りください。お待ちしております。
※イベントスケジュールなど、詳細は以下の公式サイトをご覧ください。
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