漫画編集と書籍出版のはざまで
はじめまして。静岡県東部の沼津市で、ほぼひとり出版社の【ぬまづ書房】を営む宮坂と申します。委託でレーベル漫画の編集長を行いながら、出版社として現在2冊目刊行の準備中です。
2023年秋に立ち上げた、ぬまづ書房の事業は大きくわけて
1書籍出版 2編集請負(主に漫画) 3コンテンツプロデュース業 の3つ。将来的にはそれに加え、家に膨大にある漫画を使った、コミュニティスペースを運営したいと思っています。
会社名に地元の名前を使ったのは、高校生の頃の自分に向けてでもありました。漫画が大好きで漫画編集を目指そうと思っていた私にとって当時の沼津はつまらなく感じ、東京にいく選択肢しかなかった。
約10年前に故郷に戻ってきましたが、今は、地方でも文化的にも面白い試みが多くなったのを感じています。地元にも出版社があることを発信できたら、興味のある若い人に、出版の話をしたり、出版界周辺の仕事に触れる機会を提供できるかもしれない。そんな思いでつけた社名です。
会社の理念は〈本を通して女性の人生を応援する・故郷の沼津を元気にする〉ですが、現在は請負漫画編集の仕事が会社の収益の柱で、書籍に関しては本当に出したいものをじっくり作っていこうと動いています。
昨年2月に1冊目の「〈アトピー・ぜんそく・食物アレルギー〉マンガでわかる 子どもがアレルギーと言われたら読む本」を出版しました。

2冊目は【45歳からのたるみを内側から改善して綺麗になる】がテーマの美容本を今年8月下旬刊行予定。
また、出版社勤務時代にデビューを手がけたエッセイスト蝶々さんの旅にまつわる本を出したいと、メルマガサービスのまぐまぐさんを利用して、執筆いただきながら原稿を貯めています。
「蝶々の夢旅・恋旅・ときめき旅☆」
そこから派生しての蝶々さんの対談イベント運営にも関わっています。(昨年11月に都議会議員のさとうさおりさん、今年5月末には小野寺S一貴・和香子さんをゲストに迎えて開催)
https://peatix.com/event/4982228/view
会社の立ち上げ時は融資に苦労し(額を減らされたものの、刊行がスムーズにいかず、利息を考えると、今となってはそれに感謝)、出版にあたっては取次がなかなか決まらなかったり、流通の数字にうちのめされたりもしていますが、出版業界の先輩方からアドバイスをいただき、厳しいからこそ一緒に盛り上げて行こうとしてくださる気持ちに励まされています。
補助金申請もしてみたことで、営業やPRもわずかですが1冊目刊行の際に依頼することができて、その効果を感じました。
特に出版社で編集だけをやっていた頃に比べて、営業の大切さ、営業サイドの意見がわかるようになりました(在庫問題とかも)。経営者としても本当に勢いだけの考えなしのひよっこで、色々うちのめされながら、勉強中です。
私は実用書の出版社勤務ののち、20代半ばから漫画専門出版社で働き、編集長、編集部長を経験し、100人以上の漫画家さんと数百タイトルの作品を作ってきました。
漫画が好きで漫画編集として実績を出せ、楽しく仕事をしていたものの、書籍も携わった際に、もっと作っていきたいという思いをもっていました。会社を辞めた時も出版社立ちあげを検討したものの、厳しそうな状況に躊躇して、かつ請負の書籍編集は漫画に比べて安価で手間もかかり、企画も通らない。結局ほとんど漫画編集がメインになり、普段は楽しく仕事をしつつ、時折もんもんとしていました。
そんな中、数年前に同じ年の従姉が病死したことを機に、やりたいと思ったまま終わるのはイヤだと思い、出版社を立ち上げた次第です。状況は以前よりさらに厳しくなっていますが、8年以上考えてやりはじめたこともあり、収益の得方を模索しながら、あせらず刊行点数を増やしていけたらと考えています。また、出した本は長く売っていきたく、意志を継いでくれる人に事業継承したいという思いを抱いています。
版元ドットコムの記事や重版のお知らせを見ていると勇気づけられます。ぬまづ書房も、重版コンテンツをめざして一歩ずつ進んでいくつもりです。