(公社)福岡県人権研究所の新刊
はじめまして。昨年度から版元ドットコムに加盟させていただいております(公社)福岡県人権研究所と申します。様々な人権問題に関する書籍を発行しております。最近の新刊をご紹介いたします。
関 儀久 著 (三〇〇〇円+税)
『感染症と部落問題 近代都市のコレラ体験』
姿を変えて鏡を見れば、見慣れぬ姿が映し出されるように、わたしたちの日常が変われば、見慣れぬ歴史が姿をあらわす。多くの人々が「コロナ差別」に関心を抱くいまだからこそ、私は感染症対策と部落問題のかかわりを歴史の鏡に映し出したいと思う。 ―「序」より抜粋―
木村 政伸 著 (一一〇〇円+税)
『教室の灯は希望の灯 自主夜間中学「福岡・よみかき教室」の二五年』
二五年の歴史をもつ「福岡・よみかき教室」。そこに集まったさまざまな人たちの姿を通して、学ぶとは何なのか、学校とは何なのか、をあらためて考えさせてくれる一冊。
柴田啓蔵プロジェクト(森山沾一・和智俊幸・横田司・坂田美穂) 編
『殉義の星と輝かん―百年生きる「解放歌」と柴田啓蔵―』
「殉義(じゅんぎ)の星」とは、正義のために死した人間が生まれ変わる天空の星のこと。
柴田啓蔵(一九〇一~八八年)の造語であり、彼が作詞した「解放歌」(一九二三年)の最後を飾る詞(ことば)である。作詞に影響を与えた「全国水平社宣言」(一九二二年)は、ユネスコ世界記憶遺産(アジア太平洋地域)に登録されている。
柴田は一九〇一(明泊三四)年、九州・筑豊の被差別部落に生まれ、稀有の才能を幼少潮から発揮した。島崎藤村『破戒』時代の差別の中、九州を逃れて旧制松山高等学校に進学。文学をめざしていたが、一九ニニ(大正十一)年、全国水平社創立大会の開催(京都)を知った後、人間の自由・平等・博愛をめざして水平社運動に飛び込むー。
その後、数々の挫折、数奇な運命を経て、七十歳を過ぎて以降の記憶・記録・資料をもとに、本書は纏められた。次の地球百年への希望を求め、人間解敬をめざす人々に向けた書である。
久米 祐子 著 (二〇〇〇円+税)
『子どもから障害児を「分けない教育」の戦後史インクルーシブ教育とは』
ここに、もう一つの戦後教育史があった!第二次世界大戦後から一九八〇年代までの、子どもから障害児を「分けない教育」実践が開始された時期及び、その方法や名称が生まれた経過を明らかにする。
新谷 恭明 著 (一八〇〇円+税)
『校則なんて大嫌い! 学校文化史のおきみやげ』
『学校は軍隊に似ている―学校文化史のささやき―』、『なぜ中学生は煙草を吸ってはいけないの―学校文化史の言い分―』に続く、学校文化史シリーズ第三弾。いま、学校を変えていくのは教育史だ。
髙石 伸人 著 (八〇〇円+税)
『感染症と差別 感染症が炙り出した分断と差別』
NPO法人ちくほう共学舎「虫の家」事務局長として、「障害」者支援活動やハンセン病療養所入所者との交流活動等を進めている著者が、識者の言葉を引用しながら、分断と差別の問題について提起している。
園田 久子 編 (二〇〇〇円+税)
『絵本いのちの花が生まれ出た‼ 実践事例集』
寛政五人衆の史実を元にした絵本『いのちの花』を出版して二〇年。
この厳しい人権状況の中で、私たちの人権認識を深め、豊かな人権状況を切り拓くために、新たに教育現場での活用本をつくりました。