入社10年目の新米編集者
サンライズ出版の塩田です。小社は、創業者 岩根豊秀が1930年に謄写印刷業「サンライズスタヂオ」としてスタートし、昨年2020年に創業90年を迎えました。
90周年を記念し滋賀の画人を総集録した『近江の画人 海北友松から小倉遊亀まで』
を出版いたしました。
6月には滋賀県立近代美術館がリニューアルし、「滋賀県立美術館」として再開館するため、今後の展開が楽しみです。長らく閉館し、いろいろとありましたが、一県民として開館はとても楽しみです。
今回、版元日誌の執筆という機会が回ってきて、入社してからのことを思い返しました。いつの間にか入社して10年経っていました。(育休産休を取らせていただいたので実働7年ほどですが…)書店営業、経理、営業事務など、入社してから色々な業務を担当しました。長いこと出版社にいながら、今回編集として初めて一から本づくりを担当させていただく機会が回ってきました。入社10年目の新米編集者はあたふたしました。
そして、編集はなんでも屋だな、と思いました。原稿を読んで校正するだけでなく、原価計算して販売予測をたて、製本印刷の手配、チラシなどの販促物用意して…。することが多岐にわたっていて、本当になんでも屋。そして、こんなに予定通りに進まないものとは思いませんでした。今まで、営業や経理面でしか見ていなかったので、「なんでいっつも納期遅れるんやろう」「書誌情報、早く出さないと困るなぁ…」とかブツブツ思っていました。編集さん、すみません。
でも、一から本をつくることはとても楽しい。これが、今回編集を担当して1番思うことです。10年仕事をしていてもまだまだ知らないことがたくさんある。出版業はおもしろいと思いました。今回私が担当した『沖島の猫』は、湖国滋賀県の風景や暮らしを描いた木版画集です。著者の真面目で朴訥とした人柄があふれた作品を見ていると、「滋賀ってええとこやなぁ」と思いました。これから、たくさんの方にこの本が届くよう営業がんばります。