絵本はもっと面白くなる、はず!!
クレヨンハウスに在籍していた頃、自分はあまりピンとこないと思う絵本であっても、中にはやたらとその絵本を褒める方もいらしてとても不思議に感じていました。
東京ブックサポートという名で書店営業代行をはじめてからは、書店員の方々からの絵本に関するリアルな声が集まってくるのが有り難かったです。
その頃から様々な方の絵本の読み聞かせを拝見するようになったのですが、スキルがなくても平然としている方がおられるのがとても不思議に感じていました。絵本がとても可哀そうに思えてきて、自分も絵本の読み聞かせを始めることにしました。その時心に決めたことは「自分が面白いと思った絵本だけ読む」「オープンな場所で読む」「手遊びや楽器演奏はしない」の三つでした。
聞き手の反応を見ては選書を工夫していくうち、自分の絵本の選書にも自信が持てるようになり、仲間も増えると読み手たちからの絵本に関するリアルな声が集まってくるようになりました。
しかし新たに自分が気に入る絵本にはなかなか出会えず、しかも読みきかせに耐えられる絵本となると滅多にお目にかかれません。絵本作家になりたい人はたくさんおられるのですから、絵本業界のためにも埋もれている才能を掘り起こす仕組みが必要だと感じ、2015年春よりえほんみち新人絵本オーディションを開催することにしました。
ところが今年で7回目を数えるこの企画ですが、期待に応えてくれる作品になかなか出会えないばかりか、応募数さえ年々減っています。これは、絵本の文や構成をきちんと指導してくれる絵本講座が少なすぎるせいではないかと考え、2016年よりえほんみち絵本講座をスタートさせました。この講座からは、受講生たちの絵本に関するリアルな声が集まってくるようになりました。
8年ほど前に、東京ブックサポートのクライアントの一つである集文社の社長から経営譲渡の話をいただき、2014年4月から、二足のわらじをはくことになりました。しかし出版業界が縮小している中、集文社もご多分に漏れず試行錯誤が続く毎日です。
昨年になって、版元ドットコムに加盟している出版社に絵本関連の出版社が増えていることに気が付きました。各社それぞれが孤軍奮闘しているに違いないと思い、コロナ禍の中であってもZOOMで情報交換ぐらいならすぐにでも出来るのではと考えました。
そして、ひだまり舎の中村さんに相談にのっていただき、4月21日(木)に第1回の絵本版元情報交換会を開催するに至りました。参加社が17社あったのは嬉しかったです。5月20日(木)には第2回を開催。参加社が3社増え総メンバー20社のグループになりました。
毎月第3木曜日15時からが定例になり、販売方法や催事や広告そして作品についてなどを情報交換しながら、共同で出来ることを模索していきます。この情報交換会にはこれから絵本出版社の方々からの絵本に関するリアルな声が集まってくるはずです。
これらの声たちに背中を押してもらいながら『これから絵本はもっと面白くなる!』(牧野出版)ことを立証していきたいと改めて思うのでした。