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近世前期江戸出版文化史 速水 香織(著) - 文学通信
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近世前期江戸出版文化史 (キンセイゼンキエドシュッパンブンカシ)

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発行:文学通信
A5判
456ページ
上製
価格 8,800円+税
ISBN
978-4-909658-24-1   COPY
ISBN 13
9784909658241   COPY
ISBN 10h
4-909658-24-6   COPY
ISBN 10
4909658246   COPY
出版者記号
909658   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫僅少
初版年月日
2020年2月28日
書店発売日
登録日
2020年1月27日
最終更新日
2023年10月7日
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紹介

近世前期の江戸大衆文化を醸成した書肆たちと、そこから生み出された文化を探る。
三都(京・大坂・江戸)の出版界が互いに結びつきはじめる1670年代から、三都に本屋仲間が結成されて後、より組織的な活動が確立してゆく1750年代までの、江戸を中心とした出版文化の具体的な姿は、個々の書肆に関する資料が極めて乏しく、捉えきれていなかった。
そこで本書は、近世前期の江戸において大規模な出版活動を展開した書肆を複数選定し、その出版物を調査して年表化を行い、個々の出版活動の具体像を構築し直し、そこから地域としての特性や活動傾向を推測、書肆活動の文化史的な意義を明確にする。また商品として世に送り出された浮世草子を中心とする作品群と出版文化との係わりについても検討し、読者に受け容れられることを前提とした作品解釈をも試み、江戸前期の出版文化を立体的に提示した。付表として、近世前期に活動した「万屋清兵衛出版年表」を備える。
はじめて明らかになる、近世前期の江戸出版文化。

【近世前期の江戸に発達した出版文化は、同地が上方から見て文化的な後進地域であったこともあり、一六〇〇年代においては主体的な文芸の創出基盤として機能していたとは言い難い。しかし、元禄後期から宝永・正徳期、さらに享保期に本屋仲間が結成された出版機構が確立した後は、地域全体が活動幅の拡大を見せ、近世後期に至って上方を凌ぐまでの大衆文化を醸成してゆくのである。
 この文化的基盤形成の過程には、万屋清兵衛ら近世前期に活動を展開した書肆の存在がある。本書では、この文化史としての出版活動の展開の一端を、その流通経路に乗って世に送り出された作品群の分析を交えつつ明らかにすることを目的に、江戸文化の基底を成す出版文化の具体的様相を探った。】

目次

はじめに─出版文化の発達は、社会・文芸のあり方に、どのような変容をもたらしたのか─

第一編 近世前期における江戸出版界の諸相

第一章 貞享・元禄期における三都の出版書肆─西鶴本板元を中心に─
はじめに
一、貞享から元禄へ─岡田・森田の撤退─
二、雁金屋・上村・万屋
おわりに

第二章 元禄末年の江戸出版界─上方との係わりにおいて─
はじめに
一、西村半兵衛と万屋清兵衛─西鶴本前後─
二、元禄末年の様相
三、大坂書肆万屋彦太郎と江戸書肆
四、元禄十年代の万屋清兵衛
おわりに
浮世草子に関係する江戸書肆の連名板一覧表(元禄六~正徳六年)

第三章 正徳・享保期における江戸出版界と上方浮世草子─『武徳鎌倉旧記』出版の背景─
はじめに
一、『武徳鎌倉旧記』と作者馬場信意
二、其磧・自笑確執期
三、正徳から享保期における江戸出版界の状況
四、菊屋七郎兵衛の動向
おわりに
・資料1 江戸書肆の取引状況
 ○万屋清兵衛
 ○須原屋茂兵衛
 ○小川彦九郎
・資料2 須原屋茂兵衛の出版物(正徳三~享保十一)

第四章 中山道関連書籍の出版に見る三都本屋仲間の相克
はじめに
一、近世前期における道中記の展開と中山道関連書籍群
二、中山道情報誌の記事比較
三、各書の刊行経緯と寛延・宝暦期の三都出版界
おわりに

第二編 文芸の創出と出版文化─物語の要素に映る社会─

第一章 近世前期文芸における大神宮と伊勢参宮
はじめに
一、近世初期成立の文芸に見られる伊勢参宮
二、西鶴浮世草子に登場する「伊勢参宮」
三、元禄期以降の浮世草子における「伊勢参り」
おわりに

第二章 『好色五人女』巻二「情を入し樽屋物かたり」における「ぬけ参り」の意味
はじめに
一、「ぬけ参り」への意識とおせんへの評価
二、おせんの人物造形と《貞女》の類型
三、「子おろし」という設定─「こさん」の造形─
おわりに

第三章 遊女となった息女─『武家義理物語』巻五の四「丸綿かづきて偽りの世渡り」の視点─
はじめに
一、「丸綿かづきて偽りの世渡り」梗概とモデルとの比較
二、《遊女となった息女》の話と遊女への社会的評価
三、小桜の《意地》と《孝行》とのゆくえ
おわりに

第三編 江戸書肆万屋清兵衛

第一章 開業時期の様相と出自
はじめに
一、万屋清兵衛の出自
二、開業当初の出版物と存疑の出版物
おわりに

第二章 営業初期の出版活動
はじめに
一、出版物の概要
・表一 付表に基づく出版物の刊行状況
・表二 出版物の時期分野別一覧
二、西鶴本出版への参入
・表三 西鶴本(連名板)の板元一覧
 ○万屋清兵衛と連名となる板元相関図(草創期)
 ○万屋清兵衛と連名となる板元相関図
三、貞享期における岡田三郎右衛門・森田庄太郎との係わり
四、俳書・雑俳書出版への傾倒
五、西村半兵衛との係わり
おわりに

第三章 営業地と所付の問題
はじめに
一、所付の変遷
・万屋の所付一覧
二、二種の所付「青物町」と「万町」
三、所付「万町」が記載される連名板について
四、所付「南詰」の問題
おわりに

第四章 松葉貞倚─出版活動・執筆活動素描─
はじめに
一、貞倚の出版活動①─俳書出版と江戸座との交流─
二、貞倚の出版活動②─八文字屋本の売出─
三、貞倚の出版活動③─物の本屋としての出版物─
四、出版活動の停滞
五、終焉期の様相
おわりに

付表 万屋清兵衛出版年表
〈凡例〉
〈年表〉

あとがき
初出一覧
索引(人名・書名)

著者プロフィール

速水 香織  (ハヤミ カオリ)  (

1974年三重県生まれ。
2007年、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了。博士(文学)。
中京大学非常勤講師、同朋大学非常勤講師、皇學館大学文学部助手を経て、現在、信州大学学術研究院人文科学系日本文学分野准教授。専門は日本近世文学、出版文化史研究。

上記内容は本書刊行時のものです。