版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
現実を解きほぐすための哲学 小手川 正二郎(著/文) - トランスビュー
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
八木     ト・日・他     書店
トランスビュー     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 取次ルートは買切返品不可/直接取引は返品可

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

現実を解きほぐすための哲学 (ゲンジツヲトキホグスタメノテツガク)

このエントリーをはてなブックマークに追加
四六判
280ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7987-0176-9   COPY
ISBN 13
9784798701769   COPY
ISBN 10h
4-7987-0176-9   COPY
ISBN 10
4798701769   COPY
出版者記号
7987   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2020年2月5日
最終更新日
2022年3月24日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

★この書籍の小売店頭価格は、2400円+税です。


性差、人種、親子、難民、動物の命について――

いま、世界には社会の分断を生む問題が山積している。
こうした問題についての議論は、往々にして、それぞれの立場から非難の応酬になりがちだ。
では、意見の異なる人と対話し、世の中をより良くしていくためには、何が必要なのだろうか?

著者は、一人ひとりが「自分の頭で考える」こと、そして「かわるまでわかる」ことが大切だと説く。
網の目のように複雑にからまった現実を、どのように解きほぐすことができるのか。
それぞれの問題について、丁寧な思考の歩みを示していく。

哲学は、偉大な学者の言葉や思想をありがたがることではなく、現実に向き合うことから始まる。
本当の意味で考えるための入門となる一冊。


「考えることは、しんどい。
 けれども、物の見方が変わる面白さを味わえる」
――古田徹也 氏(東京大学准教授)推薦!

目次

序章 「自分で考える」とはどういうことか?

経験から出発する――分析の手がかり
現実を解きほぐす――分析の手法
問いに身を晒す――分析の目標

第1章 性差――なぜ、哲学にフェミニズムが必要なのか?

男女平等についての「建前」と「本音」

1 差別とは何か?
・日本における男女格差の現状
・「差別」とたんなる「区別」の違いとは?
・日常にはびこる「差別的言動」
・フェミニズムはすべての人のためにある

2 私たちは、どのように男女を見分けているのか
・性差別は簡単に論破できる?
・性差の類型的な知覚とは
・女性の身体経験を考える――「女の子投げ」と「月経」

3 男性とフェミニズム
・男性も家父長制によって抑圧されている?
・お膳立てされた男らしさ
・誰が男らしさを求めているのか?
・フェミニズム的男らしさの可能性


第2章 人種――黒人の肌は本当に「黒い」のか?

日本人と人種差別

1 人種と人種差別
・見える差異と見えない差異
・人種という概念の誕生
・人種は科学的に存在するのか?

2 人種という経験
・人種として見るとはどういうことか
・人種化する知覚の特徴――受容性の制限と人種の自然化
・日本における人種差別――「ハーフ」の差別経験をもとに

3 「黄色人種」としての日本人
・「黄色人種」の自認
・黄色人種への差別
・日本の人種的マジョリティの人種経験
・人種差別的な習慣を変えるには

第3章 親子――何が「子どものため」になるのか?

親子関係を哲学する

1 親にとって子どもとは?
・「子どもをもつ」ことは何を意味するか
・生まれてくる子どもの私物化
(a)家族とクラブ――新型出生前診断
(b)子どもと製作物――デザイナーベイビー
・生まれてきた子どもの私物化
(c)しつけと虐待――子どもの唯一的な価値の毀損
(d)パターナリズムと過干渉――自律性の毀損
・「親である」ことと「親になる」こと

2 子どもにとって親とは?
・子どもは生みの親のもとで育つべきか
・アイデンティティと親を知ること
・生物学上の親にこだわる必要はない――「自然な核家族」図式に抗して
・出自を知る権利を認めるべきか?
・自己の物語を語り直す

第4章 難民――受け入れるべき責任を負うのは誰か?

「受け入れない」に限りなく近い日本

1 難民問題とは何か?
・難民と移民の違い
・難民問題の現状
・難民受け入れにまつわる様々な誤解

2 難民受け入れの根拠をめぐる議論
・難民発生は誰のせいなのか?
・難民受け入れの利害とは?
・難民は基本的人権を侵害されているか?

3 難民に対する責任?
・責任の受動性と無起源性
・責任から目を逸らす習慣
・私たちの「冷ややかさ」

第5章 動物の命――肉を食べることと動物に配慮することは両立しうるのか?

肉食反対派と擁護派の埋めがたい溝

1 人間は「種差別」主義者である――シンガーによる肉食批判
・種差別とは何か?
・工場畜産と動物実験に対する批判
・能力による命の序列化

2 人間と動物は違うということの意味――ダイアモンドによるシンガー批判
・肉食と人食
・動物への配慮は規範の問題なのか?
・動物に対する見方を変える
・「価値観の違い」を越えて

3 人間の命と動物の命
・人間主義と人間中心主義との違い
・すでに死んでいる動物への配慮
・ペットの命から考える
・肉を食べるとは、いかなることか?

著者プロフィール

小手川 正二郎  (コテガワ ショウジロウ)  (著/文

國學院大學文学部准教授。1983年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。専攻はフランス近現代哲学、現象学。現象学の観点から、性差・家族・責任などの問題に取り組んでいる。著書に『甦るレヴィナス―「全体性と無限」読解』(水声社)、共著に『フェミニスト現象学入門―経験から
「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版)、共訳書に『評伝レヴィナス― 生と痕跡』(慶應義塾大学出版会)など。

上記内容は本書刊行時のものです。