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新人文感覚1 風神の袋
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年8月
- 書店発売日
- 2011年8月10日
- 登録日
- 2011年6月10日
- 最終更新日
- 2014年5月26日
書評掲載情報
2012-01-22 |
毎日新聞
評者: 沼野充義(東京大学教授・スラブ文学) |
2011-12-18 |
毎日新聞
評者: 沼野充義(東京大学教授・スラブ文学) |
2011-11-06 | 朝日新聞 |
2011-09-25 |
東京新聞/中日新聞
評者: 風間賢二(翻訳家) |
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紹介
18世紀、「歩く」・「見る」ことから一挙に花開いていった、観相学(フィジオノミー)の発達、推理小説の技術革新、
ピクチャレスクの旺盛、百科総覧による視覚文化の横溢を、洋の東西をうねくりながら、絢爛豪華に展開。
目次
1 ホモ・アンブランス(歩くヒト)になる――歴史を「歩き」直す方法
ゆっくり歩く 見えてくる
歩く、見る、書く――フィジオノミーというメソッドについて
物量と記号が氾濫する時代には、「小説」がふさわしい。
デフォー、あるいは〈敵〉?
近代の寓話――デフォー『ロビンソン・クルーソー』
暗号で書かれた日記――サミュエル・ピープス『日記』
性懲りもなく証拠――ドキュメントの近代史
風刺の黄金時代を嗤う
もう結構な話――ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』
ポンス熱死――バルザックとわたし
運命ヴィジュアル
破顔一笑の本
フィジオノミー世紀末――顔で歴史を読む
禿頭王の恥じに始まる――かつらの近代史異説
「自由」をかぶった近代人――かつらの文化史、一番肝心なこと
ザッツ・キャラスタリスティック――気質文学東西
逸れるたのしさ――「キャラクターをめぐって」
2 見ることに洋の東西はない――視覚文化論実践篇
既知のように語っていいのだろうか――モダニズム管見
ただ絵を論じても仕方がない――ポー文学のヴィジュアリティ
啓蒙イギリスの本屋さん
アクチュアライズする目――身体また十八世紀に発す
もの知り近代の初め――エフライム・チェンバーズ
十八世紀の一時間旅行
トゥーンベリ『江戸参府随行記』
アッカーとアーカート――源内は立派に世界文学
エレキテルと探偵――平賀源内と夏目漱石が視た光と闇
青い目のキョクテイ
大江戸マニエリスム事はじめ
マニエリストの才覚――『西鶴諸国ばなし』
表現者は身に繍るひと――松田修
「むしろ迂愚のごとく」のすさまじさ――その激語は一層のアウラを
歌麿のShell Shock――『潮干のつと』購入に感謝
十八世紀の身体を開く
大江戸新美術史――スクリーチ『大江戸視覚革命』
外連ピクチャレスク
のぞく近代――襞と襞の戯れ
聖と俗とをとりまぜながら、エロティックな文学は、人と人との関係を反映する。
ポルノの黄金時代
マニエリスムの恋人たち、または口ほどにもあるメタ・ポルノ
視覚的快楽の閉回路へ
『エロトス』の女芯に
もっとタフなフェミニズムのために
3 見えるものはこんなにも楽しい(Ⅰ)――表象論基礎篇
タブローのかたちをした空間――『言葉と物』と一九六〇年代
フーコー、跼蹐せず――『言葉と物』のアフターエフェクト
「物類」というタブローの宇宙――江戸本草学と花
2004年夏、オランダの光
珍しく花のある話――フローラル・ペインティング序説
プリズマティックス
マニエリスムの王位継承者――ハムレットとドン・キホーテの図像学
自由放任の終わり――デフレと推理小説
『緋色の研究』を研究してわかること
百貨と胃袋――ゾラ・ヴィジュエル
「まったく新種の店」のパラダイム――ワナメイカーの世紀末
“世界は百貨店”とパリは言う
「パトロン」の系譜と機能
美術館の収集品とは、略奪と権力の象徴
身体という「驚異の部屋」
メトニミックス――金子國義について
インテリオフィリア――金子國義ふたたび
4 庭のように世界を旅する――ピクチャレスク遊学篇
「箱」ルネ=サンス――内藤ルネ讃
「風景画」の秘密――豪奢な夢①
ラスキンとピクチャレスク
夢てふものは――『春昼』の風景
十九世紀美術史を映しだす鏡――ブロンテ姉妹と「絵」
廃墟としての世界
廃墟のパラドキシア
ボマルツォの怪物庭園
フローラル小劇場――ガーデニングの世紀末
本当の「英国式」庭園について
動く密室――豪奢の夢②ツーリズムの近代(前)
乾いた日常を濡らす源「泉」
地図のポストモダン
軍隊のような旅――豪奢の夢③ツーリズムの近代(後)
世紀末、スポーツはたくらむ――自転車、オリンピック、闘牛
旅という想像力
5 家が「うち」と呼ばれるとき――幻想文学入門篇
辞書と偽書――〈アンティレゴメナ〉文学史覚え
植生の建築史――ヴィクトル・オルタの方へ
マニエリスム――「あの人」としか言えないことの豊かさ
ファウスト、ヴィクトリア朝に甦る
それは繰り返す――『イットを読む』
家庭に潜む恐怖――スティーヴン・キング『IT』
本をデザインする家――『紙葉の家』に興奮した
「ホーンティッド・ハウス」論今般
いま読者に何が「ニードフル」か
「不気味なものが……」川端康成文学の新しさ――「片腕」「眠れる美女」にふれて
6 私は人文がしめ殺されるのをこの目で見た
首都大学というグラウンド・ゼロに立つ
版元から一言
画文共振の饗宴
追記
帯より
観相学やら聖俗学やらを、
語源風神が吹き飛ばす。
高山見ずして、本読むな。
―――松岡正剛
展覧会、トークイベントなどの情報
2011/11/10-(木)2011/11/15(火)
◆高山宏 「学問はアルス・コンビナトリアというアート」展
紀伊國屋画廊(紀伊國屋書店新宿本店4F)
2011/11/12(土)19:00開演(18:30開場)
第94回紀伊國屋サザンセミナー 高山宏『新人文感覚』全2巻完結記念トークイベント
「知の風神・学の雷神 脳にいい人文学」
上記内容は本書刊行時のものです。