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琉球怪談
現代実話集 闇と癒しの百物語
- 初版年月日
- 2011年1月
- 書店発売日
- 2011年2月1日
- 登録日
- 2011年1月7日
- 最終更新日
- 2011年1月28日
紹介
沖縄には、さまざまな怪が潜んでいる……。
体験者から蒐集した、心に響く怪談百話。
沖縄の、沖縄による、沖縄のための、百物語。
目次
現代実話集琉球怪談 闇と癒しの百物語
はじめに
シニマブイ イチマブイ
車中にて
棲むもの
いくさの後先
小さいもの 大きいもの
私の話
怪異の場
見守るもの
白い蛇と優しき猫
ユタになった人 ならなかった人
あとがき 百一話目として
前書きなど
いにしえより、百の・怪・を集めれば、・怪・そのものが起こると言われている。
百本の蝋燭を灯し、一つの怪談を語った後、それを一つずつ消してゆく。そして最後の一話を話し終わり、蝋燭を全て消した後に、何かが起こる。そんな話も伝わっている。 これは、そんな日常に潜む・怪・を百話収録した本である。
沖縄には、怪しげな存在を表す言葉として〈マジムン〉〈ヤナムン〉という言葉がある。 ・ムン・とは、異形の存在、・怪・そのものである。
今まで、沖縄では「怪談」について書かれた本は数多くあった。だが沖縄をひとくくりとした「百物語」は、今まで語られたことがなかった。「逆立ちユーレイ」や「真玉橋の幽霊」「識名坂の遺念火」などの怪談話は、すでに古典と化し沖縄芝居になったり、民間伝承として語り継がれている。沖縄での怪談の本といえば、ほとんどがこうした琉球王朝時代の、いわば昔話の時代の「怪談」であって、「現代」の怪談を集めた本ではなかった。
しかし現代の沖縄にも、さまざまな・怪・が潜んでいることは、明白な事実なのだ。
この本は、できうる限りの取材を通して、私個人が実際に体験したり直接本人に聞いた話で構成されている。 私は京都で生まれて、縁あって沖縄で暮らしているのだが、個人的に怪談や妖怪などに興味があり、今までに多くの人々の話を聞く機会に恵まれた。それがいつのまにか百も集まってきたことが、これまた一つの怪ではないかと、怪しんでいるところである。 この本は、沖縄で起きた事を前提として、沖縄というくくり以外の話は一切収録していない。本土出身者の話であっても、舞台は必ず沖縄のどこかの話であるし、舞台が本土の話でも、登場人物は沖縄の人に限定してある。そういうわけで、沖縄という一種独特の風土がもっとも反映された、沖縄の、沖縄による、沖縄のための百物語であるといえよう。私はそれを「琉球怪談」と名付けた
版元から一言
沖縄から、心に響く〝怪談〟をお届けします。
怖くて切ない、なぜか心がほっとする怪談です。
おもしろい、です。
新聞連載もします。
沖縄から初の本格的な百物語です。
上記内容は本書刊行時のものです。