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日本農業における企業者活動 髙橋 正郎(著) - 農林統計出版
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日本農業における企業者活動 (ニホンノウギョウニオケルキギョウシャカツドウ) 東畑・金沢理論をふまえた農業経営学の展開 (トウハタ・カナザワリロンヲフマエタノウギョウケイエイガクノテンカイ)

ビジネス
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A5判
370ページ
上製
定価 4,200円+税
ISBN
978-4-89732-305-3   COPY
ISBN 13
9784897323053   COPY
ISBN 10h
4-89732-305-3   COPY
ISBN 10
4897323053   COPY
出版者記号
89732   COPY
Cコード
C3034  
3:専門 0:単行本 34:経営
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2014年9月
書店発売日
登録日
2014年8月25日
最終更新日
2015年9月3日
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書評掲載情報

2014-11-02 日本経済新聞
評者: 大泉一貫(宮城大学特任教授)
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紹介

危機的状況にある日本農業を再建するために、今求められる農業理論は何か。それは、経営学に裏打ちされた農業理論である。半世紀を超える研究活動の集大成として、原点の「農業経営学」を問い直し、日本農業再構築の道筋を示す。

目次

序 章 「農業経営学とは何か」を再び問う-若き日の学問遍歴を振り返りながら-
 1 金沢夏樹教授の下での「二重構造論」的思考と実証主義研究
 2 政策論的農業経営学に満足できず独自路線を模索
 3 日本農業を動かす「企業者」を求めて-出発点として「東畑主体論」-
 4 実務論主題の一般経営学に飽きたらず「経営史学」の方法論に傾倒
 5 中座した農業経営学の理論的展開をどう復活するか

第Ⅰ部 東畑主体論・中川経営史学から学ぶもの
 第1章 「東畑主体論」とその継承-「単なる業主」と「企業者」をめぐって-
  1 『日本農業の展開過程』の執筆の背景とその評価
  2 『日本農業の展開過程』の主題-「日本農業を動かすもの」-
  3 『展開過程』以降の東畑主体論
  4 東畑主体論の批判とその継承
 第2章 中川経営史学における企業者活動とその源泉
  1 アメリカ合衆国における経営史学の成立と展開
  2 中川敬一郎教授による「経営史の3つの研究方法」の統合
  3 チャンドラー教授による経営史学の継承・発展
 第3章 経営史学方法で「東畑主体論」を読み,本書の主題を問う-主題「主体‐環境系」論から見た「単なる業主」-
  1 「東畑主体論」を「中川経営史学」の方法で読む
  2 農業経営学の方法論的基礎としての「主体-環境系」論-経営戦略論の主題「主体-環境系」論の始原は生態学研究-

第Ⅱ部 農業経営学の社会科学的基礎を求めて-経営二重構造論から学ぶもの-
 第4章 金沢農業経営学の特質と論点-二重構造論的農業経営学の形成とその意義-
  1 はじめに
  2 農業経営学のガイストロス批判に応えて
  3 二重構造論的農業経営学の形成とその背景
  4 日本農業の実態分析から農業経営の二重構造を実証
  5 二重構造論的農業経営学の各論への展開
  6 金沢農業経営学の評価ならびにその限界と新たな展開
 第5章 社会科学の共通論題としての環境決定論と主体選択論-二元論から二重性論へ,二重構造論の意義-
  1 社会科学における「主意主義」と「決定論」-バーレル・モーガン『組織理論のパラダイム』に見る「二側面」-
  2 和辻風土論の「地理的決定論」批判をめぐって
  3 「二元論」から「二重構造論」へ-社会学者 A.ギデンスの所説に導かれて-
  4 諸学における「決定論」と「自由」-哲学界・経営学界における論議-

第Ⅲ部 日本農業の環境変化と新しい担い手の形成
 第6章 近現代における日本農業の「主体」と「環境」の変遷
  1 明治維新から第二次大戦期まで
  2 農地改革から高度成長を経て
  3 経営をめぐる環境変化、抑制され続けた農業経営主体
 第7章 規制緩和と新しい担い手の出現
  1 農業経営をめぐる規制緩和の進行
  2 「農業生産法人」の制度的容認とその要件緩和
 第8章 農業生産法人の展開とわが国農業に占めるウエイト
  1 『農業法人白書』『農業センサス』から見た農業法人
  2 農業法人の販売額の農業総産出額に占める割合
  3 『先進農業法人インタビュー』から見た「企業者活動」
 第9章 「企業的農業生産法人」のケーススタディ
  第1事例 「マーケット・イン」を基本とする野菜多角ビジネスの展開-和郷園・和郷-
  第2事例 野菜の新規「業務用需要」に「契約栽培」で企業化-トップリバー
  第3事例 政策情報をいち早く入手し「企業者活動」を展開-新潟ゆうき-

第Ⅳ部 農業経営学の理論構築に向けて
 第10章 髙橋農業経営学を再論するにあたって-初期論考に対する評価と批判をふまえて-
  1 農業経営学に関する筆者の初期論考の概要
  2 初期論考に対する評価と批判
  3 その後の論考を含め学会研究レビューによる評価
  4 第Ⅳ部「農業経営学の理論構築に向けて」の問題意識
 第11章 農業経営学における「主体-環境系」論の理論フレーム
  1 経営学における理論フレームとその操作性-農業経営研究における経済学的接近と経営学的接近-
  2 農業経営学の研究対象-「経営体」と「経営する」の2重性,研究対象としての「経営する」の3側面-
第12章 求める主体は「農業における企業者活動」の担い手-農業経営主体論・農業経営政策論に関連して-
  1 農業経営主体論-求められる主体は「農民層」でなく農業における「企業者」-
  2 「企業者」「企業者活動」とその形成フレームワーク-再び経営史学から学ぶ-
  3 日本農業における「企業者活動」の「担い手」の出現メカニズム-日本農業における「企業者活動」の発現の要件-
  補 「企業的農業経営者」育成のための「農業経営政策」の課題-農業経営政策の要諦は農業経営者の自由度の拡大-
 第13章 農業経営学の体系-企業戦略論・経営管理論・農学的技術論-
  1 農業経営主体が対処する3つの“環境系”
  2 「農業経営管理論」に関連して
  3 「農企業戦略論」に関連して
  4 「農学的技術論」に関連して
 第14章 企業的農業経営の組織形態
  1 はじめに
  2 農業経営研究における「企業形態論」の導入
  3 企業的農業経営の組織形態-「企業者のカサ」論,ネットワーク・フランチャイズ型経営-
  4 単位農協が張る「企業者のカサ」
 第15章 農業経営における「企業者活動」-農企業におけるビジネス・チャンス-
  1 「企業者活動」とは「ビジネス・チャンス」への果敢な挑戦
  2 農業経営の環境変化とビジネス・チャンス
  3 農業におけるイノベーションとイノベーション・マネジメント
  4 「革新」と「経営管理」-農業生産法人で求められる労務管理,基礎理論としての「構造的緊張」論-
 終 章 農業における「企業者活動」を「木」から「森」へ
  1 日本農業の再構築とその担い手-全般的な衰退のなか,躍動する「企業者活動」の全国的な拡がりを求めて-
  2 農業における「企業者活動」をバックアップする農業経営学-一般経営学から方法論的基礎を学び,日本農業の実証研究を体系化する-

著者プロフィール

髙橋 正郎  (タカハシ マサオ)  (

元日本大学教授

上記内容は本書刊行時のものです。