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永遠の山地 ワリス・ノカン(著) - 草風館
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永遠の山地 (えいえんのさんち)

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発行:草風館
四六判
328ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-88323-137-9   COPY
ISBN 13
9784883231379   COPY
ISBN 10h
4-88323-137-2   COPY
ISBN 10
4883231372   COPY
出版者記号
88323   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2003年11月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

山がどうして 学校なの?(中略)/足の裏でしっかり踏み確かめてごらん/心で山の窓を開けてごらん/そうすれば見つかるよ/山はそっと校門を開け/やさしい声で言うよ おはいり 子どもたちよ(本書「山は学校」より)
ワリスは、常に「タイヤル族」としての自己にこだわり続けて表現する。作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。

目次

山は学校
 みどりの葉っぱは木の耳/ずる休み/雨の中の紅い花/旅へ/欠落感/汕尾の子どもの下校/山は学校/母/縄/詩集/線路/黙思録/三代/最後の日本軍夫/終戦/烏来にて/大同にて/庚午霧社行/八雅鞍部を行/山霧/霧社
永遠の山地
 大安渓/隘勇線/山への招待/山の洗礼/猟人/老狩人が死んで/サングラスをかけたムササビ/火をつけるヤギ 
永遠の部落
 外省人の父/一九九六年一月一日の命名/奪われた一日/故郷はどこ?/竹筒飯と地方記者/石碑に涙無し/ウルガの恋/夢の顔/虹の橋 
受難の歴史
 汚名を背負って/白の追憶/「白色」追憶録/ロシン・ワタン 
荒野の呼び声
 家は国家公園のなか/神話の殿堂/ 延々十年、故郷へ帰る道/目覚めへの路/太陽イナの故郷をめぐって/途方に暮れる? 
【解説】 ワリス・ノカンが綴る近現代史 小林岳二 

前書きなど

ワリスは、常にタイヤルとしての自己にこだわり続けている。そして原住民族は、自らの生活環境を守り続けなければ存続できないということを心に深く刻み込んでいるのである。ワリスは、作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。
 1994年、ワリスは豊原市を離れて、故郷ミフ村に戻り、自由国民小学校で教鞭をとることになる。中学校を卒業して以来、故郷を離れて暮らしたワリス、彼がタイヤルとしての、そして原住民族としての自己を発見し、自分が住む村の発展に尽くさなければならないと自覚していく過程、それは現在、自分の生まれ育った村に戻り、活躍している多くの原住民族知識青年が歩んできた道でもある。
 ワリスにとっての大きな試練、それは1999年の九二一大地震であった。ミフ村も大きな被害を受け、ワリスは現在も仮設住宅で暮らしている。ワリスは、地震の困難を乗り越え、村人と村の再建に取り組んだ。そして、現在においても、タイヤルの歴史や文化の研究に取り組み、精力的に新聞紙上や雑誌に文学作品や評論を発表している。

山がどうして 学校なの?(中略)/足の裏でしっかり踏み確かめてごらん/心で山の窓を開けてごらん/そうすれば見つかるよ/山はそっと校門を開け/やさしい声で言うよ おはいり 子どもたちよ(本書「山は学校」より)
ワリスは、常に「タイヤル族」としての自己にこだわり続けて表現する。作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。

版元から一言

故郷の村こそ、わが原点/原住民族の文化工作者として

著者プロフィール

ワリス・ノカン  (ワリス・ノカン)  (

1961年に、台湾中部の山岳部、タイヤルのミフ村で生まれた。台中県の客家系漢民族の街である東勢から、自動車で一時間弱のところにある山村である。村人はタイヤル語でミフ村と呼んでいるが、清朝時代から山麓の漢人から埋伏坪という地名で呼ばれてきた。台中師範専科学校(現在の台中師範学院)を卒業して、各地の小学校教師を歴任、のち故郷の学校教師となって、多方面で活躍を開始。
ワリスの著書(2003年3月現在)を出版年順に並べると、散文集『永遠の村』(原題『永遠的部落』、晨星出版、1990年)、ルポルタージュ『荒野の呼びかけ』(原題『荒野的呼喚』、晨星出版、1992年)、評論集『番刀を抜く』(原題『番刀出鞘』、稲郷出版社、1992年)、詩集『タイヤルの子供、台湾の心』(原題『泰雅孩子 台湾心』、台湾原住民人文中心〔自費出版〕、1993年)、詩集『山は学校』(原題『山是一座学校』、台中県立文化中心、1994年)、詩集『わが民族を想う』(原題『想念族人』、晨星出版、1994年)、散文集『サングラスをかけたムササビ』(原題『戴墨鏡的飛鼠』、晨星出版、一九九七年)、散文集『番人の眼』(原題『番人之眼』、晨星出版、1999年)、詩集『伊能再踏査』(原題『伊能再踏査』、晨星出版、1999年)がある。

中村ふじゑ  (ナカムラフジエ)  (

台湾史研究者。著書に『オビンの伝言』、訳書に『最後の貴族』『鳥になった男』などがある。

三宅清子  (ミヤケキヨコ)  (

1966~74年まで台湾に在住。日本語教師のかたわら台湾の政治犯救援運動にたずさわる。

中古苑生  (チュウコソノオ)  (

横浜市立大学卒。現在、三冬社代表として、中国・アジア関係の出版物の企画・編集・翻訳に従事。

内山加代  (ウチヤマカヨ)  (

現在、中国語文学院学院長。詩郷、関西詩人協会会員。

新井リンダかおり  (アライリイダカオリ)  (

北京大学中国文学部卒業。先住民族を表現するフリーランス・ライター。

山本芳美  (ヤマモトヨシミ)  (

文化人類学を専攻。学術博士。現在、都留文科大学比較文化学科講師。

小林岳二  (コバヤシガクジ)  (

台湾原住民族の歴史について強い関心を持っている。現在、高校教員。

上記内容は本書刊行時のものです。