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出版者情報
中国語で短編小説を読もう!~靴屋と市長~
- 初版年月日
- 2007年3月
- 書店発売日
- 2007年3月23日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
中国の現代小説『靴屋と市長(和題)』の原文をそのまま読めます。
本書の前半は全文にピンインと必要な単語に語注を付け、後半にはピンインなしの原文と日本語訳を収録した2部構成となっていますので、初級レベル修了程度の方から手軽に読むことができます。また、付属のCDを活用することで、正確な発音・リズムで読む力がつき、同時にリスニング力もつきます。
≪ 小説『靴屋と市長』の内容 ≫
四十年に渡って路地でひたすら靴を修理し続ける一人の職人。彼のもとに、風が一枚の紙切れを運んできた。紙に書かれた「三口井一号」という文字との縁を信じた職人は、やがてその場所を捜し出す。夢を抱いて生きる主人公と路地の人々をめぐる大人の童話。
前書きなど
《はじめに》
「中国語で中国の小説を読んでみたい」―中国語を勉強している皆さんからよくこんな言葉を聞きます。現在、日本の中国語学習者は増加の一途をたどり、そのレベルも全体的にかなり高くなってきました。「中国人の友だちとちょっと話をしてみたい」「中国へ旅行したとき少しでも言葉が通じたら・・・」というレベルにとどまらず、中国語でさまざまな中国の本を読んでみたい、中国人のものの考え方を理解したい、と願う学習者の皆さんもかなり多くなっています。前回「中国語で短編小説を読もう!『天下無賊』」を出版したときにいただいたたくさんの感想から、学習者の皆さんの理解の深さ、学習意欲の強さを改めて感じました。それに励まされ、今回再び『天下無賊』と同じスタイルでこの本を編んでみました。
前半では、中国語の文章の下にピンインをつけました。付属のCDに入っているネイティブスピーカーによる朗読も参考にして、是非、声に出して読んでください。原文を音読することによって、その作者特有の文体や作品の持つ雰囲気を、より直接的に味わうことができます。また、読み進める上でヒントになるような語や表現は注としてあげておきました。自分で辞書を引いて調べるということは何より大切なのですが、わからない単語がたくさんある、というところでつまづかず、原文を自分の力で読み通した、という自信を持っていただきたいのです。
後半の左ページにはこの小説の原文がピンインなしで載せてあります。もちろん、始めからこのピンインなしの文を読まれてもいいのですが、ピンインを頼りに何度か読み、そのあと原文をピンインなしで読んでみるのも一つの方法です。右ページには対訳をつけました。翻訳をするときには、一つの原文に対してさまざまな訳文、さまざまな表現が考えられます。ですからこれは訳の一例と考え、自分で訳してみる、ということにも是非挑戦してください。
まず「原文で中国語の現代小説を読むなんて…」という抵抗感をなくし、自分の語学力を十二分に活用し、なによりも「読めた!」という実感と自信を持っていただきたい、それが一番の望みです。そして、これをきっかけにして、中国の小説に興味を持ち、もっと読んでみたい、と感じてくださるなら、これ以上うれしいことはありません。
最後に『靴屋と市長(原題《鞋匠与市长》)』の原作者、趙本夫氏に心よりお礼を申し上げます。
2007年2月
永倉 百合子
上記内容は本書刊行時のものです。