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出版者情報
中国語で短編小説を読もう!~天下無賊~
- 初版年月日
- 2005年5月
- 書店発売日
- 2005年5月30日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
2005年中国で公開された映画『天下無賊』の原作が手軽に読めます。
本書の前半は全文にピンインと必要な単語に【語注】を付け、後半にはピンインなしの原文と日本語訳を収録した2部構成です。「原文を自分の力で読み通し、作品を味わえた」という、自信と達成感が得られます。朗読CD付き。
≪ 小説『天下無賊』の内容 ≫
5年ぶりに故郷に帰る純朴な青年は出稼ぎ先で貯めた全財産を布袋に詰め込み、砂漠からやってきた列車に乗り込んだ。乗り合わせたカップルの泥棒、顔に刀傷を持つ男、布袋を狙う強盗。人のやさしさと人情が交錯し無垢の善意と正義が紡がれる温かい物語。
前書きなど
はじめに
中国語を勉強している皆さんの中には、「いつか中国語で中国の小説を読んでみたい」という希望をもっていらっしゃる方も少なくないと思われます。以前に比べて学習者も増え、また、学習者のレベルもかなり上がっているため、その希望はますます高まっているようです。その道先案内になれれば、という願いを込めて本書を編みました。
前半では、中国語の文章の下にピンインをつけました。小説は目で読むものですが、付属のCDを参考に、是非、“音読”してください。ネイティブスピーカーによる音声を聴き、そして声に出して読むことによって、中国語の音、文のリズム、この作者の小説の個性を味わっていただきたいと思います。
最初は意味がよくわからなくても、何度も読んでいるうちに意味がわかってくる、ということもあります。ちょっとわかりにくい言葉や表現には注をつけておきましたので、参考にしてください。
後半には、この小説の原文がピンインなしで載せてあります。もちろん、はじめからこのピンインなしの文を読まれてもいいのですが、ピンインに頼って何度か読んだあと原文にあたってみるのも一つの方法です。いずれにしても、原文を自分の力で読み通し、「作品を味わうことができた」という自信をつけていただきたいのです。また、日本語訳をつけておきました。翻訳にはさまざまなやり方があるわけですから、これは一例です。皆さんも自分の訳文を考えてみてはいかがでしょうか。
巻末の「作者と作品について」で作者について紹介しておきましたが、この作品は、ユーモアと人情にあふれています。そのうえ、これからどうなるのだろうか、と思わず先を読みたくなる面白さがあります。2005年のお正月映画として、中国で映画化され、それによって多くの読者を得たというのもうなずけます。
映画と小説というのは別のものではありますが、映画がきっかけとなって、その原作を読みたい、しいては中国の小説をもっと自分の力で読んでみたい、と思う人が増えていければいいなあ、と心から願っております。
最後に、《无下无贼》の作者、趙本夫氏に心よりお礼申し上げます。
2005年4月
永倉 百合子
上記内容は本書刊行時のものです。