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ラーゲリ(強制収容所)註解事典
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 1996年10月
- 書店発売日
- 1996年10月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2014年5月1日
紹介
ソ連極北の強制収容所・監獄生活24年、現代のオデュッセイアが遺すソ連70年の実相●「監獄に入ったことのない者は実はその国を知りはしない」―ロシアの文豪トルストイの名言である。フランス人ジャック・ロッシはこの名言をその身に体現して24年のソビエト獄を通過し、大著『ラーゲリ註解事典』を後世に遺した。本書は著者了解のもとにこれをテーマ別の日本語「事典」として再編集したものである。語本来の意味でユニークなこの事典は、現代ロシア生活についての根源的知識を提供するもので、おのずから「ロシア政治・社会・民俗事典」ともなっている。しかも見出し語が互いに絡み合うクロス・リファレンスが施してあり、一事が万事に連関するソビエト全体主義が示され精緻をきわめる。(監修者)
目次
《目次》
第1章 ソ連の法
社会的法秩序/裁判機関/ソ連の刑法/保安機関/保安対策/密告/精神病/秘密/懲治手段/釈放
第2章 粛正・抑圧の時代
粛正・抑圧/大量虐殺/流刑/囚人移動/囚人
第3章 監獄・ラーゲリ
監獄の種類/監獄の構造/監獄のシステム/ラーゲリの種類/ラーゲリの構造/ラーゲリのシステム/各地のラーゲリとその成果
第4章 ラーゲリの生活
入所から釈放まで/作業/衣/食/生活/囚人の抵抗/泥棒社会/ラーゲリの言葉
《本文より》
・逮捕する,つかまえる
看守が誤ってその監房では知らない囚人の名を呼ぶと,中で度胸のよい者はこう答える:(まだ逮捕されていません)(比.頭文字21).
・まずぶち込もう,白黒はそのあと(俚言)
機関は間違わないことになっているし,すべての人をぶち込むことはできないが,それを目指すことが必要となると,ぶち込まれた者は(首があれば,くびきは見つかる)の原則によって,必ず有罪となる.
・死せる囚人は病人よりよい
囚人は病人よりも死人が歓迎される(食わす必要も作業を休ませる必要もない)―エジョフ大量逮捕時に現れたラーゲリ当局のいいぐさ;比.医務室56;首―(2);死亡率42
版元から一言
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日本語版は著者より最も成功した翻訳版であると評価された。それには日本語版スタッフ(校閲/監修/訳)の3人がともに11年のラーゲリ経験者であったことが大きく寄与している。殊に監修者である内村剛介は著者の生涯の“獄友”で釈放後の著者を支えた一人である。
上記内容は本書刊行時のものです。