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ストーリーテリング入門
お話を学ぶ・語る・伝える
- 出版社在庫情報
- 絶版
- 初版年月日
- 2006年11月
- 書店発売日
- 2006年11月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2020年7月9日
目次
聞き手と喜びを分かち合える芳醇なお話の世界へ
はじめに―あなたも語ってみませんか?
入門編
第1章 語り手の輪の中へ
第2章 一時間でお話を練習しよう
第3章 お話を演じる
第4章 お話イベントの企画開催
第5章 お話と遊ぶ
第6章 お話を授業に
第7章 語りを教える
第8章 どこでも語りを
第9章 お話を探す
第10章 批評の目を持つ
第11章 お話を護る
第12章 語り手としての役割を受け入れる
第13章 語り手たちとの交流
第14章 なぜ語るのか?―ストーリーテリングの価値とは
第15章 お話と一体になる
お話編
さあ語りましょう! 十二のお話
コカのカメ
ビネガーボトルに住んでいた小さいおばあさんの話
ちっちゃなプーチカ・チューリカ
ハイイロチュウヒとシマリス
ちびヤモリのゲッコ
クーズー 切れる!
名前
ガチョウになった娘
天のカヌ 地のカヌ
コ・コンゴレ
ニングン
ヨンジャのヨメとり
訳者あとがき
参考文献
前書きなど
すごくいい本が出た
一親・教師の座右の銘に
すごくいい本が出たと、感心することしきりです。保護者の方も、
小学校の教師も、塾の先生もみんな、じっくり読むと、いやじっくり
など読まなくとも、なーるほど、こう教えればいいのかと、目からき
っと何枚もウロコが落ちると思います。エツコ先生の面目躍如たるも
のがあります。
子どもたちの学力「低下」があちこちで指摘され、学校への不安が
強くなっています。でも、その最大の要因が、今の子どもたちの気持
ちにぴったり合った、なーるほど ! という授業があまり行われてい
ないことにあるのだということは、誰も言わないのはどうしてでしょ
うか。
今の子どもたちは、情報や計算機を含めた機械に囲まれた生活をし
ています。彼らが求めているのは、機械的な訓練でもさらなる情報で
もなく、必死で考える体験であり、なーるほどそうだったのかと言え
る感動であり、みんなで考えるとおもしろい ! という喜びなのです。
それが保証されると、子どもたちがどんどん算数好きになっていくこ
とをこの本は見事に示してくれています。
私も昔、塾で算数を教えていたことがありました。あるとき自然数
の集合のことを教えていました。
「こっちが偶数の集合、こっちが自然数全体の集合とすると、この丸
で囲んだのは何の集合だ?」
と質問したとき、ある子が怪訝な顔をしてこう言ったのです。
「先生おかしいよ。」
「うん? 何が?」
「だって、自然数って無限にあるんでしょう ?」
「そうだよ。」
「だったらおかしい。だって無限にあるものがどうして丸で囲める
の?」……。
この言葉に私はうなってしまいました。すごいことに気がつく子が
いるものだと感心したのです。実はこの問いは数学にとって本質的な
問いなのです。
子どもたちは素直に考えぬくと、大人の予想を超えて本質的な世界
に近づきます。そのために本物の知恵を与えることと上手に待つこと
が大事なのです。そのこともこの本は教えてくれています。
しばらくはこの本は小学校の子を持つ親の、そして小学校教師の、
座右の銘のような本になるのではないでしょうか。大げさでなく私は
そう思います。すごくいい本が出ました。
汐見 稔幸(東京大学大学院教育学研究科教授)
版元から一言
語り手だけでなく、読み聞かせボランティア、教師、プレゼンテーションをする会社員など、多くの方が座右の銘にしてほしい本。
語りの基本を、多くの細かい項目別に、短い文章で解説。一通り読むだけでなく、折に触れて何度も読み返すと、短い文章にこめられた真実が深く納得できる。
上記内容は本書刊行時のものです。