書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
オリジナル普及版 牧野日本植物圖説集
原書: 日本植物圖説集
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年8月7日
- 書店発売日
- 2023年8月7日
- 登録日
- 2023年6月20日
- 最終更新日
- 2023年9月20日
紹介
昭和9年(1934)誠文堂新光社から刊行された『日本植物圖説集』(「牧野植物學全集」収録)の「オリジナル普及版」です。本書は、26歳から49歳にかけて牧野富太郎が石版印刷、銅版印刷によって描出した植物画の最高傑作群「194図版」を完全収録します。
本書に収録された「原本」は、『日本植物志圖篇』(78図版)、『新撰日本植物圖説』(100図版)、『大日本植物志』(16図版)から構成されます。
『日本植物志圖篇』(敬業社刊)は、明治21年(1888年、牧野26歳)から「第1巻第1集」の刊行が分冊形式で始まりました。以後、4年間に及び集中的に発刊され、明治24年(1886年、牧野29歳)の「第1巻第11集」の刊行をもって中断しました。以後、昭和9年(1934年、牧野72歳)に、最後の「第1巻第12集」が増補されました。本書には、全12冊を合算した「78図版・解説」が収載され、同図篇中、最高傑作との評価が高い「コモチマンネングサ」「ハナムグラ」「ムジナモ」を収録します。
『新撰日本植物圖説』(敬業社刊)は、明治32年(1899年、牧野37歳)から「第1巻第1集」の刊行が分冊形式で始まりました。以後、4年間に及び集中的に発刊され、明治36年(1903年、牧野41歳)の「第2巻第8集」をもって中断しました。「第1巻」は、「第1集~第12集」の12分冊、「第2巻」は、「第1集~第8集」の8分冊として順次刊行され、本書には、「全20分冊」を合算した「100図版・解説」が収載されています。本書に収録された植物画は「牧野植物画の最高傑作」と評されることが多く、とくに「クラガリシダ」について、「まちがいなく牧野の植物画中、植物学の立場からみた最高傑作である」(大場秀章:東京大学名誉教授「牧野富太郎伝に向けた覚書き」)という評言があります。
『大日本植物志』(東京帝國大学)は、明治33年(1900年、牧野38歳)から「第1巻第1集」の刊行が分冊形式で始まり、以後、12年間に及び刊行され、明治44年(1911年、牧野49歳)の「第1巻第4集」をもって中断しました。本書には、「第1巻第1集」から「第1幕第4集」に収録された合算「16図版・解説」が収載され、「ヤマザクラ」「ヒガンバナ」「オホヤマザクラ」など、円熟期を迎えた牧野屈指の傑作群を収録します。
牧野の「自叙伝」を初めとする随想集の記述によると、晩年の牧野がもっとも愛着を感じ、もっとも自信をもっていた植物学者としての「仕事」こそ、本書が収録する『日本植物志圖篇』、『新撰日本植物圖説』、『大日本植物志』の植物画や解説文にあったことが分かります。
本書は、最新のスキャニング技術と印刷技術により、原本の図版の汚れを修復し、精細な版面に復元しました。本書によって、若き牧野富太郎が全力を投入した植物画を刊本の版面のまま味わうことができます!
目次
目 次
日本植物志圖篇 第一巻/12p
第一集 第1版~第6版(明治21年11月12日)/11p~16p
第1版・ジヤウラウホトトギス/11p,第2版・しゝんらん/12p,第3版・つるぎきやう/13p,第4版・みづおとぎり/14p,第5版・うめばちさう/15p,第6版・ヒメドコロ/16p
第二集 第7版~第13版(明治21年12月5日)/19p~25p
第7版・ノヂアフイ/19p,第8版・ひしもどき/20p,第9版・スゞメノハコベ/21p,第10版・スナゴセウ/22p,第11版・スナゴセウ/23p,第12版・タカネマンネングサ/24p,第13版・きだちにんどう/25p
第三集 第14版~第21版(明治22年1月8日)/29p~21p
第14版・さるめんえびね/29p,第15版・えびね/30p,第16版・かしのきらん/31p,第17版・ムカゴトンボ/32p,第18版・さぎさう/33p,第19版・まめらん/34p,第20版・むぎらん/35p,第21版・ヒメケイラン/36p
第四集 第22版~第27版(明治22年3月13日)/40p~45p
第22版・やまのいも/40p,第23版・にがゞしゆう/41p,第24版・おにどころ/42p,第25版・たちどころ/43p,第26版・きくばどころ/44p,第27版・モミヂドコロ/45p
第五集 第28版~第33版(明治23年1月25日)/49p~54p
第28版・まつばらん/49p,第29版・みゝかきぐさ/50p,第30版・ほざきのみゝかきぐさ/51p,第31版・うりくさ/52p,第32版・あぜたうがらし/53p,第33版・あづまつめくさ/54p
第六集 第34版~第39版(明治23年3月25日)/58p~65p
第34版・ひめのぼたん/58p,第35版・ヒナノシヤクヂヤウ/59p,第36版・ベニシユスラン/60p,第37版イ・アケボノシユスラン/61p,第37版ロ・アケボノシユスラン/62p,第38版イ・びろうどらん/63p,第38版ロ・びろうどらん/64p,第39版・みやまうづら/65p
第七集 第40版~第45版(明治24年4月6日)/73p~79p
第40版イ・むかでらん/73p,第40版ロ・むかでらん/74p,第41版・やうらくらん/75p,第42版・ミヤマムギラン/76p,第43版・コホロギラン/77p,第44版・スゞメノタウガラシ/78p,第45版・ウチハドコロ/79p
第八集 第46版~第51版(明治24年5月5日)/85p~90p
第46版・きばなのせきこく/85p,第47版・こくらん/86p,第48版・ノヂギク/87p,第49版・チヤボツメレンゲ/88p,第50版・たいとごめ/89p,第51版・めのまんねんぐさ/90p
第九集 第52版~第57版(明治24年6月5日)/97p~102p
第52版・テバコマンテマ/97p,第53版・イヒヌマムカゴ/98p,第54版・みづひきも/99p,第55版・こばのひるむしろ/100p,第56版・サゝエビモ/101p,第57版・ひろはのえびも/102p
第十集 第58版~第63版(明治24年7月13日)/109p~114p
第58版・エキサイゼリ/109p,第59版・おもひぐさ/110p,第60版・コモチマンネングサ/111p,第61版・ヒメキリンサウ/112p,第62版・きんばいざゝ/113p,第63版・こきんばいざゝ/114p
第十一集 第64版~第69版(明治24年10月9日)/120p~125p
第64版・ひしもどき/120p,第65版・アヲホゝヅキ/121p,第66版・シノゝメサウ/122p,第67版・しはいすみれ/123p,第68版・ウスユキムグラ/124p,第69版・ハナムグラ/125p
第十二集 第70版~第75版(昭和9年9月15日)/129p~134p
第70版・ムジナモ/129p,第71版・オヤリハグマ/130p,第72版・トリガタハンシヨウヅル/131p,第73版・さゝばらん/132p,第74版・マルバノサハタウガラシ/133p,第75版・タキミシダ/134p
新撰日本植物圖説(第一巻)/154p
第一集 第1図版~第5図版(明治32年1月20日)/151p~162p
第1図版・こせうのき/151p,第2図版・みつまた/154p,第3図版・ごまくさ/157p,第4図版・はこねさう/159p,第5図版・くるましだ/162p
第二集 第6図版~第10図版(明治32年3月25日)/164p~176p
第6図版・あかやしほ/164p,第7図版・ほていしだ/167p,第8図版・みやまのきしのぶ/170p,第9図版・のきしのぶ/173p,第10図版・ひめのきしのぶ/176p
第三集 第11図版~第15図版(明治32年6月8日)/179p~191p
第11図版・くもらん/179p,第12図版・みづすぎな/183p,第13図版・からすきばさんきらい/186p,第14図版・うちはごけ/189p,第15図版・あをほらごけ/191p
第四集 第16図版~第20図版(明治32年7月30日)/194p~206p
第16図版・こけほらごけ/194p,第17図版・こけしのぶ/197p,第18図版・おほこけしのぶ/200p,第19図版・きよすみこけしのぶ/203p,第20図版・かうやこけしのぶ/206p
第五集 第21図版~第25図版(明治32年11月20日)/209p~221p
第21図版・こがねしのぶ/209p,第22図版・つるほらごけ/212p,第23図版・ほそばこけしのぶ/215p,第24図版・しゝらん/218p,第25図版・へらしだ/221p
第六集 第26図版~第30図版(明治32年12月10日)/224p~236p
第26図版・たきしみだ/224p,第27図版・まめづた/227p,第28図版・みつでうらぼし/230p,第29図版・たかのはうらぼし/233p,第30図版・えびらしだ/236p
第七集 第31図版~第35図版(明治32年12月29日)/239p~251p
第31図版・みやまわらび/239p,第32図版・あをねかづら/242p,第33図版・やのねしだ/245p,第34図版・いはやなぎしだ/248p,第35図版・さじらん/251p
第八集 第36図版~第40図版(明治33年9月1日)/254p~268p
第36図版・ほらしのぶ/254p,第37図版・はまほらしのぶ/257p,第38図版・むじなも/260p,第39図版・こほろぎらん/264p,第40図版・かしのきらん/268p
第九集 第41図版~第45図版(明治33年11月3日)/271p~284p
第41図版・おやりはぐま/271p,第42図版・えだうちほんぐうしだ/275p,第43図版・めやぶそてつ/278p,第44図版・つるでんだ/281p,第45図版・ゐのもとさう/284p
第十集 第46図版~第50図版(明治34年2月25日)/287p~301p
第46図版甲乙・いはやしだ/287p~288p,第47図版・からくさしだ/292p,第48図版・ひとつば/295p,第49図版・あまくさしだ/298p,第50図版・はやましだ/301p
第十一集 第51図版~第55図版(明治34年4月20日)/304p~314p
第51~第52図版・あついた/304p~305p,第53~第54図版・ひろばあついた/309p~310p,第55図版・まつばらん/314p
第十二集 第56図版~第60図版(明治34年9月28日)/317p~324p
第56~第57~第58図版・くらがりしだ/317p~318p~319p,第59~第60図版・なかみしゝらん/323p~324p
新撰日本植物圖説(第二巻)/327p
第一集 第61図版~第65図版(明治33年2月18日)/327p~339p
第61図版・あをがねしだ/327p,第62図版・こばのひのきしだ/330p,第63図版・ときはとらのを/333p,第64図版・ときはしだ/336p,第65図版・ひのきしだ/339p
第二集 第66図版~第70図版(明治34年6月30日)/342p~352p
第66図版・やはずまんねんぐさ/342p,第67図版・しのゝめさう/345p,第68図版・あづまつめくさ/348p,第69~第70図版・みやまうらぼし/351p~352p
第三集 第71図版~第75図版(明治35年3月10日)/355p~364p
第71図版・さださう/355p,第72~第73図版・さはたうがらし/358p~359p,第74図版・まるばのさはたうがらし/362p,第75図版・ぢんちゃうげ/364p
第四集 第76図版~第80図版(明治35年3月18日)/367p~379p
第76図版・こくらん/367p,第77図版・さばのを/370p,第78図版・たちねこのめさう/373p,第79図版・おにどころ/376p,第80図版・なんばんぎせる/379p
第五集 第81図版~第85図版《再販》(明治35年5月25日)/382p~390p
第81~第82図版・にががしゅう/382p~383p,第83~第84図版・かしゅういも/386p~387p,第85図版・しはいすみれ/390p
第六集 第86図版~第90図版(明治35年8月15日)/393p~400p
第86図版・ひめのぼたん/393p,第87図版・ひめうらぼし/396p,第88~第89~第90図版・まるばまんねんぐさ/398p~399p~400p
第七集 第91図版~第95図版(明治35年11月10日)/403p~411p
第91図版・たうつばき/403p,第92図版・すゐせん/406p,第93~第94~第95図版・ながいも/409p~410p~411p
第八集 第96図版~第100図版(明治36年7月25日)/414p~420p
第96~第97図版・だいさぎさう/414p~415p,第98~第99~第100図版・つくしのきしのぶ/418p~419p~420p
大日本植物志(第一集)/438p
第1図版~第3図版(明治33年2月25日)/429p~434p
第1~第2図版・やまざくら/429p~430p,第3図版・あづましろかねさう/434p
第4図版~第8図版(明治35年8月15日)/438p~446p
第4~第5図版・ちゃるめるさう/438p~439p,第6~第7~第8図版・さくゆり/444p~445p~446p
第9図版~第11図版(明治39年9月30日)/450p~460p
第9図版・せいしくわ/450p,第10図版・ひがんばな/455p,第11図版・ぼうらん/460p
第12図版~第16図版(明治44年2月28日)/468p~482p
第12~第13~第14図版・もくれいし/468p~469p~470p,第15図版・おほやまざくら/475p,第16図版・ほていらん/482p
前書きなど
我邦植物の探検未だ普(あまね)く至らざる所あるを以て、之れが調査に従事するもの各種の植物を鑑別するに当て、往々前人未発の新種を発見するは是れ其然る可き所なり、既に新種と認む従ふて之れが公称無き能(あた)はず、公称とは如何、萬国に通ずべき学術上の名称なり、予は此に我邦植物の調査に従事して新出の品種を得ること多し、之れが公称を世に公にする、是れ予が責任ナリト云ふも敢て誣言に非ざるなり、依て本書第一巻第七集以下之に附するに新定の名称併に其説文を以て先輩の遺漏を補足せんとす(「日本植物志圖篇」序より)。
版元から一言
本書の刊行によって、いままで断片的な形でしか流通していなかった牧野富太郎の20代から30代後半を中心に描出された最高傑作群の植物画を、刊行当時の「版面のまま」親しむことができるようになります。
これらの植物画のオリジナル原画は、博物館や大学に所蔵されており、一般の牧野ファンが観賞することは難しい状況でした。
しかし、本書のような簡易な「オリジナル普及版」の刊行により、当時の版面のまま、当時の雰囲気の中で、牧野植物画の最高傑作群を味わうことができます。
上記内容は本書刊行時のものです。