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ビジネス思考で離婚後の子育ては必ずうまくいく! カレン・ボネル(著) - イオン・ネット
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ビジネス思考で離婚後の子育ては必ずうまくいく! (ビジネスシコウデリコンゴノコソダテハカナラズウマクイク) 共同親権・共同養育対応 (キョウドウシンケンキョウドウヨウイクタイオウ)
原書: The Co-Parenting Handbook: Raising Well-Adjusted and Resilient Kids from Little Ones to Young Adults through Divorce or Separation

趣味・実用
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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ18mm
重さ 308g
316ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-9912402-0-1   COPY
ISBN 13
9784991240201   COPY
ISBN 10h
4-9912402-0-4   COPY
ISBN 10
4991240204   COPY
出版者記号
9912402   COPY
Cコード
C0011  
0:一般 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年11月1日
書店発売日
登録日
2024年10月8日
最終更新日
2024年11月21日
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紹介

 共同親権制度を導入する民法改正案が成立し、2026年からは日本でも諸外国と同様に、離婚した両親が子どもの「共同親権」を持ち、互いに協力して子どもを「共同養育」できる仕組みになります。
 その場合、親はどうすれば元夫や元妻と協力して子育てをし、子どもを幸せにしてあげられるのでしょうか?そして離婚に関わる弁護士やカウンセラーなどの専門家は、どのように離婚した父母の共同養育をサポートするのでしょうか。
 共同養育ガイドブックとして米国で高く評価された本書には、これらの課題を前向きに解決して、子どもとその父母が幸福な人生を送れるようにするための知恵が、豊富なエピソードと共にたくさん盛り込まれています。

米ワシントン大学ロースクール特任教授 ジャスティン・M・セデル氏、ワシントン州弁護士会家族法部会元会長 J・マーク・ヴァイス氏推薦!

目次

序章 子どもと一緒に困難を乗り越えよう
 ・最も大切な人は誰?
 ・なぜ「子どもの幸せ」はないがしろにされるのか
 ・「ファミリーヒストリー」が子どもに与える力
 ・本書を読む時の注意点
第1章 【清算】 なぜ離婚と「離婚」できないのか
 ・嫌な相手とは離れられない
 ・離婚する人とされる人
 ・あなたは配偶者? それとも親?
 ・自分の気持ちを整える
 ・人を傷つける誘惑
 ・元配偶者から自由になるには
 ・「悲しみの旅」の先にあるもの
 ・謝罪は自分の心を癒やす特効薬
第2章 【目標】 「完璧な親」を子どもは求めていない
 ・子どもを置き去りにしない
 ・「子どもを元配偶者に会わせたくない」
 ・「あなたに子どもの世話ができるの?」
 ・情報共有の進め方
 ・冒険好きな親と慎重な親
 ・元配偶者を「味方」につける
 ・共同養育は「ジョイントベンチャー」
 ・あなたは目標達成のために何をすべきか
第3章 【倫理】 「浮気したの?」と聞かれたら
 ・何歳の子どもなら親の別居に耐えられる?
 ・子どもに最も必要なこと
 ・親が言っていいこと・駄目なこと
 ・親の子どもへの「説明責任」
 ・なぜ子どもは本音を言えなくなるのか
 ・告げ口で両親の対立をあおる
 ・子どもをスパイ・探偵にしない
 ・自分だけでは見えない「子どもの本当の姿」
 ・子どもの感情を見抜く方法
 ・共感はしても同情はしない
 ・子どもの「ストレート過ぎる質問」に答える
第4章 【業務】 元配偶者と会わずに子どもを受け渡す
 ・「子どもの安全基地」をつくろう
 ・あなたは常に「100%の親」
 ・なぜ子どもに親を選ばせてはいけないのか
 ・スムーズに養育時間を変更する方法
 ・親子を引き離すのは子どもに有害
 ・良い交代と悪い交代
 ・「今更、育児をしたいなんて!」
 ・父親の「母親力」と母親の「父親力」
 ・親族の「善意」が裏目に出る時
 ・ペットはどう扱うか
第5章 【連絡】 なぜメールのやりとりは危険なのか
 ・コミュニケーションがうまくいく「5つのC」
 ・「パパがバスルームに入ってくる」
 ・メール、メッセージアプリ、電話の使い分け
 ・子どもにスマホを持たせるべきか
第6章 【意思決定】 別れた相手と一緒に決める方法
 ・共同養育ビジネスを経営する
 ・「報・連・相」を忘れない
 ・「ママとパパは」を口癖にする
 ・片付け、ベッド、テレビの習慣を決める
 ・「仮決め」で手間を減らす
 ・緊急時にすべきこと
 ・あなたが近い将来迫られる「決断」
 ・子どもの留守番は何歳からOK?
第7章【財務】お金に困らない「仕組み」づくり
 ・お金の問題は「恥」
 ・養育費で買える物・買えない物
 ・大学に行かせる余裕がなかったら
 ・「お金教育」とファミリーヒストリー
 ・子どもの服をめぐる無意味なゲーム
 ・誕生日プレゼントの3つの買い方
第8章 【記念日】 誰が子どもの誕生日を祝うのか
 ・変わる習慣と変わらない習慣
 ・1日しかない子どもの誕生日の過ごし方
 ・元配偶者の誕生日にすべきこと
第9章 【行事】 子どものイベントで両親はどう振る舞うか
 ・恋人と子どものサッカーを見にいくべきか
 ・イベント中のトラブルを避ける方法
 ・卒業写真を誰と一緒に撮るか
 ・宗教が離婚した人を持て余す理由
 ・要注意! 医師との会話を聞く子ども
 ・友達のパーティーに参加する時
 ・友達の連絡先は共有する
 ・元配偶者のイベントにどう対応するか
第10章 【適応】 元配偶者や自分に新しい恋人ができたら
 ・脳内ホルモンがあなたを狂わせる
 ・恋人と子どもを会わせるタイミング
 ・子どもは親の恋人を受け入れるか
 ・元配偶者の恋人に会うべきか
 ・新パートナーを家に泊めるには
 ・再婚の75%は長続きしない
 ・子どものイベントでデート  
第11章 【多様性】 「残念な元配偶者」への対応策
 ・別れながら協力する「平行養育」
 ・元配偶者との関係が突然良くなる時
 ・「8対2ルール」で違いを乗り越える
 ・あなたの共同養育パートナーはどのタイプ?
 ・子どもの虐待が疑われたら
 ・元配偶者が協力してくれなかったら
第12章 【成長】 あなたの家に「笑い」を取り戻そう
 ・お金をかけずに毎日を楽しむ
 ・結果を褒める前にするべきこと
 ・しつけと体罰の違い
 ・子どもに任せていい家事
 ・大人の悩みを聞かされた子どもの末路
 ・逆境に負けない子どもを育てる7つの要素
 ・子どもに「幸せな親」をプレゼントしよう

前書きなど

訳者まえがき

「マリッジ・ストーリー」という映画をご存じでしょうか。2019年にNetflix で公開された映画で、妻のニコル、夫のチャーリーが「離婚を決めたカップル」としてカウンセリングを受ける場面から始まります。カップルにはヘンリーという8歳の男の子がいました。最初は「財産は全て半分にして、子どものことも二人で話し合って決めましょう」と話し合っていたものの、妻ニコルが友人から助言を受けて女性弁護士とミーティングをし、結果的に彼女を雇ったことをきっかけに、あれよあれよという間に泥沼の離婚裁判へと発展してしまいます。その描写は、離婚経験のある人々の間で「親権をめぐって言い争う法廷のシーンや、これまでの不満をぶちまける際に勢い余って心にもないことを言ってしまうシーンがリアルで身につまされる」とネットで評判が立つほどでした。この映画の舞台は米国ですが、日本でも離婚裁判となると似たような様子であることも耳にして、人は傷つけられ追い詰められると、相手の気持ちを思いやる気持ちのタガも外れてしまうの
だと改めて感じました。相手より少しでも多くの養育時間を確保しようとするあまり、「相手がいかに母親(父親)として不適格であるか」といった攻撃の応酬になってしまうこともあり、離婚裁判は、二人の関係を再構築が不可能なほど険悪なものにしてしまう可能性も秘めています。
 父親のチャーリーを演じたアダム・ドライバーは、「この映画は離婚の話なのに、なぜ『マリッジ・ストーリー』という題名なのか?」とインタビューで質問された際に、「このストーリーは、離婚の過程というレンズを通して二人の間に起こった愛について語っているからです」と答えています。カップルの別離の過程は、二人が愛を築いてきた関係の歴史を振り返る過程でもあるのです。お互いの不満を解消する唯一の方法が別離であることが明白になった時、そして子どもと両親との関係はこれからも守っていきたいと考えた時に、どのようにすればそのプロセスをより穏やかに、建設的に進めていけるのかということを、共同養育コーチの専門家としての長い経験を持つ著者が解説したのが、本書です。
 米国の共同養育の仕組みは、「子どもには両方の親との関係を築く権利がある」という考え方が前提になっています。共同親権は、その子どもの権利を法的に保証するための制度という位置付けです。しかし、米国においても、かつて親権は(母親が第一養育者と見なされる場合には特に)母親に与えられることが多かったようです。20世紀後半になると、親権の決定において性別を問わない中立的なアプローチが重視されるようになり、共同親権の概念は1970年代に生まれたとされています。1980年代以降には「子どもの最善の利益」に焦点が当てられるようになり、共同養育制度を促進する法律が整備されるなど、親権に関する法律が大きく進化しました。なお、養育費や親権に関する伝統的な法律から、現行のような形になる過程は段階的で、州によっても違います。本書の著者のカレン・ボネル氏によれば、現在のワシントン州では「子どもが、どちらの親とも家族という意識を持つのに十分な時間を過ごすこと」に重点が置かれており、十分な時間とは「2週間のうちに連続して5泊すること」とされているそうです。以前の、週末だけ父親の家で過ごすといったスタイルからさらに進化しています。
 また現在の米国では、「子どもが両親との関係を健全に育むことが、子どもの利益につながる」という考え方が、一般の人たちにも浸透しています。私(訳者)は現在米国に住んでいますが、実際に私の周りにも、離婚したカップル、あるいは離婚に向けて別居を始めたカップルの子どもがいて、彼らは、定められた養育スケジュールに従って二つの家を行ったり来たりする生活をしています。米国では多くの場合、親が子どもの学校への送迎をするので、別居が始まった途端に、何曜日に子どもはどちらの家に行くのか(どちらの親が迎えに行くのか)というコミュニケーションをお互いに密に取らなければなりません。
 我が家の3兄弟のうちの一人の友達の両親が、突然別居したことがありました。その後、私が別居した母親に「カープール(車での送迎を他の家庭と分担すること)で我が家の子どもを一緒に連れていってもらえないか」と頼むと、母親から「その日は父親(が養育当番)の日だから、そちらに連絡してほしい」と言われたこともありました。こうした状況も米国ではそれほど珍しいものではないため、周囲も当たり前のように、別居した家族の状況に対応していくようです。
 その他の私の友人関係を思い返してみても「日本から米国に移住し、国際結婚をして子どもも生まれたけれど、諸事情により離婚して、今は共同養育をしている」という方が数人います。話を聞くと、それぞれに個別のストーリーはありながらも、時間とともに「元配偶者」から「子育てを一緒にする共同養育パートナー同士」の関係に移行しているようです。例えばA子さんは、「離婚した当初はお互いにぶつかったり、もやもやしたりで、試行錯誤の日々だったけれど、数年が経過して、お互いに過去を過去として消化し、子どもの幸せに焦点を当てることによって、相手への気持ちに折り合いをつけることができるようになった」と話していました。今では元配偶者は共同養育パートナーとなり、良き友人、そして相談相手として、良好な関係を築いているそうです。
 本書の前半には、関係が終わったことを受け入れ、どのように自分の気持ちを整理し、相手との距離の取り方を調整するかという戦略が細かく書かれています。ほとんどの人は、昨日まで一緒に暮らしていた人に対して(そして多くの場合、別離に伴う痛みを感じながら)、翌日から割り切って「これからは共同養育パートナーとしてよろしく!」といった切り替えができるわけではありません。それは時間のかかるプロセスであるということ、そしてこの時期に大切なのは、自分の感情と向き合い、気持ちの整理がつくまでは相手との接触を減らすことだといったことも、本書には書かれています。
 本書ではこの他にも、元配偶者を「共同養育プロジェクト」を一緒に行うパートナーとして、あたかも仕事上のビジネスミーティングをするように、事前に話し合いの方法や内容を決め、議事録を作り共有する方法が示されています。また、米国では家族で過ごすことが多いクリスマスや感謝祭の扱いについて言及している章もあります。日本の習慣に置き換えてみると、例えばお盆やお正月は1年ごとに交代でどちらの家族と時間を過ごすのかを決める、あるいは年末年始なら、ある年のクリスマスから大晦日までは母親とその家族と過ごし、年明けの元旦からお正月休みが終わるまでは父親の家族と過ごす。そして翌年はその順番を交代する……といった方法が考えられます。
 冒頭にご紹介した「マリッジ・ストーリー」では、最終的には法廷での激しい争いを経て離婚が成立します。離婚成立から1年ほどがたったころ、ハロウィンを一緒に祝うために家族が集まった時に、父親のチャーリーが母親のニコルの新しい恋人と顔を合わせる場面があります。また、寝た子どもを抱っこして道端にたたずむチャーリーの靴の紐が解けているのに気付いたニコルがしゃがんで結び直してあげる場面もあって、その光景は見る者の心を打つものがあります。カップルとしては決裂した二人でも、かつて愛した人の幸せを願うことができるところまで心の傷を癒やし、関係を修復することも可能であるという描写は、希望を感じさせるものでした。
 本書には、共同養育に取り組むさまざまな親のエピソードが豊富に取り上げられています。それぞれの親が別れに心を痛め、子どもの様子を気遣いながらも新しい「二つの家がある家族」という現実に徐々に慣れていく様子を見ると、人は適切な方法とサポート、そして必要な時間を経れば、傷ついた心を癒やし、強く立ち上がることができるのだと勇気づけられます。本書が「共同養育の望ましい姿」のイメージを描く助けになればと願っています。
 2024年8月
  塚越悦子

版元から一言

 民法改正法案の成立により、2026年には、日本でも諸外国と同様に、離婚した父母が子どもの「共同親権」を持つことになりました。
 これまでの離婚では「父と母のどちらが子の親権を持つか」が問題でした。
 しかし共同親権制度が始まると「元夫(元妻)と協力して子育てするにはどうすればいいか?」「専門家はどのように共同養育をサポートするのか」が課題となります。これを前向きに解決するのが本書です。
 すでに世界の多くの国では離婚後の共同親権制度が実施されているため、共同養育のノウハウを解説する書籍も豊富です。本書は、そのなかでも米国で高い評価(amazon★4.6、評価数450件以上)を得ている、共同養育ガイドブックの翻訳書です。

著者プロフィール

カレン・ボネル  (カレン ボネル)  (

共同養育コーチ。1980年にミシガン大学精神科看護学修士号を取得後、心理療法士として経験を積む一方、2つの家庭をつくる経験から多くのことを学ぶ。2006年以降は、婚前準備から離婚後の共同養育、再婚のコーチとして個人、カップル、家族と関わってその紛争を解決することに尽力し、定期的に講演を行う。2022年には弁護士、調停人、コーチ、心理専門家向けの助言・トレーニングサービスを開始。ワシントン州キング郡コラボレーティブ法協会元理事、ワシントン州コラボレーティブ法専門家協会創設メンバー。著書に『The Stepfamily Handbook』(2018年)などがある。シアトル近郊のカスケード山脈の麓に住み、休日はカメラを持って国立公園やハイキングコースを探訪している。

クリスティン・リトル  (クリスティン リトル)  (

児童心理カウンセラー。西ワシントン大学で一般心理学の修士号、アルゴシー大学でメンタルヘルスカウンセリングの修士号を取得。2000年よりワシントン州で認定児童メンタルヘルススペシャリストとして活動し、地域社会の子どもたちとその家族に対してセラピーを提供。また、離婚とシングルペアレンティングの経験から、個人、親、子どもたちを支援し、離婚の有害な対立を減らすことに取り組んでいる。シアトル地域に住む若い息子と、複雑で愛情あふれる2つの家庭と共に生活。ワシントン州コラボレーティブ法専門家協会元理事。著書に『No More Us』(2018年)がある。

塚越 悦子  (ツカゴシ エツコ)  (

カップル&パートナーシップ専門コーチ、アドラー& 幸福学ハッピーペアレンティング(子育てコース)講師。東京大学文学部卒業。モントレー国際大学院行政学修士号を取得。国連、JICA 勤務、米国日本語補習校の事務局長を経て翻訳業。3子の子育て中。著書に『国際結婚一年生』(主婦の友社)、訳書に『アドラー流子育てベーシックブック』(サウザンブックス社)、『子どもの誇りに灯をともす』(英治出版)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。