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ブリクセン/ディネセンについての小さな本 スーネ・デ ・スーザ・シュミット=マスン(著/文) - 子ども時代
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ブリクセン/ディネセンについての小さな本 (ブリクセンディネセンニツイテノチイサナホン)
原書: En lille bog om Blixen

文芸
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発行:子ども時代
四六判
272ページ
上製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-9912293-1-2   COPY
ISBN 13
9784991229312   COPY
ISBN 10h
4-9912293-1-6   COPY
ISBN 10
4991229316   COPY
出版者記号
9912293   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年12月2日
書店発売日
登録日
2024年6月19日
最終更新日
2024年10月24日
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受賞情報

ギーオウ・ブランデス賞

紹介

 Karen Blixenカレン・ブリクセン/Isak Dinesenイサク・ディネセンという主に二つの作家名で知られ、デンマーク語と英語の二言語で書いた女性作家についてのブック・ガイド。
 『アフリカの日々』や『冬の物語』、『七つのゴシック物語』をはじめとする作品には何が描かれていたのか? ヘミングウェイに、自分よりもノーベル文学賞を受賞するのにふさわしいと言わしめたデンマークが誇るストーリーテラーは、どんな人生を送ったのか?
 男性のようにズボンを穿き、自動車を運転し、ライオン狩りに行き、離婚し、自立し、外国で初めて真に成功したデンマーク人女性作家として強い女性のロールモデルとされながら、実は『バベットの晩餐会』の世界観に見られる敬虔なキリスト教家庭で培われた古い北欧的な人生観の持ち主だった彼女は、女性運動やフェミニズムに対し、どんな立ち位置にあったのか? 
 元ブリクセン博物館ガイドで、現在デンマークを代表する出版社で編集長を務める著者による、文学への情熱ほとばしる熱い解説で、難解といわれるブリクセン/ディネセン文学がたちまち親しみやすく、身近になる!
 ギーオウ・ブランデス賞受賞作。

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本文より

「『七つのゴシック物語』を読むのは、万華鏡をのぞくのに少し似ています。万華鏡を回したり、ひっくり返したりするたび、新たな模様が目に飛び込んでくるように、『七つのゴシック物語』を読むたび、様々な要素を持った新たな物語が生まれるのです」

「私はいまだに『七つのゴシック物語』のテキストが実際に何を意味しているのかを説明できる人物に出会ったことが一度もありません。それはこの作品が互いに矛盾する意味同士が連なる万華鏡のようだからです」

「(ブリクセン/ディネセンの作品の)登場人物は、何らかの形で罪を犯すことで初めて完全な人間になれるのです。彼らは人生の光と影の両方を知らなくてはなりません。(中略)愛の二つの側面――甘美な面と残忍で猛々しく暴力的な面をも体験しなくては、愛が何であるかを完全に理解することはできません。愛は時に危険で破壊的である一方で、美しく生きる力を与えてくれることもあります。ストーリーテラーは彼の行いに審判を下すことなく、その行動がどこに導かれるかをただ見守るのです」

目次

目次

二〇一二年 デンマーク語初版前書き
二〇一九年 デンマーク語改訂版前書き――ブリクセンとの人生
二〇二四年 日本語版前書き
第一章   デンマークの田園地帯で過ごした子ども時代
第二章   画家としてのカレン・ブリクセン
第三章   アフリカの白人と黒人
第四章   四十八歳の新人作家
第五章   七つのゴシック物語
第六章   アフリカの日々
第七章   戦争中の国からの手紙
第八章   冬の物語
第九章   『復讐には天使の優しさを』を巡る盗作疑惑
第十章   若き芸術家たちを翻弄したブリクセンにとっての原罪と堕落
第十一章  フェミニストたちの前で、十四年遅れの焚き火の前での演説
第十二章  最後の物語
第十三章  運命綺譚、バベットの晩餐会
第十四章  ストーリーテラーの最期の旅
第十五章  草原に落ちる影
第十六章  カレン・ブリクセンの死
第十七章  没後
訳者からの質問、著者からの回答
参考文献
作品リスト
カレン・ブリクセンの人生年表
解説=渡辺祐真

著者プロフィール

スーネ・デ ・スーザ・シュミット=マスン  (スーネ デ スーザ シュミット マスン)  (著/文

一九七九年生まれ。編集者、翻訳家、作家。講師兼ガイドとしてカレン・ブリクセン博物館に勤務していた。大学でカレン・ブリクセンについて研究。文学修士。出版社の歴史についての本や、作家ギーオウ・ブランデスやヘアマン・バングなどについて様々な記事を執筆。現在、デンマーク最大手の出版社で編集長を務める。

枇谷玲子  (ヒダニレイコ)  (翻訳

一九八〇年生まれ。翻訳家。二〇〇三年、デンマーク教育大学児童文学センターに留学。二〇〇五年、大阪外国語大学(現大阪大学)卒業。主な訳書に、ロン・リット・ウーン『きのこのなぐさめ』(共訳、みすず書房)、エスペダル『歩くこと、または飼いならされずに詩的に人生を生きる術』(河出書房新社)、トーヴェ・ディトレウセン『結婚/毒 コペンハーゲン三部作』(みすず書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。