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女性たちの声は、ヒットチャートの外に ~音楽と生きる女性30名の“今”と“姿勢”を探るインタビュー集
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年10月31日
- 書店発売日
- 2023年11月2日
- 登録日
- 2023年9月6日
- 最終更新日
- 2024年1月31日
紹介
BillboardチャートTOP100の中に、女性アーティストは27組のみ。なぜこんなに少ないのか?
その答えを探るべく、Webメディア『Billboard JAPAN』でスタートした連載『Women In Music わたしたちと音楽』が書籍化。2022年10月から2023年9月までにインタビューした約30名の音楽業界の女性たちの声を1冊にまとめることで、この1年間の音楽業界・エンタメ業界の女性たちは、何を思い、どういうスタンスで活動してきたのかという時代的集合精神を浮き彫りにする内容です。
著者はさまざまな媒体で、200名を超える女性たちに“働き方、生き方”についてをインタビューしてきた平井莉生さん。この1年間の間の日本の音楽業界・エンタメ業界の女性たちの声をドキュメントしています。
また特別コンテンツとして、音楽プロデューサー・亀田誠治さん、音楽レーベル・EMI Recordsの亀田裕子さん、音楽ライターの筧真帆さんによる、「チャートから見るジェンダーバランス」をテーマにした対談も収載しています。
インタビュー:芦澤紀子(Spotify Japan音楽企画推進統括)/あっこゴリラ/UA/eill/ermhoi/きゃりーぱみゅぱみゅ/Sakura Tsuruta/佐々木舞(YouTube アーティストリレーションズ)/SCANDAL/Chelmico/マナ、ユウキ(CHAI)/CHARA/ちゃんみな/TOMOO/中島美嘉/仲條亮子(YouTube日本代表)/にしな/林香里(ハヤシインターナショナルプロモーションズ代表取締役)/ハラミちゃん/春ねむり/Maasa Ishihara/長屋晴子、peppe(緑黄色社会)/渡辺志保(音楽ライター)/高嶋直子(Billboard JAPAN編集長)
目次
・芦澤紀子(Spotify Japan音楽企画推進統括):『EQUAL Japan』を通して発信しているのは、「現実は変えられる」というメッセージ
・あっこゴリラ:フェミニストだと公言するのも、私にとって真面目にヒップホップすること
・UA:音楽制作にも影響を与えた妊娠・出産の経験は、私にとってはギフトのようなものだった
・eill:パワフルなメッセージを発信する、自立したディーバが私のお手本
・ermhoi:インディペンデントに活動しているからこそ、自分の責任で発言の取捨選択ができる
・きゃりーぱみゅぱみゅ:〝奇抜な服装と名前の女性〞という個性が、いつの間にか自分の表現の強みに
・Sakura Tsuruta:バランスを均衡にするためには、学びや経験の機会も平等に
・佐々木舞(YouTube アーティストリレーションズ):個性や主張ある国内の女性アーティストを積極的に世界に発信していきたい
・SCANDAL:〝ガールズバンド〞であることに、誇りを持って活動してきた
・chelmico:気さくでポップで明るくても、言いたいことは言わなくちゃ
・マナ、ユウキ(CHAI):ライブを見に来たら「こんな女もいるんだ」って思えるはず
・Chara:私たちが未来のためにできるのは、「男らしくなくていい」と男の子に伝えること
・ちゃんみな:女性であることをネガティブに感じないのは、過去に女性たちが戦ってきたおかげ
・TOMOO:女性・男性という枠にカテゴライズしづらい、〝自分なりのあり方〞を知っている人になりたい
・中島美嘉:恥ずかしがらずに正直に言うと、今一番好きなアーティストは自分
・仲條亮子(YouTube日本代表):昔と比べて大きく変化している時代、良いほうにどう加速させるかを考えたい
・にしな:コンプレックスがある自分のことも、今は気に入っていると言える
・林香里(株式会社ハヤシインターナショナルプロモーションズ代表取締役):みんな“From Planet Earth”だから、性別で分けて考える必要はない
・ハラミちゃん:自由なピアノが世間に肯定されて、自分の新しい扉が開いた
・春ねむり:私自身も痛い思いをしながら、曲を作り歌詞を書いている
・Maasa Ishihara:人との〝違い〞を受け入れたら、見える世界が180度変わった
・長屋晴子、peppe(緑黄色社会):性別に関係なく能力のある人が、然るべきポジションにつける未来へ
・渡辺志保(音楽ライター):私の世界を広げてくれた、ヒップホップと女性たち
※特別コンテンツ『ヒットチャートにおけるジェンダーバランスを考える』座談会:筧真帆/亀田誠治/亀田裕子
前書きなど
Billboard JAPANの2022年のチャート内における男女比について、「男性アーティストは58組、女性アーティストは27組、残る15組は混合アーティスト」と聞いたとき、私ははじめ、その問題点に気が付かなかった。「需要に応じた結果なのであれば、仕方がないのでは」とさえ思っていたくらいだ。しかしその偏りは2022年に限らず、毎年ほとんど変わらないと聞いて、疑問が生まれた。“今年はそう”ということであれば、機会が平等な上での結果が反映されているとも考えられるが、“毎年”なのである。素晴らしい女性アーティストはたくさんいるはずなのに、これは何か機会の不平等があるのでは……?
私は1989年生まれのシス女性で、音楽が好きだ(詳しくはない)。小学生のときに初めて買ったCDはともさかりえの『カプチーノ』で、ほどなくして宇多田ヒカルの『First Love』に夢中になった。父親が「宇多田ヒカルが好きならこれも好きかもよ」とカサンドラ・ウィルソンのCDを貸してくれて、こんなにカッコいい歌声の女性がいるのかと胸をときめかせた。同時に、モーニング娘。も好きだった。矢口真里派だった。
そうやって憧れ、勇気付けられたりしながら、私自身が女性の多面性をアーティストから学んできたように、素晴らしい女性たちがいるのにリスナーと出会う機会が損なわれているならば、由々しきことだ。だからこそこの本では、30名の多様な女性たちにインタビューを行った。「チャートに、ジェンダーギャップがある」という事実を伝えてどう感じるのか、性別がアーティストたち、エンタメ業界の方々の活動に影響
を与えていることはあるのか。当事者である彼女たちに聞いてみたので、読者の皆さんにもぜひ一緒に考えてみてもらいたい。
版元から一言
本著は、Webサイト「ヒットチャートトップ100に女性が27組しかいないのはなぜ?」という疑問から『ビルボードジャパン』で生まれたインタビュー連載を書籍化したもの。合計256ページ、計30名におよぶ音楽業界の女性たちに1年をかけてインタビューし続けたことで分かる時代の温度感が表現されています。著者は気鋭のライター、平井莉生さん。
上記内容は本書刊行時のものです。