書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
Go to Togo
一着の服を旅してつくる
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年4月30日
- 書店発売日
- 2020年4月30日
- 登録日
- 2022年5月12日
- 最終更新日
- 2022年5月19日
紹介
「グローバル人材」の意味がわからず就職活動をやめて、アフリカ・トーゴのラジオ局に行ったことから、大きく動きだした人生。
トーゴで出会った友達との「みんなが笑って過ごせる世界をつくりたい」という約束を守るため、
いったん就職後、独立起業。トーゴ布職人と京都の染色職人の技術をつなぎながら、見落とされてしまうたくさんの価値をつないで、新たな服づくりに挑戦する
株式会社AFURIKA DOGS中須俊治の奮闘記。
文化も違えば言葉も違う1万3000キロ離れたトーゴへ行くことは、文字通り価値観が回転するような体験です。この書籍では「日本編=縦書き」「トーゴ編=横書き」で展開し、舞台が入れ替わるたびに書籍を180度回転させながら読み進めていく一冊です。
前書きなど
二○一二年三月、ぼくはシューカツをやめた。それは人生で初めて、周りからズレた瞬間だった。みんなにとっての正解が、ぼくにとっての正解とは限らない。それは当たり前のことではあったのだけれど、自分の気持ちに正直に生きることは思いのほか難しかったりする。しかしその決断から、ぼくの人生は大きく動き出した。
周りの多くの学生は大企業をめざして躍起になっていた。できるだけ時価総額の大きなところ、東証一部上場企業から内定を取ることがステイタスにさえなっているような雰囲気があった。日本の企業数は四○○万社以上あるのに、就職情報サイトに掲載することのできた数万社から選ぶということが、いろんな可能性を排除してしまっているような気もした。
もっといろんな生き方があっていいはずなのに、暗黙の了解みたいなもののなかで、人生が決められてしまうことにも違和感があった。とにもかくにも、周りからズレたことによって、自分のなかに、ある種の多様性をもつことができた。
シューカツをやめて、一年間の休学届を提出した。ただでさえ自由な大学生活をさらに延ばすことについての是非を、親には問われた。しかしながら、シューカツで多くの時間が費やされ、どんどん友だちが大学に来なくなり、いろんな話ができなくなった代償は大きかった。休学するからには、中途半端なことはできない。「誰も見たことのない景色を見に行こう」と、ぼくはアフリカ大陸をめざした。
版元から一言
「日本」と「トーゴ」を行き来するたびに、本をくるりと上下を逆さかに反転させながら読み進めていく著者の奮闘記です。
著者の奮闘に共感できるだけなく、脚注やキャプション、コラムを通して「トーゴ・アフリカに詳しくなれる本」に仕立て上げました。
上記内容は本書刊行時のものです。