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薬草仙人の手帖 井澤嵯壽(著) - 未知の駅
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薬草仙人の手帖 (ヤクソウセンニンノテチョウ)

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発行:未知の駅
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ19mm
重さ 360g
256ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-9911020-0-4   COPY
ISBN 13
9784991102004   COPY
ISBN 10h
4-9911020-0-6   COPY
ISBN 10
4991102006   COPY
出版者記号
9911020   COPY
Cコード
C2077  
2:実用 0:単行本 77:家事
出版社在庫情報
絶版
初版年月日
2019年12月20日
書店発売日
登録日
2019年12月26日
最終更新日
2023年11月10日
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紹介

「人生、生きていれば誰しも精神的にがっくりと落ち込む瞬間が必ず訪れます。
その時に問われるのは、自分の生き方を”原点”から見直すことができるかどうかです。
自分が何のために生きているのか、本当はどうありたいのか。
心も体も素っ裸になって本音に耳を傾ければ、
“そうならざるを得ない”答えが自ずと見つかるはずです。
その時、薬草はきっとあなたの強い味方になってくれるでしょう」



熊本県阿蘇市に住む"薬草仙人"こと井澤嵯壽による、民間薬草療法の入門書。

みんなが「これが健康に良い」と言っているからといって、
それが自分の体質に合うとは限らない。
使い過ぎればかえって体調を悪くすることだってある。
大事なのは自分の体に合ったものや、その使い方を見つけること。
本書は古来より人々が健康のために活用してきた”薬草”について
自分流に使いこなせるようになるためのガイドを行う。
採取・栽培の方法から「飲・食・浴・塗・洗」の薬草の5つの使い方まで丸わかり!

●薬草仙人、7つの心得
1.まずは「胃・血液・通じ」を整える
2.コツは「薄めに、少しずつ、長期的に」
3.自分の体が喜ぶ味を見つける
4.自分の健康を他人任せにしない
5.現実をはっきり、正しく、真正面から受け止める
6.原点に返ると答えは見つけやすい
7.健康は健康な自然に宿る

全編フルカラー、漫画解説、約250種の写真付き薬草図鑑など、豊富な内容!

目次

はじめに
・漫画「原点から考える薬草の使い方」
・薬草を使うまでの流れ

第1章 薬草仙人の物語
・漫画「薬草仙人の物語」
・自分なりの整え方を見つける

第2章 薬草の基礎知識
・Q1 薬草って何?
・Q2 漢方薬とはどう違うの?
・Q3 薬草とハーブの違いは?
・Q4 どこで手に入るの?
・Q5 副作用はあるの?
・Q6 危険はないの?
・Q7 赤ちゃんや妊婦さんも使えるの?

第3章 薬草を使う前に
・セルフチェックを行う
・健康の三原則
・利用効果一覧表
・覚えておきたい薬草
・薬草を組み合わせるコツ
・各症状に効果的な組み合わせ

第4章 採取・栽培
・採取
・栽培
・収穫
・植物の1年
・薬草の利用部位

第5章 薬草の処理
・目的に合わせて処理する
・〈生〉 薬草の新鮮さを味わう
・〈乾燥〉通年で使えるようにする
・〈焙煎〉香りや風味をより引き立てる
・〈粉末〉少量で薬草をまるごと摂る
・煎液・焼酎漬け
・保存方法

第6章 薬草の使い方
・[飲]薬草茶
・[飲]薬酒
・[食]薬草料理
・[浴]薬湯
・[塗]湿布・スプレー・化粧水
・[洗]うがい・洗眼

第7章 薬草図鑑
・身近な薬草
・春の七草
・秋の七草
・栄養野菜
・西洋の代表的なハーブ
・危険な毒草・毒木
・薬草一覧表

薬草コラム
・その① 人類の歴史と薬草の起源
・その② 毒にも食糧にもなるヒガンバナ
・その③ 根気をつけるレンコン
・その④ 春の七草、秋の七草
・その⑤ 薬草が医療費を下げる

前書きなど

 「もしあなたが素っ裸で山の中に放り込まれたらどうやって生き延びますか?」
 これは私が薬草教室をやる時に、いつも生徒のみなさんに最初に投げかける質問です。何もしないでいてもお腹は空きます。日が暮れて夜になれば体が冷えます。安心して寝られる場所だって必要ですね。このように「こんな時どうしたらいいだろう?」と困った場面から想像を膨らませていくと、身の回りに何があるのか、それらをどう活用すればいいのか必然的に自分の頭で考え、いろいろ試さざるを得なくなります。そうしていくと結果的に、いろいろな知恵が自ずと身についていきます。

 古来より、先人たちは身近に生えている薬草を使って怪我や病気を治してきました。たとえば怪我をして血が出ている時にはヨモギを摘んで、葉を手の平で揉んで傷口に当てておけば早く止血することができます。腹痛であればゲンノショウコという薬草を煎じて飲むと下痢や痛みなどの症状をやわらげることができます。でも「どうしてそうなるの?」と聞かれれば、実は使っている本人たちですらその理由をうまく説明できなかったりします。なぜなら科学的根拠が明らかになり、それらが「知識」になるのは、もっと文明が発達した後の時代のことだからです。最初は手当たり次第試して、「よくわからないけど、こうしたらこうなった」という効能・効果を、実体験の中から発見していくしか方法がなかったのです。

 まだパソコンもインターネットも存在しないはるか昔、こうした生活の知恵は昔話、言い伝え、家伝・秘伝といった形で、先祖代々、各地域、各家庭に脈々と受け継がれてきました。たとえば、みなさんはこんな逸話をご存知でしょうか。

 昔々、弘法大師(空海)が全国行脚をしていた時のことです。疲れて山の中の大木の下で一休みしていると、頭の上にコツンと、デコボコした木の実がひとつ落ちてきました。「なんだろう、食べられるのかな?」と思い、一口かじってみたのですが、その味のなんとも苦いこと辛いこと! ところが不思議なことに、その後、瞬く間に元気になり、体の疲れがすっ飛んでしまったのです。こうしてまた旅に出かけることができたということから、その実は「マタタビ」と呼ばれるようになったそうです。

 なんとも面白おかしい逸話です。
 マタタビと言えば猫の好物ですが、人間にとっては滋養強壮に効果的な薬草です(滋養強壮=体全身に必要な栄養素を届け、弱っている部分を強くすること)。以前、野外の薬草教室で私の解説中、山の中で気分が悪くなり、顔色が真っ青になり、座り込んでしまった女性がいました。たまたま近くにマタタビの木が生えていたので、私は実を1個採って半分ほどかじらせたところ、女性は瞬く間に元気になり、「すっきりしました! もう大丈夫です」と言いました。顔の血色も元通りになり、その場にいた全員が薬草の効能・効果を実感した瞬間でした。わずか15分くらいの出来事でした。
 民間療法は、中には科学的根拠に乏しいと思われる部分もありますが、一方で、古来より人々が実体験の中でその効果を確かに実感してきたという事実もあります。私は幼少期から、こうした民間療法におけるさまざまな薬草の使い方を実際に身をもって試し、確かめ、長年、自分なりに研究してきました。本書は、その中でも特に効果が高いと思われる薬草の使い方を、私流にアレンジしてまとめたものです。初めて薬草を使う人のために「薬草って何?」という基本的なところから順を追って解説しています。最初から読み進めていけば使用前の心構え、注意点、採取・栽培、処理の方法、使い方などが一通りわかるようになっています。
 ちなみに本書で紹介する薬草は約250種にも及びます。これらがどんな症状に効果的かというと、ざっと挙げるだけでも、高血圧、心臓病、肝臓病、神経痛、リウマチ、肩こり、腰痛、アレルギー、アトピー、かゆみ、糖尿病、胃痛、腹痛、下痢、風邪、頭痛、解熱、湿疹、かぶれ、あせも、肌荒れ、蓄膿症、鼻づまり、口内炎、腎臓病、むくみ、膀胱炎、喘息、咳、痰、肥満、便秘などがあります。このことからも薬草がいかに多くの病気や怪我に効果的かということがわかります。
 ここで重要なのは、こうした数ある薬草の中から、自分の体に合うものや使い方を探し出すということです。薬草は「これが健康にいいらしいよ」と他人におすすめされて、それをそのまま鵜呑みにして使うようなものではありません。そもそも「合う・合わない」という体質は人それぞれ違います。また、どんなに健康にいいと言われているものであっても、使い過ぎればかえって調子が悪くなることだってあります。
 最終的に自分に合う薬草の分量や組み合わせを的確に把握するためには、やはり実際に自分で薬草茶をつくって飲んでみるしかありません。自分の健康を他人任せにしないこと。これが本書における基本の構えです。自分で試し、確かめ、自分流の薬草の使い方を見つけること、さらに言えば自分の言葉で薬草や健康について語れるようになるということがとても大切なのです。私はこれを「薬草に自由になる」と表現しています。「こんな時はどうしたらいい?」と困った時は、まず原点から考え直してみてください。自分は本当は何がしたいのか。何を必要としているのか。そこから考えていけば結果的に、この本に書いてある内容だけにとらわれず、自由で柔軟な答えを、自分で見つけられるはずです。

版元から一言

この本はクラウドファンディングサイトcampfireの「火災と熊本地震に負けない!被災で失った薬草の本を復活させるプロジェクト」(https://camp-fire.jp/projects/view/115289)によって集まった支援金で製作されました。

平成9年、井澤嵯壽氏(阿蘇薬草園会長)は自身の薬草研究の集大成として書籍『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』を自費出版しましたが、平成20年に火災で本の在庫とデータが焼失。さらに平成28年の熊本地震に被災。自宅、店舗、工場、山を失い、長らく再版できずにいました。

井澤氏は被災のダメージから左半身不随になり、一時は言葉も出ない、手も足も全く動かせない、寝たきりの状態でした。しかし薬草やリハビリのおかげで今は自分の足で歩き、車を運転し、講演会を開くことができるようになるなど、奇跡的な回復を遂げ、自身の薬草園を再建しました。

「どんなに辛い時でも、自分が何をやりたくて生きているのか、原点から考えていけば、何をすべきか、きちんと答えは見つかる」。

考えと行動が一貫している井澤氏の言葉には強い説得力があり、ここから学ばされることは非常に大きいと感じました。こうした思いから株式会社未知の駅がサポートさせていただき、約1年がかりで今回の本は出版されました。本書に書かれてある内容だけでなく、この本がつくられた経緯やプロセスそのものが、1つのメッセージになっている、とも言えます。

さまざまな人生の苦境を乗り越えていくための「生命力」。
それを養ってくれる薬草が、実は私たちの足元に、すぐ身近なところに生えている。
そういう世界があることを知れば、現代を生きる私たちの生き方も変わってくるのではないだろうかーー。

本書には、こうした先人たちの「生き延びるための知恵」が詰まっています。
実用書であると同時に、生き方を"原点"から考え直すための人生哲学書としても読める一冊です。

著者プロフィール

井澤嵯壽  (イザワサトシ)  (

民間薬草研究家・薬草料理研究家・阿蘇薬草園名誉会長。1943年、熊本県生まれ。幼少のころより植物が好きで体質的にひ弱だったことから、自分で薬草茶類をつくって試し、高校生の時に先人たちの家伝・秘伝を訪ね歩いたことから薬草の研究を始める。現在は「阿蘇薬草園」(阿蘇市一の宮町)を拠点に、薬草を栽培しながら、民間薬草の普及・講演活動などに取り組んでいる。農薬を使わない、化学肥料を使わない、草取りをしない「3NO主義自然農法」を提唱・実践している。※2019(令和元)年より旧名・井澤敏改め、井澤嵯壽。

上記内容は本書刊行時のものです。