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あるデルスィムの物語 ムラトハン・ムンガン(編) - さわらび舎
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あるデルスィムの物語 クルド文学短編集
原書: BIR DERSIM HIKAYESI

発行:さわらび舎
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ15mm
180ページ
並製
価格 1,600円+税
ISBN
978-4-9908630-4-3
Cコード
C0097
一般 単行本 外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年12月
書店発売日
登録日
2017年11月28日
最終更新日
2017年12月20日
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紹介

1937年トルコ、デルスィムで起きたクルド人虐殺をテーマに、10人のトルコ人作家が描いた、人々の記憶と葛藤をめぐる物語。

目次

訳者まえがき 磯部加代子
編者まえがき 母乳、血、ことばから成る骨 ムラトハン・ムンガン
カラスの慈悲心 ヤルチュン・トスン
ムニラおばさんのお伽話 ジェミル・カヴクチュ
ロリ… ロリ… ベフチェット・チェリッキ
重荷 アイフェル・トゥンチュ
先史時代の犬ども ブルハン・ソンメズ
白頭鷲 ハティジェ・メリイェム
サビハ カリン・カラカシュル
その昔、私はあの広場にいた セマー・カイグスズ
祖父の勲章 ヤウズ・エキンジ
禁じられた故郷 ギョヌル・クヴルジュム
訳者解題・あとがき 磯部加代子

前書きなど

あなたが手にしているこの本に収録されているのが文学作品であるということを忘れないでいただきたいのだ。文学は怨念を新たにするためにではなく、記憶を新たにするために創作されるのだから。優れた文学は、人びとが真実を認識し、事実を引き受け、責任を負い、真実に耐えうる力を与えようとしてくれるものである。数々の虐殺事件を行うのは人びとではなく、精神である。野蛮なのは、権力と権力側の機関である。(編者まえがき)

版元から一言

デルスィム、それはクルド人の土地、そして虐殺の地。
語りえぬ思いが、物語を通じて現れるとき、人は沈黙の意味を知る。

著者プロフィール

ムラトハン・ムンガン  (ムラトハン ムンガン)  (

1955年、トルコ、イスタンブル生まれ。両親はクルディスタンの町マルディン出身で、幼少時代はマルディンで過ごす。アンカラ大学を卒業後、国立劇場で仕事を始め、1984年にメソポタミア三部作の二作目「タズィイェ」で最優秀劇作家に選出される。詩人、劇作家、短編小説家と多くの顔を持ち、著書も多く、トルコを代表する作家の一人。

磯部加代子  (イソベ カヨコ)  (

1973年、神奈川県生まれ。クルド文学翻訳者(トルコ語)、トルコ語通訳(フリーランス)。著書「旅の指さし会話帳18 トルコ」(情報センター出版局)、訳書「魂の視線 ~光の教師からあなたへ真実のメッセージ~」(高木書房)など著訳書多数。

ヤルチュン・トスン  (ヤルチュン トスン)  (

一九七七年アンカラ生まれ。ガラタサライ大学法学部卒業。同大学で私法学の博士号取得。複数の文学雑誌で短編小説を発表後、短編小説集『母と父、その他の致命的物事』(二〇〇九)でノートルダム・ド・シオン文学賞受賞、短編小説集『鬘的憂鬱』(二〇一一)でサイト・ファイク短編文学賞受賞。最新作は短編小説集『触り方教室』(二〇十三)。

ジェミル・カヴクチュ  (ジェミル カヴクチュ)  (

一九五一年イネギョル生まれ。イスタンブル大学卒業。一九八〇年代より短編を発表。一九八七年、『小道』でヤシャル・ナビ・ナユル短編文学賞受賞、一九九五年『遠きところへ』でサイト・ファイク短編文学賞受賞。二〇〇九年『アンジェラジョマの壁』でセダット・セマーヴィ文学賞受賞。

ベフチェット・チェリッキ  (ベフチェット チェリッキ)  (

一九六八年アダナ生まれ。最初の短編小説を雑誌「ヴァルルック(存在)」に発表(一九八七年)。一九八九年には、アカデミ本屋短編小説賞を受賞。『昼のアルズ』(二〇〇七)で二〇〇八年度のサイト・ファイク短編文学賞を受賞。『刺の先端』(二〇一〇)でハルドゥン・タネル短編文学賞を受賞。他には三冊の長編小説や、故郷アダナについての文章を集めた『アダナで雪の降った日』(二〇〇六)などの著作がある。

アイフェル・トゥンチュ  (アイフェル トゥンチュ)  (

一九六四年、アダパザル生まれ。大学時代より文芸、文科系雑誌に作品を発表。出版社勤務、ジャーナリスト、シナリオライターとして働く。サイト・ファイクの短編小説集から、トゥンチュがシナリオとして書き起こした『天空の雲』という作品が、トルコ国営放送局用に映像作品として撮影された。オルハン・ケマルの『監獄:七十二号室』という名の小説の映画化シナリオを担当。これまで、長編小説、短編小説、エッセイなどを発表している。最新作は『スザンのノート』(二〇一一)。

ブルハン・ソンメズ  (ブルハン ソンメズ)  (

これまでに出版された三冊の小説『北』(二〇〇九)、『純真な人々』(二〇一一)、『イスタンブル・イスタンブル』(二〇一五)はそれぞれに趣向の異なる小説だが、いずれも「物語の中に物語」方式の、クルド文学、あるいは中東の文学作品ではおなじみの、物語の中心がいくつもあるような、読者を混乱に陥らせながらも、魅了してやまない小説たちである。二作目にして当時として最年少(四十六歳)で、国内の文学賞であるセダット・セマーヴィ文学賞を受賞している。

ハティジェ・メリイェム  (ハティジェ メリイェム)  (

一九六八年イスタンブル生まれ。大学では財政学を専攻し、卒業後銀行に就職。その後ロンドンに移住している。イスタンブルに戻ると雑誌社で勤務しはじめ、その間に発表した『初売り』という短編小説で注目を浴びる。代表作は『蚊ほどの亭主でいいから』(二〇一二)(※『中東現代文学選 二〇一二』に抄訳が紹介されている。村上薫訳)。アンカラ国立劇場にて演劇作品としても上演された。フェミニスト雑誌『アマルギ』の執筆者の一人でもある。

カリン・カラカシュル  (カリン カラカシュル)  (

一九七二年イスタンブル生まれ。名門ボスポラス大学卒。一九九六年から十年間アルメニア系新聞『アゴス』紙で編集業務の傍ら記事も書いていた。短編小説集の他に、長編小説『都合のいいところで降ります』(二〇〇五)、紙上に発表した文章をまとめた『出窓』(二〇〇八)、共著で『トルコのアルメニア人:コミュニティ、個人、国民』(二〇〇九)などがある。

セマー・カイグスズ  (セマー カイグスズ)  (

一九七二年、サムスン生まれ。祖母がデルスィム出身。文学の世界に短編小説を引っさげて一歩を踏み出した作家セマー・サイグスズは、いくつかの国内の文学賞を受賞後、初の長編小説『地に落ちた祈り』(二〇〇六)が各国語に翻訳され、フランスから二つの文学賞を受賞し、さらにはバルカニカ文学賞も受賞。その他に、『顔の、とある場所』(二〇〇九)、『黒い感情』(二〇一二)に続いて出版された長編小説『野蛮人の高笑い』(二〇一五)で、第七十一回ユヌス・ナーディ文学賞を受賞し、現在トルコで注目を浴びている作家の一人である。

ヤウズ・エキンジ  (ヤウズ エキンジ)  (

一九七九年にトルコ東部の県、すなわちクルディスタンのバトマンに生まれた。クルド語を母語としながらトルコ語で著作活動を行うトルコのクルド人男性作家である。二〇〇四年に作家デビューし、これまで中・長編合わせて七作品を発表。国内の文学賞を五つ受賞している作家だが、最近までバトマンの小学校で教鞭をとる「学校の先生」でもあった。唯一イスラーム国との戦いに勝利した町、シリア・クルディスタンのコバニのために二〇一五年に出版されたアンソロジー『石に囁く物語集 コバニ』(二〇一五)には、エキンジの『夢を引き裂かれし者たち』(二〇一四)の最終章が掲載されている。作品は、ドイツに難民として逃れた主人公のクルド人男性が、自分とは対照的に山に入ってゲリラとなった弟を、死の縁にいる父親のために探しにいくというお話である。二〇一六年、最新の長編小説『ある日』を発表。

ギョヌル・クヴルジュム  (ギョヌル クヴルジュム)  (

一九六三年クルックカレ生まれ。ボスポラス大学で経営学を学んだあと、ノルウェーで集団コミュニケーション学を専攻。ドイツのテレビ局に就職し、その後トルコに帰国。二〇〇一年に短編小説で作家デビューを果たす。これまで、『カミソリ・スィナン』(二〇〇七)、『パーツ化された愛』(二〇〇四)、『生き証人が語るカラキョイ』(二〇一〇)、『罪の館』(二〇一二)などを発表。

上記内容は本書刊行時のものです。