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出版者情報
語り継ぐ力
アイルランドと日本
- 初版年月日
- 2018年3月31日
- 書店発売日
- 2018年8月31日
- 登録日
- 2018年11月14日
- 最終更新日
- 2019年10月20日
書評掲載情報
2019-03-01 |
月刊大和路ならら
3月号 評者: 安井敬子 |
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紹介
夢現ゆめうつつの母の声、囲炉裏端の昔話。心の奥深くへ「語り継ぐ力」とは。
語りの世界は地球上のあらゆる国に存在する。地形的な条件から似た文化が存在する日本とアイルランド。そんな二つの国を比較しながら、現在の『語り』の置かれている状況、『語り』の素材となる伝承文学、次の世代を育てる教育の果たす役割に焦点を当てながら総括的に展望する。
平成26年度から3年間にわたって科学研究費助成金を受け、語り部たちの声・教育現場の声・現地調査・アンケートをふくめ研究を重ねた。できるだけ多くの方に、この本が届き、語りやそれに付随する文化、伝統が守り続けられることを、願っている。
目次
目次
第一部 論文と研究調査
1 アイルランドと日本の民間伝承
2 アイルランドと日本の異界に関する3つの民話・伝説
3 放浪の詩人の系譜
4 失われてなお生きる世界
5 昔話を語り聴くこと
第二部 アイルランドの作家の招聘イベント
6 コルマーン・オラハリーの招聘
7 エディ・レニハンとキース・レニハンの招聘
第三部 アンケート調査と伝承文学教育
8 アイルランドと日本の民話教育の実態と人々の意識(アンケート調査を含む)
9 コルマーン・オラハリーへのインタビュー
10 アンケートから見た日本の民話教育
11 日本とアイルランドの教育現場での試みの例
12 神話・民話を語り継ぐ
梗概
編集後記
注・参考文献・資料
前書きなど
本書は、平成26年度科学研究費助成事業基盤研究Cで、3年間の計画で採択された「アイルランドと日本における伝承文学教育の文化創造可能性についての比較研究」の成果報告を基に、研究参加者以外の執筆者も加えてさらに充実させた、気迫に溢れる研究書である。
版元から一言
言語と生活は密着している。アイルランドでは今やアイルランド語を話す人口は減少しているが、アイルランド語および文学は民族アイデンティティの象徴であり、祖先からの文化遺産としてとらえられている。日本では、幸いなことに母国語言語の消滅はありえないことのように感じられているが将来果たしてどうであろう。祖先から民族に伝わる伝統が伝承される日常が少なくなっている今、改めて伝承の意味、値打を、考える一助になれば、と考える。
上記内容は本書刊行時のものです。