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流れる時間と遊ぶ光
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年11月
- 書店発売日
- 2015年11月28日
- 登録日
- 2016年9月8日
- 最終更新日
- 2017年3月27日
紹介
デジタルカメラを改造してピンホールカメラを作り、その自作カメラを使って取り続けたピンホール写真集。
身近な風気、日常の様子、人々の生活の有様、移りゆく街の表情を、丁寧に、時間をかけて、ピンホール写真に収めています。
まさに光と時間がその時を切り取った1枚、1枚が収められた写真集です。
一般的な写真とはまったく違う、光が魅せる偶然の表情をも写し取るのがピンホール写真。その魅力を集めた一冊です。
ピンホールカメラの作りかた、取り方のポイントなども丁寧に解説しています。
目次
さくらんぼ
朝の舟溜り
須和田公園のバラ
埠頭にて
竹やぶの道
長屋門
古い水門
古木とご神木
ネモフィラと電車
コスモスの頃〔ほか〕
前書きなど
『はじめに』
普段散歩しているときやサイクリングしているとき、そして旅の間でも、偶然出逢った光景に感動することがあります。そんな感動する光景に出逢うには、遠くに旅する必要はありませんし、有名な風景のポイントに出かける必要もありません。毎日歩いている道でも光と風景は刻々と変わっているので、新たな発見と感動を得ることができます。そんな出逢いと感動を写真に撮りたくてカメラを持って出かけます。
ただ私のカメラは普通のカメラではありません。レンズを使わないピンホールカメラというカメラです。これはピンホールという針で開けた小さな小さな穴から光を通すと反対側に像ができるという原理を使っています。普通のカメラに比べると写すために時間(露光時間)が掛かります。ファインダーがない場合もあります。そんな不便なカメラですが、普通のカメラにはない光の柔らかさや独特のフレア(光のにじみ)や近いところも遠いところも同じように写る特徴があります。時間が掛かる分、普通のカメラより対象の時間の流れを写すことができます。私はそんなピンホール写真が心の波長にあっているのでしょうか、もう長い間ピンホールカメラで写真を撮っています。
近年そんなピンホールカメラにも劇的な変化が起こってきました。それはデジタルカメラが発展したおかげで、より簡単により身近にピンホール写真を撮ることができるようになったのです。私は今まではフィルムを使ったピンホールカメラで撮っていました。日中の明るい戸外でも、1枚撮るためにはどうしても10秒以上の露光時間が必要でしたので三脚が必須でした。ファインダーもありませんし、どう撮れたかは後でフィルムを現像しないと分かりませんでした。
でも、デジタルカメラのピンホールカメラにすると、戸外で明るければファインダーも見えるし、三脚なしで手持ちで撮れます。撮った後もすぐに液晶で写真が確認できます。このために随分と撮影する対象や瞬間が増えました。今までは20分以上も露光しないと撮れなかった夜景も1分程度で撮れたりします。
この本はそのような最近撮ったピンホール写真を載せています。日々に出逢って感じた光景を素直に撮っています。ほとんどの写真にはそれぞれ短いコメントを入れています。いわばピンホール写真の絵本として気軽に見ていただければ幸いです。
2015年10月
版元から一言
ピンホール写真に魅せられ、身近な風景、暮らしの様子、目の前の街の姿をピンホールカメラで撮り続ける著者 林敏弘のデジタルピンホール写真集。
人の記憶はその場の光にも大きく影響を受けるといいます。まさにピンホール写真はその場の光によって、流れる時間を写し取る写真です。
柔らかい光が写し出した日常は肉眼では見落としている一コマを、優しさをみせてくれます。
そんな時間の流れと光の存在を気づかせてくれる一冊です。
ピンホールカメラの作り方、撮影ヒントなども掲載。
はじめてピンホール写真に挑戦する人にも活用いただけます。
上記内容は本書刊行時のものです。