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小さな命のポートレート
出会い、心に残る虫たち
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年4月14日
- 書店発売日
- 2023年5月25日
- 登録日
- 2023年5月6日
- 最終更新日
- 2023年11月7日
紹介
身近なところにいる四季の昆虫を描いた画文集。緻密なタッチの鮮やかな昆虫の絵に、著者のエッセイが添えられています。それぞれの昆虫が、豊富な知識と観察力で愛情たっぷりに紹介されているので、虫好きでなくても、それぞれの虫に肩入れしたくなってしまいます。たとえば、ひたすら北へ北へと飛び続けるヒメアカタテハ、ハチドリのように見えるホシホウジャク、意外に攻撃性のないクマバチ、育児室をつくるトゲアシオオクモバチ、専守防衛に徹するヨツモンカメノコハムシなどなど。小さな命のきらめきが感じられる1冊です。
目次
はじめに
出会い1 冬のテントウムシ
⦅春⦆
母の育児室…トゲアシオオクモバチ(雌)
お花畑が見られる理由…ツツハナバチ(雌)
大先輩…テングチョウ
静かな生活…ニホンカブラハバチ
勇気がありません…キバラヘリカメムシ
昆虫学者の志…ムーアシロホシテントウ
ご近所の宝石…クロボシツツハムシ
五月のコガネムシよ飛べ…ウスチャコガネ(雄)
ご近所の神様…ユウマダラエダシャク
生き方の選択…スグリゾウムシ
平家との縁ありやなしや…ジョウカイボン
町の暮らしも悪くない…ツマグロヒョウモン(雄)
なんだか距離を感じてしまう…モンシロチョウ
⦅夏⦆
ウメの実る頃…ウメエダシャク
南の国からやってきた…ラミーカミキリ(雄)
メタリックブルー…ルリシジミ
ホジホジ…セマダラコガネ
山の中の青い海…ヒメマダラナガカメムシ
存在理由…クロオビハナバエ(雄)
ヒルガオの住人…イモサルハムシ
正真正銘 専守防衛…ヨツモンカメノコハムシ
虫にもやさしい公園…サンゴジュハムシ
人工林…チャバネアオカメムシ
その目は何を見つめる…マルボシヒラタヤドリバエ(雌)
トトロの棲む里…ギンイチモンジセセリ
“思うところ”を聞いてみたい…ヤマトシリアゲ(雌)
蒸散…アオバハゴロモ
道ばたのジャングル…アオモンイトトンボ(雄)
中断された子育て…コアシナガバチ
強くて優しい母さん…クマバチ(雌)
カラタチの思い出…アゲハ
真夏の城址…ギンヤンマ(雄)
秋へのそなえ…サトジガバチ
出会い2 山口市湯田温泉
⦅秋⦆
いちばん身近な赤トンボ…マユタテアカネ(雄)
いちばん赤い赤トンボ…ナツアカネ(雄)
秋になったら食べてもいいよ…ウリハムシ
小さなリボン…キアヤヒメノメイガ
星月夜の舞…ベニスジヒメシャク
小さな鳥…ホシホウジャク
豊年虫…イチモンジセセリ
可憐なはばたき…ベニシジミ(雌)
北へ向かう理由を知らない…ヒメアカタテハ
恥ずかしがりな“セミ”…ツマグロオオヨコバイ
秋風のささやき…ササキリ(雄)
体内カレンダー…ミノウスバ(雄)
懐かしい香り…ヨモギハムシ
命がけの冬越し…キタキチョウ
⦅冬⦆
空中散歩の達人…オオハナアブ(雌)
真冬に咲く花…フタスジヒラタアブ(雌)
目の敵…コナガ
心の絆…セイヨウミツバチ
あとがき
前書きなど
私は、家の近所を散歩しながら昆虫の観察をしています。出会うのは、特別
珍しい虫ではなく、ふつうの場所でふつうに見られる虫たちなのですが、よ
く見ると、美しかったり、かわいかったり、興味深い暮らしぶりをしていた
りして、心動かされます。
そのようにして出会った虫たちのようすを私なりに描き残し、言葉を添えて
伝えてみたいと考えました。図鑑のような正確さはありませんが、心ひかれ
た虫たちの姿を思いだしながら、小さな命を愛しく思う気持ちを込めて、絵
と文章を作りました。
この本が、「虫たちも人間と同じ一度きりのチャンスを得てこの世界に生き
ている」ということに、少しでも触れることができていれば、うれしいです。
山下稔哉
版元から一言
この本は大人向けの本ですが、本を送ったあるお宅では、小さなお子様が「ねえ、虫さん読んで」と毎日せがんでくるという話も聞いています。
著者自身も非常に昆虫に詳しいのですが、さらに博士号を持つ昆虫の研究者、菅野良一さん(演劇集団キャラメルボックスの俳優でもあります)に監修していただいたので、虫の絵も文章も、正しい知識に裏付けられたものになっています。
小さな虫がけなげに生きている姿に、心がほっこり癒されます。
上記内容は本書刊行時のものです。