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生徒の生き方が変わる グローバル教育の実践 石森 広美(著) - メディア総合研究所
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生徒の生き方が変わる グローバル教育の実践 (セイトノイキカタガカワル グローバルキョウイクノジッセン)

教育
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A5判
縦482mm 横210mm
256ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-944124-73-2   COPY
ISBN 13
9784944124732   COPY
ISBN 10h
4-944124-73-2   COPY
ISBN 10
4944124732   COPY
出版者記号
944124   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2015年8月
書店発売日
登録日
2015年7月15日
最終更新日
2023年3月3日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2016-03-07
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全国各地の学校現場で奮闘する先生方から、大変に好評を頂いています!

紹介

「心が動いた」「学ぶ意味がわかった」「やりたいことが見つかった」「日常が違って見えた」
実践のノウハウと学習者の顔が見える実践者のための新しいテキスト。生徒を前向きにし、生きる喜びと力を与えるアクティブラーニングの提案。グローバル時代の教育にかかわるすべての人へ-。

外国に行く・行かない、海外で活躍する・しない、という短絡的な構図ではなく、グローバル教育が育む様々な力は、日常生活においても大いに役立ち、自分の人生に彩りを添え、良好な人間関係の構築やより良い社会づくりにも活かされる。

目次

はじめに-なぜグローバル教育なのか

第1章 生徒の学びの声-学習者の視点から
1.高校生はこんな学びを求めている
2.大学で学びたいことが見つかった-高校生の語りより
3.奇跡の授業から学んだこと 佐々木 里菜
4.グローバルシティズンシップ(GC)を通して成長したこと 平間 洸舗
5.この目で捉えた世界の現状 菅野 沙弥
6.自信を得た私 千葉 ほのか
7.挑戦することの大切さを知った 村田 千真
8.自分の中の偏見に気づかせてくれた 工藤 朋香

第2章 実践編-教師の視点から
1.実践編
2.実践の方法と場所-多角的なアプローチ
3.既存の教科内の実践例
4.新科目実践(学校設定科目)
5.「総合的な学習の時間」における実践例
6.クラス経営・ホームルーム活動
7.生徒会活動
8.部活動・クラブにおける実践
9.海外研修旅行(修学旅行・スタディツアー・語学研修)
10.国際交流・国際理解行事
11.留学:ことばの習得だけじゃない!人間として大きな成長をもたらす
12.イベント・コンクールへの参加
13.学校行事・学校全体での取り組み
14.東日本大震災を経験して-震災を国際理解教育に活かす視点-

コラム ①教科を超えた指導 /②教育が教育を救う-チャンスは平等に- /③180度、違って見えたこと /④新しい授業が開いた扉 /⑤私が変わった3つのこと /⑥自分を大きく変えた授業-異文化との出会い /⑦A Woman Who Has Affected My Life /⑧自分自身の疑問と向き合い、悩み、考える /⑨心に生きている、国際理解の学び /⑩わたしと、世界。 /⑪国際社会の平和を願って /⑫新たな自分を開発して /⑬過去の私からのメッセージ-自分の殻に閉じこもっていた私が世界を知ってから- /⑭“Think Globally, Act Locally”を胸に /⑮生き方が変わった-私の進路を決めた授業- /⑯想いは伝わる

第3章:私がグローバル教育を続ける理由
1.私がグローバル教育を続ける理由-誰からも奪われないもの- 石森 広美
2.だからやめられない、グローバル教育 阿部 和彦
3.つながりの中で生きる~豊かな人生を創造するために~ 冨永 昌子
4.地球人として生きること 南澤 英夫

あとがき

付録1:私が影響を受けた教育理論と実践
1.ワールドスタディーズ
2.パイクとセルビーのグローバル教育理論
3.グローバルシティズンシップ教育(Education for Global Citizenship)

付録2:国際理解に関する諸教育

前書きなど

はじめに-なぜグローバル教育なのか

本書は、学校の先生方はもちろん、広く教育に関心のある方々に、グローバル社会で自分を輝かせながら人生を生きる児童・生徒の教育に役立つ具体的なアイディアを提供するとともに、グローバル教育への理解と普及を促すことを目的としている。
私の目指すグローバル教育は、子どもたち一人ひとりが相互依存性と多様性が高まるグローバル時代に生きる一員としての自覚と責任を持ち、より良い社会や未来の形成に主体的に関わる力(知識、スキル、姿勢等)を身に付けられるようにすること。こうした学習を実現するため、教師が具体的な教育内容や方法を検討し、実践することである。

「世界のことについて、未来を担う子どもたちと一緒に考えていきたい」というのが、私が教師になった動機でもあった。高校時代に、開発途上国から日本に研修に来ている方々と出会ったことや、大学時代に世界で貧しいながらも他人を思いやり、家族を大切にして、懸命に生きる人々に出会ってきた経験があったからである。そして、試行錯誤を繰り返しながら、私はグローバル教育を実践し続けてきた。その間、たくさんの素晴らしい出会いがあり、学びがあった。それは自らの人生を豊かにし、自分自身を人間的に成長させてくれる源であった。グローバル教育は「職業」を越えた「ライフワーク」でもあり、「生き甲斐」にもつながっている。そして、これまでにわたってぶれることがなかった私の教育観は、グローバル教育によって開眼し、学び、成長していった生徒たちによって支えられてきた。

グローバル社会、多文化社会が現実となった現在、学校教育におけるグローバル教育の重要性は以前にも増して高まっている。多文化共生社会の構成員であるという意識づけや地球市民を育む教育を学校でどう展開すべきかが、今問われている。さらに、21世紀は知識基盤社会(Knowledge-based society)であると言われ、知識や技能のグローバル化が進行している。様々な課題に対処し、一人ひとりが豊かな人生を築いていくためには、従来の伝達された既存の知識を記憶し、その総量を増やしていく学力のみでは不十分である。今後育てるべき学力もより多角的なものになり、予測不可能な事態に対応できる力をいかに養成していくかが問われる。こうした社会的要望に応える具体的な教育内容や方法を検討し、それを実践することは、教師に課せられた重要な責務である。

「グローバル教育」という用語が日本で普及し始めたのは、1990年代後半である。その前から日本の学校では「国際理解教育」という用語が使用され、様々な形で取り組まれてきた。とりわけ、2002年に導入された「総合的な学習の時間」における教育活動として「国際理解」が示されたことから、いっそう定着することとなった。2011年以降は「グローバル人材」育成に関する議論が活発になり、さらに2014年度からは文部科学省がスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)を指定する等、近年は「グローバル」教育が脚光を浴びるようになってきている。日本の国際理解に関わる教育は、先進的な欧米の取り組みから影響を受けて発展し、また私自身も研究蓄積の厚い欧米の理論(Global educationやGlobal citizenship等)を参考にしてきたことから、本書では「グローバル教育」という用語を用いている。

現行学習指導要領においては、「思考力・判断力・表現力等の育成」が重視され、「知識・技能を活用する学習活動」や「教科等を横断した課題解決的な学習や探究的な活動」の充実が謳われている。また、高等学校学習指導要領では、「人間としての在り方生き方に関する学習を充実」させることにより、豊かな心を育成することがポイントとして挙げられている。さらには、全体を通して持続可能な社会の構築の観点が盛り込まれている。グローバル教育の理念はこうした新たな方向性に合致し、現代的教育ニーズに応え得る要素を持っている。
また、次期学習指導改訂に関して、今、アクティブ・ラーニングが話題にのぼっている。「能動的学習」と訳されているが、文部科学省によれば、アクティブ・ラーニングとは、教師による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な参加を取り入れた教授・学習法の総称である。能動的な学修によって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。簡潔に言えば、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習である。グローバル教育の実践者からみれば、すでに30年以上前から実践されてきたことである。グローバル学習(Global learning)はまさに、アクティブ・ラーニングそのものである。アクティブ・ラーニングの円滑な導入と手法の開発には、グローバル学習の蓄積が大いに役立つだろう。成績評価や入試についても、試験で知識量を問う現行とは異なる新たな方法の検討が求められていくだろう。グローバル教育には追い風が吹いてきており、その意義が再認識される時が来たといえる。

「グローバル」「国際」とはいえ、自分とかけ離れた「外」のことや外国のことだけを学ぶのではなく、自分と関わりのある事柄やグローバルとローカルの往還、グローバルな中のローカル(地域)に着目した実践、身近なテーマを発展させたり自らの生き方と関連づけたりして学びを深め、つながりや当事者意識を重視した実践が奨励されている。学校教育においてグローバル教育は、公正で平和な社会の実現を目指すための人間性や資質、また総合的な学力を育成する役割を担う。そして、多方面からグローバル教育を展開することは、進路選択の幅を広げるだけでなく、人生に有益な視点をもたらすことにもつながる。すなわち、多様なものの見方、グローバルな視野を得ることにより、人生観・世界観を広げ、他者や生命を思う豊かな心を持ち、自己の可能性を高めることができる。
私は英語の授業を通して高校生に、世界に目を向け、多様な世界観に出会い、視野を広げて欲しいとメッセージを送り続けている。「国際共通語」「国際補助言語」として英語を身に付けることによって世界中の人々とつながり、心豊かな人生を歩んで欲しい、さらには、自分の持てるものを活かして地球市民として社会に貢献して欲しい、と常に願って実践にあたってきた。外国に行く・行かない、海外で活躍する・しない、という短絡的な構図ではなく、グローバル教育が育む様々な力は、日常生活においても大いに役立ち、自分の人生に彩りを添え、良好な人間関係の構築やより良い社会づくりにも活かされる。この20年余の実践で私はそう確信している。

本書では、学習者(生徒・卒業生)が発する素直な声や学びを数多く紹介している。実践事例を通して、グローバル教育が秘めるパワー、面白さ、可能性の一端をご理解いただけたら、幸甚である。グローバル教育を実践している、あるいはこれから実践しようとする教師はもちろん、教育のあり方を模索する教師、教育に関心をお持ちの方、そしてこれから教育にあたろうとしている学生のみなさんにも本書を手に取っていただき、これからの教育について一緒に考えることができたら、著者としてこの上ない喜びである。

版元から一言

生きる喜びと人生の目的を生徒に与え続ける現役教師が、日々実践するアクティブラーニングの活動を多数紹介。グローバル教育を通じて、社会問題に目覚め立ち向かっていく生徒たちの姿と瑞々しい感想にも胸を揺さぶられる一冊。

著者プロフィール

石森 広美  (イシモリ ヒロミ)  (

1970年仙台市生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業。東北大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。宮城県公立高校教諭(現在、宮城県仙台二華高等学校)。東北学院大学非常勤講師。日本国際理解教育学会および日本グローバル教育学会理事。
平成6年度より宮城県高等学校国際教育研究会常任幹事としてグローバル教育・国際理解教育の企画・運営に従事、中心的役割を果たす。その間、赴任したすべての勤務校で多様なグローバル教育を開発・実践。豊富な実践と研究成果は全国の各研究大会や学会等で発表するとともに、講演会やワークショップの講師としても各地を飛び回る。
主な受賞は、文部科学大臣優秀教員表彰、宮城県教育委員会優秀教員表彰、東北大学総長賞、東北大学教育学研究科長賞、日本国際理解教育学会賞、外務省主催第二回「開発教育/国際理解教育コンクール」授業実践部門入選、第一回教育実践・宮城教育大学賞、等。
主著は、『グローバル教育の授業設計とアセスメント』(学事出版、2013年)、 『グローバル時代の国際理解教育-実践と理論をつなぐ-』(日本国際理解教育学会編、共著、明石書店、2010年)、『現代国際理解教育事典』(日本国際理解教育学会編、共著、明石書店、2012年)、『国際理解教育ハンドブック』(日本国際理解教育学会編、共著、明石書店、2015年)、『シンガポール都市論』(共著、勉誠出版、2009年)、『旅、ちょっとセンチメンタル』(東洋出版、2002年)、『ラテンアメリカをご一緒に』(東洋出版、1999年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。