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改訂新版 イワナをもっと増やしたい! 中村智幸(著) - フライの雑誌社
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改訂新版 イワナをもっと増やしたい! (カイテイシンパンイワナヲモットフヤシタイ) Toward effective and enjoyable enhancement and conservation of charr

自然科学
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新書判
縦172mm 横105mm 厚さ12mm
240ページ
定価 1,500 円+税   1,650 円(税込)
ISBN
978-4-911625-01-9   COPY
ISBN 13
9784911625019   COPY
ISBN 10h
4-911625-01-5   COPY
ISBN 10
4911625015   COPY
出版者記号
911625   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年11月15日
書店発売日
登録日
2025年10月12日
最終更新日
2025年10月24日
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紹介

イワナ好き必読! 新章追加!

不思議な魚、イワナ。世界と日本のイワナ、イワナ研究の楽しさ、人工産卵場の造り方、イワナで地域が元気になるアイデアと事例を紹介!

イワナの生息環境、稚魚の離乳食、河川の露盤化に関する最新研究、内水面漁協の現状分析と問題提起、河川管理者との協働、子ども釣り場作りの提案を追加。

第7章、第13章、第14章、第15章、第16章、第17章 書き下ろし

イワナを〝幻〟にしないために。

「その川に昔からいた天然魚が、昔からの生息地に自然繁殖して、これからもずっと生息し続ける。」──私たちができることは、たくさんあります。イワナを守りながら釣りを楽しみ、地域に貢献する方法を紹介します。

ずっとイワナと暮らしたい。

各方面へ大きな影響を及ぼした名著を全面的に加筆、最新研究を反映させた注目の新章を加えました。

目次

改訂新版 イワナをもっと増やしたい! ● 目次

第1章 イワナとの出会い  6
はじめてイワナを釣る/釣り三昧の日々の中から

第2章 〝幻の魚〟イワナのプロフィール 15
世界のイワナたち/日本のイワナたち/イワナの地方名はたくさんある/イワナとヤマメ、アマゴの違い/日本のイワナの分布はくずれつつある

第3章 謎多きイワナの暮らし(1) 個体数、成長、成熟、寿命  28
イワナの全般的な生態を研究した/禁漁にするとイワナは増える/イワナの成長や寿命はよくわかっていない/イワナの成長は個体ごとのばらつきが大きい/若い時に急激に成長する個体が尺イワナになるのかもしれない/尺イワナが生まれるメカニズムの四つの仮説/早熟な雄は一歳の秋に、雌は二歳の秋に成熟する/イワナの寿命は長くて八年くらい

第4章 謎多きイワナの暮らし(2)移動性、定住性   44
毎日最低二〇尾を釣る/イワナはいつ、どのくらい移動するのか/手取川支流のイワナは季節移動しなかった/最長四キロメートル近く移動した魚もいた/なぜ手取川支流のイワナはあまり移動しないのか/同じ川に定住性の強いイワナと移動性の強いイワナがいる/定住するか移動するかは個体によって違う

第5章 謎多きイワナの暮らし(3)産卵場所の条件 56
イワナの産卵床の構造を、ヤマメとの比較により明らかにする/イワナとヤマメでは産卵場所の条件が少し違う/ヤマメにくらべてイワナはいろいろな場所で産卵できる

第6章 謎多きイワナの暮らし(4)産卵遡上する支流の条件  66
イワナの産卵床は支流に、ヤマメの産卵床は本流に多い/支流に遡上する魚をトラップ(わな)ですべて捕る/たくさんのイワナが支流に産卵遡上する/イワナのほうが支流に遡上して産卵する性質が強い/イワナが産卵遡上する支流の環境条件とは/産卵床は本流の遡上阻害物の下流に流入する支流や遡上できる距離が長い支流ほど多い

第7章 謎多きイワナの暮らし(5) 稚魚の生態、そして子どもを残す術 76
イワナとヤマメで稚魚の生息場所を比較する/支流におけるイワナ、ヤマメの生息数/子どもを残すイワナの工夫/イワナの稚魚の〝離乳食〟

第8章 イワナの産卵場をつくる 人工産卵場の造成技術の開発 88
なぜ人工産卵場を造成するのか?/ないのだったら開発しなければ/はじめての造成実験/人工産卵場で多くのイワナが産卵した/そして、産みつけられた卵はふ化した/人工産卵場のつくり方/造成時の注意/造成後の注意/人工産卵場の造成に適した川の条件/こわれたら作り直せばいい/人工産卵場の造成は子どもの環境教育にも役立つ/人工産卵場の造成は次善の策

第9章 イワナの種川を守る 112
イワナの産卵保護のための河川管理/釣り人や漁協にもできることがある/「産卵数の多い支流」より「繁殖に適した支流」を守るのが大切

第10章 イワナの姿かたちは川や支流ごとに違う 120
イワナの形態には謎が多い/イワナの体のいろいろなところを測ってくらべる/イワナの形態は川によって違う/イワナの形態は隣り合った支流でも違う

第11章 天然のイワナを守る  128
それぞれの川固有のイワナを守る/聞き取り調査で天然魚の生息分布を推定する/天然魚の聞き取り調査例/天然魚は支流の滝や堰堤の上流の狭い範囲に生息している/養殖魚を放流すると天然のイワナがいなくなる/法定義務である増殖が安易な放流につながった/漁場管理こそが重要/天然魚が生息している川の堰堤には魚道を付ける/あえて魚道を付けないほうがいい堰堤がある/できるだけ多くの川で天然魚の分布を調査したほうがよい/なぜ天然魚を残さなくてはいけないのか?/釣り人や漁協に注意していただきたいこと

第12章 イワナを守りつつ利用する ゾーニング管理 150
釣り人の価値観はいろいろ/川をゾーニングして、イワナを守りつつ、釣りを楽しむ/新しいゾーニングを提案します/渓流を釣りで高度利用する具体例のあれこれ/放流方法の違いによるゾーニング/群馬県の上野村漁協さんのゾーニング管理/長野県の志賀高原漁協さんのゾーニング管理/漁協に合ったゾーニングを行う

第13章 イワナの生息環境を守る (1) 隠れ家の保全 166
イワナが好きな隠れ家の条件はわかっていない/人工河川で実験する/イワナやヤマメは岸寄りの落ち込み下の、入り口が横を向いた隠れ家に逃げ込む/川で守るべき隠れ家の条件

第14章 イワナの生息環境を守る (2) 渓畔林の重要性 170
水面に落ちてくる虫、水中にいる虫を調べる/落下陸生昆虫は広葉樹区で多く、水生昆虫の幼虫は無樹区で多い/なぜ? そしてイワナのためにできること/渓畔林には川の水温が上がるのを抑えるはたらきがある/〝離乳食〟は広葉樹林を流れる川ほど多い/イワナにとって望ましい渓畔林とは

第15章 イワナの生息環境を守る (3) 露盤化の進行 183
魚の研究者が川を測量する/露盤河床は増えるし、延びる/露盤化のメカニズム/露盤化の影響/露盤化はなかなか解消されない/露盤化対策/海岸の砂もなくなりつつある

第16章 放流すると本当に魚は増えるのか 192
放流された養殖稚魚が野生の稚魚を駆逐する/釣っていい大きさの魚を、川で一尾増やすために必要な放流魚の数と金額/放流後の残存を良くする方法/ではどうしたらよいのか?/放流の増殖効果は疑ったほうがいい

第17章 釣り人、漁協、行政のより良い関係   206
日本の川や湖では漁協が魚を増やし、守る/日本の川と湖の釣りは漁協が管理している/内水面の遊漁者は三三六万人、イワナの遊漁者は八九万人/内水面漁協が抱える問題/釣り人と漁協の関係への提案/釣り人にも、お願いがあります/川を守る/漁協と河川管理者が協力している事例/釣りにはいろいろな価値がある/子ども釣り場を作ろう

初版と第二版の おわりに  231
改訂新版の おわりに  234
出典ほか 236

著者プロフィール

中村智幸  (ナカムラ トモユキ)  (

1963年生。信州・伊那谷に生まれ、地元の渓流でイワナ・アマゴを追う少年時代を経て、 渓流魚の生態と利用方法を研究する生活に入る。渓流魚の人工産卵場を造成する技術を国内で初めて開発。都道府県や漁協、釣り人からの相談や講演依頼で全国各地を飛び回っている。東京水産大学大学院水産学研究科博士後期課程修了。栃木県水産試験場を経て、現在、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所。東京海洋大学非常勤講師。水産学博士。

上記内容は本書刊行時のものです。