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遠く、近く 掛井五郎のこと 佐伯 誠(文) - リトルギフトブックス
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遠く、近く 掛井五郎のこと (トオクチカク カケイゴロウノコト)

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B6
縦180mm 横128mm 厚さ13mm
重さ 190g
80ページ
袋とじ
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-911077-00-9   COPY
ISBN 13
9784911077009   COPY
ISBN 10h
4-911077-00-X   COPY
ISBN 10
491107700X   COPY
出版者記号
911077   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年5月20日
書店発売日
登録日
2023年4月14日
最終更新日
2023年9月15日
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紹介

 静岡に生まれ、日本各地にパブリックアートをのこした彫刻家、掛井五郎。銀座の画廊主は「ピカソが嫉妬するだろう」と言い、染色家・柚木沙弥郎さんは「掛井さんはぼくの先生です」と慕います。 
 初期のブロンズは重厚で力動にあふれたものでしたが、それに満足することなく、フォルムは歪んだり膨らんだり縮んだりして奔放な変容をつづけました。2021年秋、91歳で他界するまで創造力はとどまるところを知らず、小淵沢の収蔵庫には彫刻、ドローイング、ガラス、版画、オブジェなど、ジャンルを超えて2万点を超える厖大な作品がのこされています。
「会っているとき、もうこんな人には会えないんだぞ、そんな胸苦しさを覚えたことがあるだろうか? いきなり現れたのが掛井五郎だった。内に火焔獣を抱えた人で、そばにいるとたえず熱気がたちこめているのを感じた。それが動きを止めたとはとうてい信じられない。すべてがかき消されないうちに、覚えていることの欠片をひろいあつめておこうと思った」(佐伯誠/文筆家)。
 あまりに変貌がめまぐるしいために、これまで論じられることの少なかった彫刻家の、知られざるチャーミングな素顔、謹厳さににじむユーモア、逸話のかずかず。版画10点の挿画とともにお届けします。

目次

移動祝祭日
なんてロマンティック
垂直人間
彫刻の小舎
夏の花
ニンゲンの面影
彫刻家のパレット
雷鳥の森のこと
帰郷
ミツバチのように
バンザイ・ヒルのこと
彼の孤独
ノアの方舟
陽気さが溢れて止まらなくなった
工作人
おいしいのか不味いのか
長い長い旅
紙の彫刻
感情教育
異星からの隕石のように

「五郎さんと出会って」掛井芙美

前書きなど

会っているとき、もうこんな人には会えないんだぞ、そんな胸苦しさをおぼえたことがあるだろうか? ずっと彫刻家というものにあこがれがあった。物質と精神とのあいだに渡された綱を渡る人。その渾身の力業こそは、創造の王にふさわしいと思ったから。いきなり、あらわれたのが彫刻家の掛井五郎だった。内に火焔獣をかかえた人で、そばにいるとたえず熱が立ち込めているのを感じた。

最後の最後まで、手を動かしつづけて止めようとしない創造力の塊だった。それが動きを止めたとは、とうてい信じられない。すべてがかき消されないうちに、おぼえていることを欠片をひろいあつめておこうと思った。

人の苦難にみちた人生を、軽々しく語ったり要約してはいけないことは知っている。できたとしても、ひっかき傷くらいのことしか書けないにきまってる。それでもこうして書いたのは、生前には叶わなかった対話をぞんぶんにしたかったからだ。闇のむこうに、鉛筆を走らせたり、粘土をこねたり、あたらしいカタチをこしらえているあなたの丸まった背中が見える。

版元から一言

2021年秋に掛井五郎さんが他界してから、いくつもの雑誌で特集が組まれ、追悼展が開かれ、彼がいかに多くの人に慕われてきたかを実感しました。昨年、日本屈指のギャラリストであるタカ・イシイの目に留まり、専属契約を結んで、海外への展開も始まっています。パリ、香港に続き、2023年6月にはスイスへ。世界最大希望のアートフェア、アート・バーゼルへ出展予定で、作品カタログの準備も進められています。掛井がのこした2万点もの作品に、翼が生えて、まさに飛び立とうとしています。
本書は、掛井さんがもっとも信頼を寄せていた文筆家、佐伯誠さんによる散文集です。佐伯さんといえば、パリの孤高のアーティスト、ローベル・クートラスを世に知らしめた人物です。
掛井五郎の彫刻作品についてだけではなく、これまでほとんど論じられることのなかった頑固な一面やチャーミングな素顔、夫婦の絆などがしたためられ、心が温かくなる一冊に仕上がりました。
並製ながら袋とじ、カバーなし帯つき、など、紙や製本にもこだわりました。手ざわりがよく、紙の本としての存在感があるのも特徴です。

著者プロフィール

佐伯 誠  (サエキ マコト)  (

文筆家。心がけているのは、go solo! 自分の足で歩いて、自分の目で見ること。原石を探すこと。第一発見者になること。不世出の天才、KAKEI GOROに遭遇してずっと、こんなにすごい作家がいるぞ! と叫びたかった。どうして論じられないのか、いつも不満と怒りを抱いてきたが、ようやく、KAKEI GOROの世紀が始まろうとしている。ささやかなオマージュの花束を捧げることができて、こんなにしあわせなことはない。

追記

5/23~28 ギャルリーワッツ(東京・青山)にて掛井五郎展&この本のおひろめ会
https://www.wa2.jp

上記内容は本書刊行時のものです。