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躓図鑑 子どもたちの”困った!”を”できる!”に変える106の方法 秋元 雅仁 (編集) - 薫化舎出版会
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躓図鑑 子どもたちの”困った!”を”できる!”に変える106の方法 (ツマズカン コドモタチノコマッタヲデキルニカエルヒャクロクノホウホウ)

教育
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A5変形判
縦210mm 横150mm 厚さ16mm
264ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-911030-00-4   COPY
ISBN 13
9784911030004   COPY
ISBN 10h
4-911030-00-3   COPY
ISBN 10
4911030003   COPY
出版者記号
911030   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年1月13日
最終更新日
2023年1月13日
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紹介

漢字が覚えられない、板書ができない、九九はできても文章題はわからない、注意集中力が弱い、 忘れ物が多い、朝起きられない、何でも他人のせいにする、嘘をつく、暴力的な言動を取るーー。
子どもたちが見せるさまざまな”つまずき”を、
認知・遂行・身体・心理等脳機能的観点から分析して原因を見極める方法と、
その分析結果をもとに”つまずき”を解消させる効果的な指導法や支援法を
学校生活編、教科学習編、オンライン編とケース別に106通り紹介!
  
授業が成立しない? 学級崩壊? 
子育てが困難過ぎる? 
何をやっても効果がなく厳しく指導するか放置するのみ? 
この一冊で問題解決の糸口は必ず見つかります。

目次

はじめに 
この本の使い方 
機能別用語解説 
Chapter1 学校生活編 
case1 正しい姿勢を長時間保持しておくことが難しく、背もたれにもたれたり前屈したりする 
case 2 お漏らしをしても、周りの子に言われるまでそのままにしている 
case 3 朝なかなか起きることができず、一限目はだらっとしていることが多い 
case 4 階段を後ろ向きに降りることができず、階段掃除ができない 
case 5 集団歩行の際、他の児童から遅れてしまうことが多く、負いつこうともしない 
case 6 手を間に伸ばしてクルクル回るような常同行動が見られる 
case 7 集会活動や体育などの際、どこに並んでよいのかわからない 
case 8 全体への指示で行動することが難しく、個別に声を掛けないと行動できない 
case 9 口頭指示を理解することが難しく、課題に取り掛かるまでに時間がかかる 
case 10 母子分離不安が強く、母親無しでは登校することができず、授業中も離れられない 

Chapter2 教科学習編 
case 51 一文字ずつ読むことができるが、単語としてのまとまりとして捉えることが難しい。 
case 55 文字の形を的確にとらえることができず、ひらがなを整えて書くことが難しい 
case 56 漢字を正しく適切に書くことが難しい 
case 57 文字の大きさを調整することが難しく、マス目からはみ出してしまう 
case 58 漢字を正しい書き順に従って書くことが難しく、訂正する意欲も乏しい 
case 59 筆算を用いて計算する際、上下の数字の桁を合わせて書くことが難しい 
case 60 自分の考えや気持ちを文章で表現することが難しい 
case 61 黒板の文字を写すことが苦手 
case 64 登場人物の心情や行動の意味を推測することが難しい 
case 65 文章問題を読んで、問題の意図している意味を理解できないことが多い 
case 66 複数の課題が提示されると、片方のみ回答し、もう一方を忘れてしまうことがある 
case 67 計算はできるのだが、文章問題になると途端に問われている内容が読み取れなくなる 
case 68 文章問題の際、「合わせて」や「違いは」などの言葉をヒントにして立式することが難しい 
case 70 物の数を数えることはできるが、数の大小や物と量を対応させることが難しい 
case 71 繰り上がりや繰り下がりのない簡単なたし算やひき算でも、指を使って数える 

Chapter3 オンライン指導編 
case 1 聞き取りが苦手なため、オンライン授業の内容が理解できない。 
case 2 画面に映っているたくさんの顔が気になって、次第に落ち着かなくなる。 
case 3 タブレットやパソコンの前に、長時間じっと座っていられない。 

機能別索引 
参考引用文献 

前書きなど

はじめに

 もともと特別支援学校の教員として、私は地域の幼稚園や小中学校に出向いて行き、主として発達障害のある幼児・児童・生徒への支援や指導に関する相談業務に携わっていました。

 大学で教えるようになってからも、発達障害関係の相談業務に携わっている方々とお話をする機会が少なからずあります。

 ある方が、このような話をされていました。

「学校を回っていると、さまざまな様相を示す子どもたちと出会いますし、先生方のさまざまな指導とも出あいます。『あっ、それだめ』と思うような指導もなかにはありますが、多くの先生方はとても優しいので、頭ごなしに叱るようなことはされません。ただ、どうして読み間違うのか、どうしてわからないのか、どうしてそんな行動をとるのか、というようなエビデンスに基づいた指導がなされているかというと、『うーん』と首をかしげてしまうことがよくあります」

 なるほど、その方がおっしゃるように、教科学習面であれ生活行動面であれ、うまくいかないときには必ず何らかの原因があるはずです。かつては、やる気がないとか努力が足りないというような言葉をよく耳にしたものですが、仮にそうであったとしても、やる気がないならないなりの原因があるはずですし、努力が足りないなら足りないなりの原因があるはずなのです。可視化されているマイナスの現象面に振り回されるのではなく、表面上からは分かりづらい背景や原因に根差した指導や支援でないと効果はないということを、その方は言いたかったのだろうと思います。

 私たち発達障害教育研究室では、子どものうまくいかない状態を「つまずき」という言葉に置き換えました。そして、可視化されている「つまずき」は氷山の一角に過ぎないと捉え、水面下に隠れている「つまずき」の根っこの部分を掘り下げて考える学習を進めてきました。

 子どもたちが示す「つまずき」の事例は、学校の先生方や放課後児童クラブの指導員の方々を対象としたアンケート調査をもとに抽出しました。さらに、ほかの地域の先生方に一般的に起こりうる「つまずき」かどうかを5件法で回答いただきました。

 そのなかから「よくある」と回答いただいた100事例(教科学習面50事例、生活行動面50事例)について分析を行いました。方法は以下の通りです。

 まず、抽出した「つまずき」の事例を、想像力を働かせて、実際に子どもたちが示すであろう物語に書き換えます。そして、物語上の可視化された「つまずき」を抽出します。

 次に、水面下に隠れている「つまずき」、つまり可視化されている「つまずき」の原因について、文献を参照しながら考えていきました。例えば「一文字一文字は読めても単語として捉えられない」というような「つまずき」には、水面下に「音韻認識が弱く、言葉の塊としての単語が捉えにくいのではないか」とか「語彙力が弱いのではないか」というように、多角的に分析していったのです。

 そのうえで、弱さを補う「支援」を行うのか、弱さを高める「指導」を行うのかという支援や指導のポイントを定め、それぞれに応じた具体的な工夫について考えていく作業を繰り返してきました。

 本書では、100の「つまずき」事例に対して、大学生たちが考案した支援や指導の工夫を図鑑形式にしました。2020年以降は、コロナ禍のなかでオンライン授業を取り入れた学校も少なくないでしょう。教科によっては効果が示される場合もあると思いますが、一方で、かえって授業がわからなくなってしまったり、課題が多すぎてついていけなくなってしまったりというような子どもたちの存在についても見聞きしました。そこで、100事例に加え、オンライン授業での「つまずき」についても少し紹介させていただくことにしました。

 つまずきの原因を知ることで指導上失敗しない本、「躓図鑑(つまずかん)」を是非、手に取ってみてください。
 少しでもお役に立てれば幸いです。

          皇學館大学教育学部特別支援教育コース 准教授 秋元 雅仁

版元から一言

 (株)薫化舎は、学力不振、読み書き困難、対人不安、不登校、引きこもり、ゲーム等依存から家庭内暴力や非行まで、下は小学生から上は80代まで老若男女を問わず、なんらかの理由で社会不適応を起こしている方の原因を神経生物、認知心理、医学、社会学等から多角的に吟味分析し、最適解を導いて提供しています。
 
 薫化舎出版会は、上記のようなさまざまな課題に対してエビデンスのある、適切な情報を提供すべく(株)薫化舎の出版部門として立ち上がりました。

 第1弾にお届けするのは『躓図鑑(つまずかん)』。

 近年、勉強やコミュニケーション、注意集中等の苦手さから授業に参加できなかったり友人関係がうまくいかなかったりして、 結果的に不登校、ひきこもりになる子どもたちは少なくありません。実際、少子化であるにもかかわらず、不登校になる子どもや特別支援教育を受ける子どもの人数は増える一方で、現場は対応できていないと言っても過言ではありません。

本書は、子どもたちがそういった状況に陥る背景を認知や遂行、身体、心理など脳機能的側面から分析する方法と、課題を解決する効果的な指導法や支援法を学校生活編、教科学習編、オンライン編と課題ごとに分けて106ケース、 豊富なイラストとともに紹介しています。

目の前の子どもの指導に悩む先生方はもちろんのこと、 保育園や幼稚園、あるいはご家庭でも使える濃密な一冊です! 

著者プロフィール

秋元 雅仁   (アキモト マサヒト)  (編集

皇學館大学教育学部特別支援教育コース准教授。
広島大学大学院博士課程後期課程修了 博士(教育学)
兵庫県公立小学校・特別支援学校で33年間教鞭をとった後現職。
専門は発達障害教育学、インクルーシブ教育学。特別支援教育士SV。公認心理師。

上記内容は本書刊行時のものです。