書店員向け情報 HELP
マルクス価値論を編みなおす
- 初版年月日
- 2024年2月1日
- 書店発売日
- 2024年2月1日
- 登録日
- 2024年1月17日
- 最終更新日
- 2024年1月19日
紹介
貨幣にはなぜ価値があるのか?
現代の金融システムと市場経済の深奥に伏在する 「貨幣の謎」の解明に、マルクス経済学の気鋭が挑む。
「金貨幣を前提にせずとも、商品価値に基づく貨幣は説明できる。そして、市場には、労働生産物だけでなく、資産的な商品を取り込む力が備わっている。この二つの主張を裏づけるために、本書は「商品の価値は労働で形成され、貨幣は金だ」という通説的なマルクス価値論と全く異なる内容になってしまった。マルクスの価値論は編みなおさなければならなかった。」(著者)
目次
はしがき
第一部 商品と価値
第一章 商品の同種性
一 『資本論』の使用価値論
二 スラッファの商品貸借論をめぐって
三 債務を介した同種性の形成
四 商品の同種性と価値の規制力
第二章 「流通過程の不確定性」と市場理論
一 「流通過程の不確定性」の発見
二 「流通過程の不確定性」の展開
三 「流通過程の不確定性」と価値概念
第二部 貨幣と価値形態
第三章 価値の量的表現論
一 価値形態論の問題設定
二 質量二分法の隘路
三 価値の量的表現の構造
第四章 価値の知覚の比較学
一 権力の表現と価値表現
二 重さの表現と価値表現
三 選好の表現と価値表現
第五章 価値形態論における計算貨幣
一 マルクスの計算貨幣論評
二 価値形態の複線的拡大
三 価値形態の統一と計算貨幣
第三部 資本と価値増殖
第六章 資本概念の現在
一 市場における資本
二 「利子生み資本」の概念
三 資本と姿態変換
四 資本と費用化
第七章 銀行業と資本
一 分化・発生論の問題点
二 「銀行資本」と「架空資本」
三 銀行業資本の運動
四 銀行業の理論的位相
第八章 価値増殖と貨幣の変容論
一 『資本論』の信用貨幣論
二 価値形態論の内と外
三 商品から価値増殖へ
四 貨幣なき債務仲介
五 価値増殖から信用貨幣へ
六 変容論的流通論
七 貨幣の変容論と歴史的発展
総括と展望:あとがきにかえて
参考文献
本書における『資本論』主要検討箇所一覧
索引
上記内容は本書刊行時のものです。