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九十五歳 みどりさんの綴り方 わたしを育てた岡谷のひとびと 片倉みどり(著) - ナナルイ
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九十五歳 みどりさんの綴り方 わたしを育てた岡谷のひとびと (キュウジュウゴサイミドリサンノツヅリカタ ワタシヲソダテタオカヤノヒトビト)

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発行:ナナルイ
四六判
192ページ
並製
価格 1,700円+税
ISBN
978-4-910947-05-1   COPY
ISBN 13
9784910947051   COPY
ISBN 10h
4-910947-05-1   COPY
ISBN 10
4910947051   COPY
出版者記号
910947   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2024年6月8日
最終更新日
2024年8月26日
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紹介

『九十五歳 みどりさんの綴り方』は、コロナ禍で会えない息子に宛てた手紙から始まる。大学で農村の生活改善についての研究を続ける息子は、母親であるみどりさんに手紙である問いかけをする。「たずさわった仕事の経験と暮らしの中で身につけた技の数々を思い出して手紙に書きとめて欲しい」と。最初は息子の問いかけに答える内容だったが、すぐに自分の書きたいこと書いて送るようになるみどりさん。その内容は戦中戦後を生きた昭和史でもあり生活史とも読めるものだった。

みどりさんの人生は、昭和、平成、令和という時代の変遷と共に、信州での生活史を織りなしている。3歳で母と死別後、祖母に引き取られ養蚕業を手伝いつつ成長していく。女学校へ進学したが、戦時中の学徒動員により工場労働に従事し、戦後は様々な職を経験しました。

人生を大きく変えたのは、夫である万吉との出会いです。ソ連での4年に及ぶ捕虜生活から帰国した万吉は、国鉄が進める強引なトンネル建設計画に反対し、その運動をみどりさんが支えました。万吉は後に市議会議員としても地域に貢献しました。また、万吉が爆破未遂事件で冤罪の疑いをかけられた苦労も詳述されています。

表紙・口絵の写真は2024年木村伊兵衛賞ノミネートの金川晋吾。

目次

母から届いた手紙

 息子への手紙
 母のこと
 祖母のこと
 祖母との暮らし
 鰻の蒲焼き
 父のこと
 地主制度の終わり
 戦時中の東京見物
 川岸村の思い出
 叔母のこと、叔父、兄、姉
 小学生の頃
 女学校で学徒動員
 卒業後の「放浪」期間
 嫁ぎ先での暮らし
 水を汲むつるべの音
 家の仕事
 初産
 子どもたちのこと
 万吉のこと・夫
 出会い
 夜の映画館
 私は出ていきます
 岡谷署爆破未遂事件
 トンネル問題①
 トンネル問題②
 トンネル問題③
 四年の捕虜生活

片倉万吉の生涯

短歌

病床日記
 手術前
 手術後
 迷走神経と私
 外泊
 退院
 春の訪れ

そして母のこと、最後の手紙ふたたび祖母のこと

あとがきにかえて コロナ禍での母との文通

前書きなど

母の早逝、嫁ぎ先での暮らし、
養蚕、夫の冤罪、諏塩トンネル問題、入院生活、短歌…

戦中戦後を信州の農村で生きたみどりさんの、
どこにでもあるけど誰ともちがう自分の話
撮影・帯文 金川晋吾
 
◉ 母から届いた手紙
 新型コロナ対策の移動自粛により父の一周忌に郷里の岡谷に帰ることができませんでした。母は耳が遠く、電話では思うように会話が成り立ちません。一年以上、母と直接会うことはなかったのですが、そのかわり最初は安否確認も兼ねて、手紙で母とやり取りを始めました。母が歌を詠むことは知っていましたが、エッセイのような文も書ける人だとは思ってはいませんでした。母から矢継ぎ早に多くの手紙を受け取りました。半年ほどして、もう書くことがないと言って、母からの手紙は途絶えました。(息子・片倉和人によるまえがきから)

版元から一言

はじめは、息子の片倉和人さんから「95歳の母の手紙を本にしたい」という依頼でした。原稿(手紙)を託されて、読み始めると止まらない。早逝した母親の話、祖母との養蚕の暮らし、戦争中の学徒動員、夫との出会い、夫の冤罪事件、などなど、驚くような内容でした。

書店に行けば、おばあちゃんの暮らしの知恵や人生訓の本は山ほどあります。でもこのみどりさんのような「綴り方」の本は珍しいと思います。いま流行りの生活史としても読めますし、戦後の共産党をめぐる歴史の一断面をこの岡谷という場所から眺めることもできます。そういう希少な本です。

高齢者や岡谷の人々だけでなく、幅広い世代に読んでもらいたい本です。

著者プロフィール

片倉みどり  (カタクラ ミドリ)  (

片倉みどり(かたくら・みどり)

1929年長野県諏訪郡川岸村(現岡谷市)生まれ。幼少期、母を亡くし祖母に育てられる。諏訪市立高等女学校卒業。戦時中は学徒動員で工場労働に従事。戦後、さまざまな仕事を経験し、片倉万吉と結婚。夫の冤罪事件などの困難を共に乗り越える。

上記内容は本書刊行時のものです。