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ビジュアル博物館学Curation 水嶋 英治(編著者) - 人言洞
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ビジュアル博物館学Curation (ビジュアル ハクブツカンガク キュレーション)

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発行:人言洞
B5判
縦257mm 横182mm 厚さ10mm
重さ 350g
168ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-910917-09-2   COPY
ISBN 13
9784910917092   COPY
ISBN 10h
4-910917-09-8   COPY
ISBN 10
4910917098   COPY
出版者記号
910917   COPY
Cコード
C3337  
3:専門 3:全集・双書 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年4月15日
書店発売日
登録日
2023年11月7日
最終更新日
2025年4月14日
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紹介

 『ビジュアル博物館学Curation』は,博物館の学芸員や関連する仕事をめざす人たちのための入門者向けテキストであるミュージアムABCシリーズ〈全3巻〉の最終巻です。
 本書は、博物館学全体を俯瞰する基礎編である『ビジュアル博物館学Basic』と美術館を中心とした美術系に特化して領域ごとにわかりやすく解説した『ビジュアル博物館学Art』と連携して、科学系博物館(自然史系と理工系に分類)におけるキュレーションを視座に据えて論じています。
 学芸員をめざす学生の素朴な疑問から始まり、今後の博物館の発展を担う現職の学芸員の学び直しやリスキリングにも活用できるよう、その存在意義や資料論・教育論・コレクション論・展示論・経営論・調査研究論・資料保存論・情報メディア論・博物館史の各論を,最新情報と豊富な写真・資料と実践例を提示しながら解説しています(巻末資料:デジタル関連の3つの条文)。

目次

 博物館の素朴な18の疑問
序章 自然史系博物館と理工系博物館とは―キュレーションとは何か
 1 自然史系・理工系の博物館の役割
 2 キュレーションとは何か
第1章 よりよい博物館のあり方とは
 1 博物館のイメージ
 2 「博物館行き」が魅力的
 3 博物館学とは―博物館論理学と博物館実践学
 4 科学系博物館における博物館学とは
 5 博物館学の対象範囲
第2章 資料論
 1 自然史系・理工系博物館が取り扱う資料
 2 標本とは何か
 3 標本管理の重要性
 4 標本の保存と課題
第3章 教育論
 1 博物館の教育的役割
 2 教育活動の事例紹介
 3 アウトリーチキットで学校の学びとつながる
第4章 コレクション論
 1 科学史・産業技術史コレクションの役割
 2 理工系博物館の種類
第5章 展示論
 1 自然史系の企画展示―企画・設計・運営までのつくり方・キュレーション
 2 理工系の展示企画―実験型・体験型展示とキュレーション
特論1 理工系博物館の学芸員の仕事
 1 「ミス・ビードル号」の復元模型製作のプロジェクト
 2 特別展「映像技術で魅せる科学技術」のプロデュース
第6章 経営論
 1 非営利組織の経営
 2 使命・目標・計画
 3 博物館のヒト,モノ,カネ
 4 博物館を支える組織とヒト
 5 博物館の役割を再確認するための職業倫理規程
第7章 調査研究論
 1 博物館における調査研究の意義
 2 自然史系博物館における調査研究―基盤的な調査研究と領域総合的な調査研究
 3 理工系博物館における調査研究
 4 外部資金による調査研究活動
 5 外部の研究者・市民との連携
 6 調査研究の公表・発表
 7 調査研究と社会とのコミュニケーション
特論2 「博物館学を学ぶために」おススメ本10選
第8章 資料保存論
 1 標本学
 2 自然史資料の保存と展示
 3 自然史資料の収蔵環境
第9章 情報メディア論
 1 情報提供の方法
 2 オープンサイエンス
第10章 博物館史
 1 世界の科学技術博物館の歴史
 2 日本の自然科学系博物館の発展史
第11章 建築論
 1 建築遺産の展示価値
 2 建築遺産と博物館
 3 歴史的建築物の価値
 4 博物館化の定義
 5 博物館学と文化遺産学
第12章 1館まるごと事例研究
 1 国立科学博物館
 2 ミュージアムパーク茨城県自然博物館
第13章 博物館実習
 1 理工系博物館での実習内容
 2 ある実習生の実習日誌
特論3 理工系・自然史系の博物館員をめざす人へ
 1 理工系博物館で働くための勉強法
 2 「命」をどのように捉えて学芸員は提示・表現するか

 デジタル遺産の保護に関する憲章
 デジタルアーカイブ憲章
 デジタル形式を含む記録遺産の保護及びアクセスに関する勧告

前書きなど

まえがき
 この本を手にとってくれた読者のみなさん,ビジュアル博物館学へようこそ!
 おそらく皆さんのなかには学芸員課程を履修し,将来,学芸員として博物館・美術館に勤務しようと考えている大学生が多いかもしれません。
 このミュージアムABCシリーズのA巻はArtの美術系,B巻は基本のBasicです。そして,本書C巻は博物館業務の基本的考え方のCuration(キュレーション)を中心にまとめました。
 人々の知恵と知識の総力を結集し,気の遠くなるような作業を積み重ねながら,社会的な機関として創り出してきたのが,これから皆さんが学ぼうとしている「博物館」です。博物館を学問として研究しようという動きも半世紀から一世紀くらいの歴史しかありませんが,当時は現在のような体系も教科書もなく,教材も限られているなかで,先人たちが試行錯誤しながら体系化を図って学問体系をつくり上げてきました。これこそ,人類の知恵と情熱の結晶です。
 伝えて伝わるものが知識,体のなかから湧いてくるものが知恵だとすれば,知恵は日常の生活や仕事上の経験を通じて身につく「技」という形で現れます。いっぽう,知識は,この教科書に記されているように,伝達することは可能ですが,本当に自分のものにしようとするならば,実習をきちんとこなし,先人から教えを乞い,先輩にどんどん質問し,1つひとつ確認していかなければ知識は身につきません。
 博物館学は博物館実務を通して学ぶことが可能です。逆にいえば,実学は教科書の知識だけでは不十分ですので,そこに経験や知恵が加わることで,初めて本物の技が生まれます。今こそ必要なのは,学んでいこうとする意志であり,職業人としての倫理観です。意欲のある人はA巻もB巻も読破して,たくさんの知識を習得してください。1つの知識にこだわらず,多くの情報を横並びにしながら比較して,自分なりに1つひとつ確認していくことが大切です。
 本書で取り上げた内容やトピックもその1つとして活用していただければ,私たち編著者たちの望外の喜びです。

版元から一言

〈ミュージアムABCシリーズ〉は、学芸員養成課程で学ぶためのテキストとして、歴史博物館の事例を中心にした歴史系の『ビジュアル博物館学Basic』、美術館やアート関連の事例を中心にした美術系の『ビジュアル博物館学Art』、科学技術館や自然博物館の事例を中心にした自然史系・理工系の『ビジュアル博物館学Curation』の全3巻で構成されています。学芸員を目指す学生および現場で活躍する若きミュージアム関係者に向けて、博物館(ミュージアム)に関わる全ての人が身につけておくべき基礎・基本および最新の状況を気鋭の研究者や実務家が執筆した必携の叢書です。

著者プロフィール

水嶋 英治  (ミズシマ エイジ)  (編著者

長崎歴史文化博物館館長,前筑波大学教授。博士(世界遺産学)。主な編『Dictionnaire de muséologie』ICOM, ARMAND COLIN社(2022),『展示の美学』東京堂出版(2023)。訳書『博物館学・美術館学・文化遺産学基礎概念事典』東京堂出版(2022)ほか多数。

小川 義和  (オガワ ヨシカズ)  (編著者

立正大学地球環境科学部教授,埼玉県立川の博物館館長,国立科学博物館名誉館員,国立科学博物館経営計画室長,学習課長,自然教育園長などを経て現職。博士(教育学),日本ミュージアム・マネージメント学会会長,日本科学教育学会顧問,編著『発信する博物館』ジダイ社(2021),共著『Diversity, Dialogue and Collaboration in an Age of Migrations,』Edited by Viv Golding and Jen Walklate Cambridge Scholars Publishing(2019)など。

中村 隆  (ナカムラ タカシ)  (編著者

公益財団法人日本科学技術振興財団・科学技術館学芸員。展示の企画,教育プログラムの開発・実践,展示・教育手法の調査研究などに従事。博士(工学)。著書『デジタルアーカイブの資料基盤と開発技法』共著,晃洋書房(2016)など。

加藤 謙一  (カトウ ケンイチ)  (著者

金沢学院大学芸術学部准教授。修士(文学)。国立民族学博物館,長崎歴史文化博物館,金沢美術工芸大学美術工芸研究所を経て現職。専門は博物館資源の社会還元論。主な論文は「ミュージアムコレクションをめぐる保存と活用の越境的実践に関する試論~収蔵展示の展示手法と導入動機への分析を通じて」『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』27(2023)など。

鵜沢 美穂子  (ウザワ ミホコ)  (著者

ミュージアムパーク茨城県自然博物館主任学芸員。東京大学大学院修了後,2010年より現職。専門はコケ植物の形態学。著書『見る目が変わる博物館の楽しみ方:生物・鉱物・考古学を学ぶ』共著,ベレ出版(2016),『あなたの あしもと コケの森』文一総合出版(2021)など。

佐々木 淑美  (ササキ ジュニ)  (著者

九州大学人間環境学研究院学術協力研究員。博士(世界遺産学)。専門は保存科学,世界遺産学で,2010年から現在まで,調査代表としてトルコのハギア・ソフィア大聖堂保存総合調査を実施している。著書『文化財のための三次元計測』共著,千倉書房(2010)など。

西川 開  (ニシカワ カイ)  (著者

筑波大学図書館情報メディア系助教。博士(図書館情報学)。専門は知識コモンズ,科学計量学。主な著書『知識コモンズとは何か:パブリックドメインからコミュニティ・ガバナンスへ』勁草書房(2023),『ビジュアル博物館学Basic』〈ミュージアムABCシリーズ〉共著,人言洞(2022)など。

馬渕 浩一  (マブチ コウイチ)  (mabuchi koichi

元名古屋市科学館主任学芸員。名古屋大学大学院教育発達科学研究科附属生涯学習・キャリア教育研究センター研究員。名古屋工業大学大学院,立命館大学,放送大学非常勤講師。博士(工学)。専門は博物館史,技術史。著書『日本工業博物館史の研究』大空社出版(2023)

上記内容は本書刊行時のものです。