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教師のひと言の重さ 黒澤 英典(著者) - 人言洞
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教師のひと言の重さ (キョウシノヒトコトノオモサ) ―死刑囚の魂の回心 (シケイシュウノタマシイノカイシン)

教育
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発行:人言洞
四六判
縦18mm 横12mm 厚さ11mm
144ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-910917-07-8   COPY
ISBN 13
9784910917078   COPY
ISBN 10h
4-910917-07-1   COPY
ISBN 10
4910917071   COPY
出版者記号
910917   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年10月20日
書店発売日
登録日
2023年9月4日
最終更新日
2023年10月18日
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書評掲載情報

2024-02-12 日本教育新聞    2024年2月12日付
評者: 浅田和伸(長崎県立大学学長)
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紹介

 本書は、第二次世界大戦後の日本における教育を筆者自らが学び・教え・育て・創ってきた体験と知見の根幹を集成した珠玉の書である。1996年から2012年の論考をもとに改稿し編み直された7つの章を今あらためて読むことで、今日の教育界が遭遇している子どもと教師にかかわる課題が、社会的背景こそ移ろってもその要諦と真因は通底していることをひも解いていく。時代は変わっても子どもと教師の関係性は不易なものであること、教師の仕事における使命と魅力は変わらないこと、を慈愛に満ちた誠実な言葉で語りかける。

目次

第1章 教師のひと言の重さ ~死刑囚・島 秋人の魂の回心~
第2章 いま、なぜペスタロッチーか ~教育的格差・貧困・偏見に挑む~
第3章 車椅子のひとりの生徒が学校を変えた ~大野真吾君の生き方から学ぶもの~
第4章 転換期における青年の未来選択と教師教育 ~戦後50年の教師教育と全私教協15年の歩みを視座に据えて~
第5章 開放制教師教育制度の成果と課題 ~21世紀を拓き担う創造的教師を育むために~
第6章 若き教師へ ~未来を拓く希望としての教育を求めて~
第7章 閉塞的時代をリードした教育者 ~山本良吉の『若き教師へ』~

前書きなど

教師の使命は、一人ひとりの子どもの命によりそい
 子どもたちと共に平和な未来社会を創造する仕事です。

[まえがき]
 この本は、教師として教育実践者・研究者としてお話ししてきたもののなかから、とくに教師の仕事について述べたものや講演録などに加筆したものです。
 第1章の「教師のひと言の重さ ~死刑囚の魂の回心~」は、私が若い日に知り、その後の私の教育実践のなかで常に大切にしてきたものです。この内容は、2012年第59
回埼玉県更生保護大会でお話ししたものです。
 第2章「いま、なぜペスタロッチーか ~教育的格差・貧困・偏見に挑む~」は、2008年武蔵大学最終講義で述べたもので、そのもとは鎌倉円覚寺第61回夏期講座に加筆したものです。
 第3章「車椅子のひとりの生徒が学校を変えた ~大野真吾君の生き方から学ぶもの~」は、私が講演で出会った筋ジストロフィーの小学生の成長のプロセスを通して彼の生き方が仲間を変え、学校を変え、地域の人々を変えた姿を述べたものです。
 第4章は「転換期における青年の未来選択と教師教育 ~戦後50年の教師教育と全私教協15年の歩みを視座に据えて~』は、1996年度の全私教協(全国私立大学教職課程研究連絡協議会)の第15回大会での基調提案に加筆したものです。この提案からおよそ30
年後の現在の教師教育へつながっている課題として、次の3点をあげたい。
 ① 教育制度改革の失敗は、大量退職による年齢層の偏りが学校教育の現場に混乱を引き起こしている。
 ② 教師の働き方やICT化など新たな教師教育の課題のために、青年の教職への希望が喪失している。
 ③ 時代思潮が変わっても、教育は国家100年の大計であり、教師教育は不易であり、永遠の課題である。
 第5章「開放制教師教育制度の成果と課題 ~21世紀を拓き担う創造的教師を育むために~」は、2006年度の全私教協第26回研究大会「シンポジウム・中教審中間報告を問う』での提案に加筆したものです。
 第6章「若き教師へ ~未来を拓く希望としての教育を求めて~」は、2008年9月武蔵大学白雉教育会の研究会での講演に加筆したものです。白雉教育会とは、全国各地で教師として活躍している武蔵大学卒業生がつくる研究会で、会員は現在300名ほどです。
 第7章「閉塞的時代をリードした教育者 ~山本良吉の『若き教師へ』~」は、2008年6月武蔵大学人文学会研究会で報告したものに加筆したものです。
 大村はまさんも「教師の仕事の成果は、ほんとうに、人を育てたものは、なかなか見えにくいものです。自分で見ることのできることは、ほとんどないでしょうし、本人の気がつくことは、いっそうないでしょう。ほんものであればあるほど、ほんとうにその人のものになっていて、気づかれないでしょう。教師の仕事はそういうものでしょう。」(『日本の教師に伝えたいこと』筑摩書房、2008年、212頁)と述べているように、教師の営みは無償の行為です。
 2023年8月 猛暑の日々のなかで  黒澤 英典

版元から一言

 学校教師がブラック企業で働くビジネスマンに譬えられ教職志願者が減少する昨今の風潮を深く憂う筆者が、教師を目指す若き人たちに向けて上梓する魂の書です。
 戦後の教師教育の変遷と改革を目の当たりにしてきた筆者だからこそ、子どもたちの内面に秘められた無限の可能性を信じて真っすぐに向き合うことが、時代を超えた不易流行の「教師の使命」であると語りかけています。

著者プロフィール

黒澤 英典  (クロサワ ヒデフミ)  (著者

武蔵大学名誉教授(教育学・教育史・教師教育)・武蔵大学白雉教育会名誉顧問
◇略歴
1937年 埼玉県秩父郡小鹿野町(旧両神村)生まれ。
1945年 両神村国民学校2 年で終戦を迎える。同年8月27日前田多門文相の放送「少国民へ告ぐ」を聴く。
1960年 埼玉大学教育学部卒業,埼玉県立浦和高等学校定時制蕨分校に勤務しながら,東京教育大学で教育哲学・教育史を学び,その後青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程入学・博士課程単位修得後退学,青山学院高等部教論を経て,1975年流通経済大学に着任。
1985年 武蔵大学入文学部教授(学部長)。この間,放送大学埼玉学習センター・東洋大学・中央大学・聖心女子大学・拓殖大学・茨城大学・武蔵野女子大学・東京外国語大学・高千穂商科大学・青山学院大学,北京大学高等教育科学研究所客員研究員・北京大学大学院日本文化研究センター等で主として教育学・教育史などを教える。
◇主な著作
『ペスタロッチーに還れ―教育的格差・貧困・偏見に挑む』学文社,2018年/『戦後教育の源流』学文社,1995年/『私立大学の教師教育の課題と展望―21世紀の教師教育の創造的発展をめざして』学文社,2006年/日本教師教育学会編〈日本教師教育学会創立10周年記念刊行【講座教師教育学】共編〉『第1巻 教師とは』『第2巻 教師をめざす』『第3巻 教師として生きる』学文社,2002年

上記内容は本書刊行時のものです。