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ナレッジワーカーの知識交換ネットワーク 村上 由紀子(著) - 飛翔舎
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ナレッジワーカーの知識交換ネットワーク (ナレッジワーカー ノ チシキコウカンネットワーク)

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発行:飛翔舎
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ15mm
重さ 302g
220ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-910879-10-9   COPY
ISBN 13
9784910879109   COPY
ISBN 10h
4-910879-10-2   COPY
ISBN 10
4910879102   COPY
出版者記号
910879   COPY
Cコード
C3033  
3:専門 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年11月30日
書店発売日
登録日
2023年10月4日
最終更新日
2024年10月22日
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紹介

知識経済の担い手であるナレッジワーカー。彼らの知識獲得にパーソナル
ネットワークはいかに利用されているのか?
高度な専門知識をもつ研究者と医師の知識交換ネットワークに関する日本発
の精緻な実証分析を収録。

ナレッジワーカーは、学校教育を終えたあともたゆまず学習し知識を向上させている。
・知識獲得や伝達のためにパーソナルネットワークはどの程度使われているのか
・誰が知識交換のためにパーソナルネットワークを主に利用するのか
・パーソナルネットワークはどのような経緯と範囲で形成されるのか
・パーソナルネットワークを通じてどのような知識が交換されるのか
・なぜパーソナルネットワークを通じて知識交換が行われるのか
・研究者と医師のネットワークはどのように異なるのか

知識交換のパーソナルネットワークに関するこれらの問いについて、
個人要因、組織・制度要因、政策要因を論じる。

目次

目次

はじめに ........................................................... 3

第1 章 ナレッジワーカーの知識交換 ................................. 9
1. 1. ナレッジワーカー 9
1. 2. プロフェッショナル 11
1. 3. 学習と実践コミュニティ 14
1. 4. 社会的交換 15
1. 5. 知識の創造とネットワークの利用 17
1. 6. 本書の課題 19
1. 7. 本書で利用するデータ 22
1. 8. 本書の構成 24

第2 章 研究者と医師の仕事とパーソナルネットワーク ................ 28
2. 1. 研究者という職業 28
2. 2. 医師という職業 31
2. 3. 知識の獲得におけるパーソナルネットワークの利用 34
2. 4. パーソナルネットワークの範囲 39
2. 5. パーソナルネットワークにより交換される知識 42
2. 6. パーソナルネットワーク形成の経緯 44
2. 7. パーソナルネットワークを通じた知識交換の動機 47
2. 8. 研究者と医師のパーソナルネットワークの違い 49

第3 章 研究者のパーソナルネットワークによる知識の獲得 ─ パーソナルネ
ットワークと利用者の特徴 ........................ 53
3. 1. はじめに 53
3. 2. 先行研究 55
3. 2. 1. 個人の知識獲得のチャネルに関する実証研究 55
3. 2. 2. パーソナルネットワークとウエブの違い 56
3. 2. 3. 研究者の能力やキャリアとネットワークの利用との関係 58
3. 3. 仮説 60
3. 4. データと分析モデル 62
3. 5. 分析結果 66
3. 6. ディスカッションと結論 70

第4 章 研究者のパーソナルネットワークの範囲とタイの強さ........... 75
4. 1. はじめに 75
4. 2. 先行研究 77
4. 2. 1. タイの強さ 77
4. 2. 2. 交換される知識の性質と地理的距離の関係 79
4. 2. 3. 多様な距離概念と知識のスピルオーバー 81
4. 3. 分析のフレームワークと仮説 82
4. 4. 分析モデル 86
4. 5. 分析結果 89
4. 6. ディスカッションと結論 97

第5 章 研究者の国際移動のパーソナルネットワークへの影響.......... 101
5. 1. はじめに 101
5. 2. 先行研究 104
5. 3. 仮説 108
5. 4. 分析モデル 111
5. 5. 分析結果 116
5. 6. ディスカッションと結論 120

第6 章 パーソナルネットワーク形成の契機がタイの強さに与える影響 ─ 研
究者の産学間ネットワークのケース .......... 125
6. 1. はじめに 125
6. 2. 先行研究 127
6. 2. 1. アカデミックエンゲージメント 127
6. 2. 2. アクター間の関係の構築 129
6. 3. 仮説 132
6. 4. 分析モデル 133
6. 5. 分析結果 137
6. 6. ディスカッションと結論 142

第7 章 医師のパーソナルネットワークとパフォーマンス ............. 145
7. 1. はじめに 145
7. 2. パーソナルネットワークの範囲と形成の契機 148
7. 3. パーソナルネットワークとパフォーマンスの関係 151
7. 4. 年齢によるパーソナルネットワークの違い 158
7. 5. ディスカッション 164

第8 章 ナレッジワーカーのパーソナルネットワークによる知識交換 .... 169
8. 1. 本書で見出されたこと 169
8. 1. 1. 他の知識獲得チャネルと比較したパーソナルネットワークの利用
170
8. 1. 2. パーソナルネットワークを利用する動機 174
8. 1. 3. パーソナルネットワークの範囲とタイの強さ 180
8. 1. 4. パーソナルネットワークの形成と利用の環境 185
8. 2. パーソナルネットワークによる知識交換に影響を与える要因 188
8. 2. 1. 個人要因 189
8. 2. 2. 組織・制度要因 191
8. 2. 3. 政策要因 194
8. 3. 専門職の増加と知識交換のためのパーソナルネットワーク研究の重要
性 195

参考文献 ......................................................... 201

前書きなど

はじめに
サラリーマンはよく勉強している。ビジネスに活用できるノウハウを求め
てビジネス書を読んだり、資格の取得や検定試験の合格を目指して通信講座
を受講したりと、勤務時間外に仕事のために学習している。大学を卒業して
から定年まで40 年以上の時代に、「勉強は学生時代で終わり」とはいかない
であろう。
 高度な知識や技術に基盤をおく経済社会において、仕事をする上で求めら
れる知識や技術は高度で、かつハイスピードで変化する。それに対応するた
めに学習は欠かせない。日本企業は、かつては、OJT やOff-JT などで社員教
育や能力開発に力を入れていると評判であったが、近年は、育成する余裕が
なくなったり、転職の活発化により自社で育成するよりも即戦力を採用する
方針とったりする企業が増え、企業に頼れない人は多い。
 特に、専門的職業に就いている人たちは、仕事を遂行するために自分で学
ばなければならないことは多いであろう。その際に、人に聞く、教えてもら
うというのは重要な手段ではないだろうか。
本を読んで勉強する場合でも、わからないところは誰かに聞いたり、仕事
で問題に直面した時には、経験者に相談したりしているのではないだろうか。
教えてくれる人は同じ職場の人に限らない。また、いつも教えてもらうばか
りではなく、時にはお返しに教えてあげることもある。
 このようなソーシャルネットワークを通じた知識交換は重要な学習の手段
だと思われるが、それが知識獲得のためにどの程度使われているのか、どの
ような範囲で広がっているのかなど、ほとんど知られていない。
 本書は知識交換ネットワークに焦点を当てている。中でも研究者(科学者)
と医師を対象にしているのは、彼らがとりわけ高度な知識を必要とし、複雑
なネットワークの構造をもっていると予想されたからである。彼らがソーシ
ャルネットワークを通じて知識を獲得していく様子を分析することは、知識
が社会に、時には国境を越えて、いかに普及していくかに光を当てることで
もある。

 本書では、知識交換ネットワークの形成・利用に影響を与える個人
要因、組織・制度要因、政策要因を導いたが、それらの要因は研究者と医師
に限らず、ナレッジワーカーの知識交換に多かれ少なかれ影響を与える要因
であろう。本書が知識経済の時代におけるナレッジワーカーの学習と育成に、
 また、知識の普及の解明に、少しでも貢献できれば幸いである。
本書のもとになった研究は、平成28 年度から31 年度まで日本学術振興会
の科学研究費助成事業により資金提供を受けた(研究課題名:専門職の情
報・知識の交換・普及に関する研究, 研究課題番号:16K03714)。また、医師
の仕事については、私の乏しい知識を補うために、ヒアリング調査で多くの
医師から貴重な教えをいただいた。アンケート調査では1000 人以上の研究者
と400 人以上の医師がご協力くださり、また、学会での討論者や学術誌のレ
フェリーからは多くの有益なコメントをいただいた。これらの一人一人に心
から御礼を申し上げたい。

 本書のテーマについては、研究資金の申請から、データの収集・分析を経
て、集大成として本書をまとめるに至るまで、すべて一人で行ったため思い
のほか時間を要した。また、今後の課題も多く残されている。それだけ一層、
本書が知識経済の時代におけるナレッジワーカーの学習や知識の普及に関し
て、今後の研究の足掛かりになれば幸いである。
2023 年 秋
村上由紀子

版元から一言

知識経済の担い手であるナレッジワーカー。彼らの知識獲得にパーソナルネットワークはいかに利用されているのか?
高度な専門知識をもつ研究者と医師の知識交換ネットワークに関する日本発の精緻な実証分析を収録

著者プロフィール

村上 由紀子  (ムラカミ ユキコ)  (

著者紹介村上由紀子
早稲田大学政治経済学術院教授。博士(経済学)。
大阪外国語大学(現、大阪大学外国語学部)専任講師、
カリフォルニア大学バークレイ校、オックスフォード大学、
マサチューセッツ工科大学、マックスプランク研究所、
アーヘン工科大学で客員研究員を務める。

主な単書
『人材の国際移動とイノベーション』(NTT出版株式会社、2015年)
『頭脳はどこに向かうのか』(日本経済新聞社、2010年)
『技術者の転職と労働市場』(白桃書房、2003年)

上記内容は本書刊行時のものです。