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プロフェッショナル職員への道しるべ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年5月11日
- 書店発売日
- 2023年5月11日
- 登録日
- 2023年3月15日
- 最終更新日
- 2024年3月12日
紹介
これからの大学運営を担う事務職員への道しるべ
世の中が殺伐としてきていて、しかもこの傾向は日本に限らず世界でも共通のようで、分断と格差の顕在化が進行しています。こうなった原因の一つは大学にあるのではないか、大学職員として、今後、何をどのようにしていけば良いのか、仕事をしていく上でのヒントやTipsを、SD・事務組織・教職協働を例に分かりやすく説明、大学はどう進むべきか、現在・過去・未来の視点・視座で読み解いていきます。
目次
もくじ
まえがき 3
第1章 世界の捉え方の変化と大学職員 9
1. 1. 閉塞感の醸成と大学の責任 9
1. 2. 失われた30年 10
1. 3. 縦糸と横糸の視点 12
第2章 大学の様相 16
2. 1. 日本の大学は? 16
2. 2. 大学の特質と浮世離れ 16
2. 3. 大学教育の重要性 19
2. 4. 大学の始まり 23
2. 5. 学生と教師の組合(ギルド) 25
2. 6. 「大学」という言葉の変遷 27
2. 7. 国境を越えた学生の移動と十字軍 29
2. 8. 時の経過と脆弱性 30
2. 9. 大学職員とビデル 33
2. 10. 大学は中世の遺産 34
2. 11. 自ら考え学習することの大切さ 35
第3章 歴史の連続性と環境変化への対応 44
3. 1. 日本における大学の生立ち 44
3. 2. 歴史の連続性と大学 45
3. 3. 戦後の日本と
ベビーブーム・学園紛争・私学への助成 46
3. 4. 1975年頃から現在までの大学事務組織と職員 48
第4章 大学の永続性を前提とする学校法人会計基準
─私立大学が倒産しにくいわけ─ 52
4. 1. 大学設置基準の大綱化の動きと内部質保証 52
4. 2. 倒産しにくいという「以前はやった言説」 54
4. 3. 前払いで頂戴する「ありがたい学費」 54
4. 4. 学校法人会計基準 55
4. 5. 基本金とは何か 57
4. 6. 「超優良組織」としての大学 58
4. 7. 「基本金組入前当年度収支差額」をプラスに 59
4. 8. プラスにしていく方法 61
4. 9. 教育の中身の充実 63
4. 10. ぬるま湯体質からの脱出 64
第5章 総務事務の多様性
─大学運営の基盤整備の視点より─ 68
5. 1. 大学の中の「事務」の位置付け 68
5. 2. 大学における3つの事務 71
5. 3. 私立大学における組織の二重構造性 71
5. 4. 基盤整備としての大学事務組織 75
5. 5. 大学事務組織の定義 76
5. 6. 事務組織を置く法的根拠 78
5. 7. 私立大学事務組織の変遷と現状 81
5. 8. 総務事務とは何か 85
5. 9. 法務・渉外業務、文書管理と規程による管理 87
5. 9. 1. 法務業務 87
5. 9. 2. 渉外業務 88
5. 9. 3. 文書管理業務 89
5. 9. 4. 規程による管理 92
5. 10. 秘書業務、会議・催事管理 93
5. 10. 1 秘書業務 93
5. 10. 2 会議管理 94
5. 10. 3 催事管理 97
第6章 大学人事の文化と風土病からの脱出 105
6. 1. 大学職員の生い立ち 105
6. 2. 「職員の風土病」とは? 106
6. 3. 人事部門の役割 108
6. 4. 現場の管理職の役割と人事部門の関係 113
6. 5. 風土病からの脱出 114
第7章 求められる大学職員像 121
7. 1. 「求められる大学職員像」への飽くなき挑戦 121
7. 2. 大学事務局の業務の変容と対応 123
7. 3. 大学における職員と教員 125
7. 4. 「求められる大学職員像」への私見 128
第8章 『大学職員の未来展望』 138
8. 1. 新しい事務組織と21世紀の新しい職員 138
8. 2. 経営戦略をサポートする「事務組織」とは 140
8. 3. 事務(経営)情報の重要性と利用機能の充実 142
8. 4. 事務組織戦略とプロフェッショナル人材の育成 144
8. 5. 大学事務の新しい方向性とその研究
-官僚制の逆機能と「学習する組織」- 148
第9章 プロフェッショナル大学職員への
道しるべ 155
9. 1. 改革への道すじと困難さの克服 156
9. 2. プロフェッショナル大学職員と
アドミニストレーターの相違 157
9. 3. 「変わらない人類」と変えるための試み 159
9. 4. 「7つのアイデア」と「7つのヒント」とは? 161
おわりに 168
謝辞 171
前書きなど
まえがき
世の中が殺伐としてきている。しかもこの傾向は日本に限らず世界でも共通のようで、何かに突き動かされて、分断と格差の顕在化が進行しているように見える。
「何か」とは何か。COVID-19いわゆる、新型コロナウイルス感染症によって、世界は岐路に立たされているものの、その出現は表面上の現象面に過ぎず、もっと根元の部分に原因があると考えている。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、人間は長い間の習性や安全安定志向によって、どうやら生きる上で大切なことを忘れてしまう傾向が従来からあるようだ。
例えば、近現代でみれば、二度にわたる世界大戦・パンデミックと言われる感染症や、忘れた頃にやってくる大規模自然災害などが起きてしまう。
直近のパンデミックとなると、1918年に発生したスペイン風邪となるので、100年間こういう世界的非常事態になることを多くの人は経験していないことになる。経験していないということは、反対に、前例となるべきお手本も存在していない。2022年に入ってからは過去の悲惨な戦争をまるで忘れたかのような、ロシアによるウクライナへの侵略戦争に翻弄されている。
新型コロナウイルス感染症に対しては、国によって一時的な成功例もあるものの、日本での対応は、泥縄式のその場限りの対応と言わざるを得なかった。場当たり的対応で凌げるうちはよいものの、限界を超す場面の事例を見聞してきた。新型コロナウイルス感染症に対する国の対応や安全保障策について、アタフタ感を見てしまうのは私だけであろうか。
本書では、殺伐とした時代環境の中、日本の大学は、今後どう進めばよいのか、解を求めるための視座として、大学の現在・過去・未来の視点から論を進めていきたいと思う。
本書は今まで筆者が書き溜めたものに大幅に加筆修正したものであり、一つの問題提起・嚆矢として、扱ってもらえれば、望外の幸せである。
2023年 4月
著者 大工原 孝
版元から一言
大学行政管理学会会長を務めた著者が書いたこれからの大学運営を担う
事務職員への道しるべ
・教職協働実質化実現のためのプロフェッショナル人材の育成
・事務職員の風土病からの脱出方法とは
・教育の機会均等と多様性ある社会の実現へ
職員として、社会人として、道に迷ったときの道しるべとして活用できるてしょう。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。