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統計力学 基礎編
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月31日
- 書店発売日
- 2023年3月31日
- 登録日
- 2023年2月2日
- 最終更新日
- 2023年5月12日
紹介
式の導出にいっさい手を抜かないと
評判の著者が贈る理工数学シリーズ
統計力学がはじめて理解できたと好評
ミクロカノニカル集団、分配関数
カノニカル集団、グランドカノニカル集団とは
量子統計のフェルミ分布とボーズ分布も
手にとるように分かる
統計力学によって、それまで曖昧模糊として捉えどころの無かった熱力学に血が通いだす
ミクロとマクロの融合がなされ、熱力学の本質さえもが明らかになっていく
その過程を楽しんでほしい
目次
もくじ
はじめに ················································· 3
第1 章 熱力学関数 ······································· 7
1. 1. 熱力学関数 8
1. 2. 粒子が変化する系 13
1. 3. ルジャンドル変換 15
1. 4. 熱力学とルジャンドル変換 18
第2 章 ミクロカノニカル集団 ····························· 24
2. 1. 等重率の原理 25
2. 2. エントロピー 30
2. 2. 1. 2 準位系 30
2. 2. 2. 3 準位系 35
2. 3. N 準位系への拡張 39
補遺2-1 ボルツマンの原理 42
補遺2-2 スターリング近似 44
補遺2-3 状態数の求め方 46
補遺2-4 ラグランジュの未定乗数法 48
A2. 1. 極値問題 48
A2. 2. 未定乗数法 50
第3 章 理想気体 ············································· 53
3. 1. エネルギーと運動量 54
3. 2. 運動量空間 55
3. 3. 状態数 56
3. 4. 単位胞の大きさ 57
3. 5. 状態密度 59
3. 6. エネルギー状態密度 60
3. 7. N 粒子系の状態数 63
3. 8. エントロピー 66
3. 9. エントロピーの示量性 70
補遺3-1 連続関数の確率 74
補遺3-2 単位胞の計算 79
補遺3-3 ガンマ関数とベータ関数 85
A3. 1. ガンマ関数 85
A3. 2. ベータ関数 87
補遺3-4 n 次元球の体積 90
第4 章 カノニカル集団 ······································ 95
4. 1. 結合系のエントロピー 95
4. 2. 熱浴 97
4. 3. ミクロカノニカル集団との違い 100
4. 4. 分配関数 105
4. 5. 分配関数は無次元 112
4. 6. 積分形の分配関数 112
4. 7. 理想気体への応用 114
4. 8. エネルギーのゆらぎ 124
第5 章 グランドカノニカル集団 ······························ 129
5. 1. 大分配関数 129
5. 2. グランドカノニカル分布の例 135
5. 3. 大分配関数と分配関数 139
5. 4. ゆらぎ 142
5. 5. グランドポテンシャル 145
第6 章 量子統計 ············································· 149
6. 1. フェルミ粒子系の大分配関数 149
6. 2. フェルミ分布 153
6. 3. ボーズ粒子系の大分配関数 160
6. 4. ボーズ分布 165
6. 5. まとめ 168
補遺6-1 量子力学的粒子 171
A6. 1. ミクロ粒子の不可弁別性 171
A6. 2. フェルミ粒子とボーズ粒子 172
第7 章 理想フェルミ気体 ···································· 175
7. 1. フェルミエネルギー 175
7. 2. フェルミ分布関数 178
7. 3. 有限温度におけるフェルミ分布 181
7. 4. ゾンマーフェルト展開 185
7. 5. 内部エネルギー 193
第8 章 理想ボーズ気体 ······································ 197
8. 1. ボーズ分布関数 197
8. 2. ボーズ凝縮 199
8. 3. 有限温度におけるボーズ分布 202
8. 4. ボーズ凝縮と臨界温度 207
8. 5. ボーズ気体のエネルギー 210
補遺8-1 ゼータ関数とガンマ関数 215
おわりに ······················································ 217
前書きなど
はじめに
熱力学は現代科学の根幹をなす重要な学問である。ただし、熱力学が建設され
た時代には、分子や原子などのミクロ粒子の存在が明らかになってはいなかった。
それでも、熱機関が牽引する産業発展とともに、熱力学の数学的な解析も進展し
工業社会の礎となったのである。
しかし、熱力学に登場する変数(および関数)は、多数のミクロ粒子からなる
集団としての挙動に関係しているはずである。それならば、熱力学で登場するエ
ンタルピー、エントロピーなどの関数は、基本的には、多数のミクロ粒子の統計
的な解析によって理解することが可能となるはずである。このミクロとマクロの
橋渡し役を担うのが統計力学なのである。
そして、統計力学によって、それまで曖昧模糊として捉えどころの無かった熱
力学関数に血が通いだすのである。しかも、ミクロとマクロの融合がなされ、熱
力学の本質さえもが明らかになっていく。まさに、熱力学という一流の推理小説
の謎が、統計力学という探偵によって明らかになっていく、そんな感覚を与えて
くれる学問なのである。
本書を通して、多くの読者が統計力学の有用性と面白さに気づいてくれること
を期待している。
2023 年 春
著者 村上雅人、飯田和昌、小林忍
版元から一言
熱力学という一流の推理小説の謎が、統計力学という探偵によって明らかになっていくそんな感覚を与えてくれる学問が統計力学である
大学の統計力学の講義が驚くほどよくわかる
上記内容は本書刊行時のものです。