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広島 抗いの詩学 原爆文学と戦後文化運動
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年2月28日
- 書店発売日
- 2022年2月28日
- 登録日
- 2021年11月12日
- 最終更新日
- 2025年2月28日
書評掲載情報
2022-11-15 |
日本近代文学
107 評者: 村上陽子 |
2022-08-05 |
UP(UNIVERSITY PRESS)
評者: 成田龍一 |
2022-07-02 |
日本教育新聞
3549 評者: 鳥羽耕史 |
2022-06-18 |
西日本新聞
朝刊 評者: 田村元彦 |
2022-05-20 |
週刊金曜日
1377 評者: 長瀬海 |
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紹介
蓄積の進んだ1950年代研究との対話を経て、著者が約10年をかけて編んだ研究書。
本書は、一九五〇年代広島における原爆文学と戦後文化運動という二つの領域の重なりに向き合い、そこに見出される表現と運動の歴史的経験を明らかにし、今日的な意義を問う。
本書の扱う時代や地域は限定的である。だが、朝鮮戦争という「熱戦」から文字通りの冷戦へと移行し、経済原理が浸透する高度経済成長期以降に忘却された歴史的経験の一端を明らかにするだろう。
そしてそれは、ポスト冷戦の時代を生きる「私たち」をいまだ拘束する力のありようを見定める作業にほかならない。様々な分断が生み出す固定概念やイメージを乗り越える越境的な想像力を思考すること。
「広島」が真に普遍的な意味での「ヒロシマ」になる道のりはそこにこそある。(「はじめに」より)
目次
第Ⅰ部 サークル運動論
第一章 『われらの詩』における詩作品 ――その詩学ポエティックと政治学ポリティクス
第二章 『われらの詩』から『われらのうた』へ――被爆地広島のサークル詩誌の軌跡
第三章 動物たちの原爆文学――『原爆詩集』試論
第四章 四國五郎と辻詩――シベリア収容所の民主運動と被爆地広島のサークル運動
第五章 『ヂンダレ』と『琉大文学』に見る広島・長崎・ビキニ――東アジア冷戦の狭間から
第Ⅱ部 復興批判論
第六章 朝鮮戦争と民衆の自画像――山代巴「或るとむらい」論
第七章 「声」を拾い集め、編み直す――被爆者支援運動と手記集『原爆に生きて』
第八章 カタストロフィと日常の交差――田中清子の手記(『原爆の子』)を読む
第九章 復興する街を書き直す――大田洋子『夕凪の街と人と』論
おわりに
あとがき
索引・年表
版元から一言
原爆×戦後文化運動 東アジア冷戦に抗う言葉の軌跡を想起する。
大田洋子や山代巴、そして1950年代のサークル運動に集った詩人たちの言葉の反響は「人間」であることそのものを問い返す。
忘却に抵抗し「ヒロシマ」をいま読む意義がここに。
書評多数!
上記内容は本書刊行時のものです。