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猫にご用心 知られざる猫文学の世界
- 初版年月日
- 2025年3月10日
- 発売予定日
- 2025年3月28日
- 登録日
- 2024年6月11日
- 最終更新日
- 2025年1月22日
紹介
世界で初めて英語書かれた小説といわれる、
16世紀イギリスの怪奇譚「猫にご用心」。
「猫には九つの命がある」という伝承の出典ともされている知る人ぞ知る物語が、
翻訳家・大久保ゆうさんによる完訳版としてよみがえりました。
歴史に埋もれた怪奇小説が、本邦初の書籍化です!
猫たちの会話を理解しようと、
主人公・ストリーマ氏は動物の言葉が分かるようになる秘薬を作り出すのですが……。
現実と噂話が錯綜しながら、魔術や宗教の話題が入り乱れ、
人間たちの滑稽な姿が猫の目を通して描かれる世にも不思議な怪奇小説「猫にご用心」。さらに、そこから派生した知られざる猫文学も同時収録。
すべての作品に共通するのは、グリマルキンという猫のキャラクターです。
シェイクスピアからゲゲゲの鬼太郎やファイナルファンタジーまで、
時代と場所を超えてさまざまな作品に登場する「猫の王様・グリマルキン」とは?
「猫にご用心」で初登場したといわれるグリマルキンは、なぜ現代にも生き続けるのか?
奇書と伝承の謎を追う大久保さんのスリリングな解説も巻末に収録しています。
読んでまさに愉快痛快な“猫文学”アンソロジー、ここに誕生!!
目次
まえがき
猫にご用心(1553年) ウィリアム・ボールドウィン
<猫の王様 伝承編>
「猫の王様」の噂を伝える偽作書簡の抜粋(1780年頃) ウィリアム・クーム
詩篇 猫の王(1800年前後) ジョン・ダンロップ
猫の王様(1908年) マリオン・フローレンス・ランシング編
<猫の王様 物語篇>
猫のアラビア夜話 ― グリマルカン王(抄・1881年) アビー・モートン・ディアズ
猫王グリマルキン伝より ― 『もふもふ民の伝記集』収録(1910年) モード・D・ハヴィランド
解説
訳者あとがき
前書きなど
〈小説〉という文芸形式の源流をたずねる試みが続けられるなか、さまざまな候補が現れましたが、本書ではその説のひとつとして、かつては稀覯書として知る人ぞ知るものであった物語をご紹介いたします。
その作品こそ ― 魔女迫害が高まる前の1553年に書かれ、そのあと〈血まみれメアリ〉の治世を手稿回覧などされながら生き延びて、エリザベス朝の1570年に死後刊行された ― ウィリアム・ボールドウィン『猫にご用心』です。日本だと戦国時代にあたる時期に書かれた一種の幻想怪奇小説で、出版時のタイトルは『「猫にご用心」と題する驚異の物語 ― 様々なる驚くべき信じがたい事柄をも含む ― 読んでまさに愉快痛快』というものでした。
しかしこの『猫にご用心』、薄手のいわゆる英文学史では、まずもって触れられることのない作品です
(まえがきより抜粋)
版元から一言
印刷会社が立ち上げた出版レーベル「soyogo books」の第1弾単行本です。
「仕事・学問・研究をたのしむ」をコンセプトに掲げたウェブサイト「soyogo」。このサイトの連載作品を紙の書籍にする出版レーベル「soyogo books」が、最初に選んだテーマは「翻訳」です。
翻訳研究家・大久保ゆうさんにご協力いただき、「英語で書かれた初めての小説」といわれる16世紀の怪奇小説「猫にご用心」全訳が完成しました。
この「猫にご用心」をはじめとして、大久保さんセレクトによる知られざる猫文学作品を併録。全作品に共通するのは、「グリマルキン」という猫のキャラクターです。シェイクスピアからゲゲゲの鬼太郎、ファイナルファンタジーまで、現代のカルチャーにも登場する「グリマルキン」の謎を解き明かす内容にもなっています。
歴史に埋もれた世にも珍しい猫文学の世界を、ぜひお楽しみください。
上記内容は本書刊行時のものです。