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陸上競技:チャンピオンへの道
原書: Athletics : How to Become A Champion
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年4月7日
- 登録日
- 2022年2月1日
- 最終更新日
- 2022年4月21日
受賞情報
著者:世界陸上連盟ヘリレージプラーク、大英帝国勲章MBEなど
書評掲載情報
2022-06-08 |
DogsOrCaravan
評者: 岩佐幸一 |
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紹介
「近代オリンピックの創始者、クベルタン男爵が語ったとされる言葉を言い換え、補足するなら、
大切なのは「勝つ」ことではなく、参加することだ。
大切なのは「到達」ではなく、そこに至る旅だ。
大切なのは「行い」ではなく、そうあろうとすることだ。
全世界が「努力する者」を称賛する――それは誰もが果たせること。真摯でたゆまず「努力する者」の「トップ」になることだ。
この「努力する者」、これからチャンピオンとなる者に、本書は捧げられる。」
――パーシー・ウェルズ・セラティ
●はしがき より
「真に偉大なアスリートは、余すところなく自分を表現したいという強い願望に突き動かされており、運動競技はその表現の場のひとつだ。
偉大なアスリートは「アーティスト」である。単なる「身体的な怪物」ではない。鍛錬の結果、他人の目にそう見えることはあっても、本人は自分がスポーツの神ではないと知っている。一般の基準ではおそらく高度に進化しているにせよ、あくまでも普通の、存分に活動する人間なのだと。さほど進化していない同輩の損傷や故障するポイントには無頓着だとしても、人間らしい人物、感情や知性、心(精神)の面で、もしかすると「普通の」人には想像もつかないレベルで機能する人物。だが、そのようなアスリートにして、個性の持ち主もひとりの人間であり、人間らしく誤りを犯しやすいことに変わりはない。
この本は、あなたがそんな人間、よりよい人間、ひとりのアスリートになるための手助けをするものだ。」
「われわれは往々にして、新しいものは間違っていると「感じる」傾向がある。伝統や容認されているもの、正統なものという型にはまっているためだ。異端は感情的にも知的にもきまって消化不良を引き起こす。新しいアイデアや思考、提案、構想を、単にそれが新しく、間違っていると「感じる」からといって拒絶してはならない。
長く生きれば生きるほど、人生や生活にはさまざまな展開があり、人はつねに再評価や再調整をし、拒絶したり取り入れたりしていかなければならない。そのことに気づかなければ、あなたはいつまでも子供のまま成長しない人々の仲間となる。
それはアスリートの技術にも当てはまる。過去に学んだよりもはるかに多くのことを「発見」しなければならない。ありふれた言い方になるが、未知のものは推測することすらできないからだ。
アスリートであるあなたは、自信をもって未来へ、「未知」へと進んでいけばいい。」
目次
出版社からのまえがき ピーター・マスターズ(PMA Books)
はしがき パーシー・セラティー
イントロダクション ポートシーでの生活ハーブ・エリオットのトレーニング方法
第1章:素質と天性―― 世界クラスのアスリートに求められる才能と能力についての多角的な考察
第2章 :力を技を身につける原理と手段を理解する必要性
第3章:自然主義のテクニックの重要性、とくに姿勢、動作、選手の身体的成長との関連について
第4章:人工的な方法は人間を台なしにする
第5章:「力はわれわれの内にある」こと
第6章:リラクセーションについて
第7章:陸上競技における成功とは、第一に、変数として混ざり合ったある状態の結果だ。
第8章:私の信念
第9章:多くの人は疑問に思うかもしれない。なぜ運動競技をこんなに重視するのか?なぜわざわざチャンピオンになる必要があるのか?その理由をお教えしよう!
第10章:食べ物、栄養物、ダイエットについて。この3つの言葉は同じ意味だ
第11章:アスリート、とくにランナーのためのウェイトコンディショニングに関する私の見解。
第12章:コンディショニングとトレーニングについて:概略の紹介
第13章:基本的な動き:主に腕、手、指の動きと体幹との関係
第14章:まとめ――どのようにすればいいのか?
第15章:身体を使ったレジスタンス·エクササイズ
第16章:オフシーズンのトレーニング
第17章:体操とプラスアルファの運動は必須だ
第18章:自己の適切かつ効率的な使い方
付録1 ハーブ・エリオットのランニング競技歴における主なレース
付録2 各種目に向けたコンディショニングとトレーニング
付録3 記録破りをめぐる雑感
前書きなど
この本の最初の版は1964年から手元にあって、私の人生に大きな影響を与えてきました。
私はアスリートのチャンピオンにこそなりませんでしたが、パーシー・セラティの「限界を押し広げ」て慣例に挑戦するという意欲には感服しています。
パーシーの哲学は、私の若いころと同じように、いまも生きていると思います。
だからこそ、パーシーの本を新しい読者にお届けしたいのです。
みなさんも私のように、パーシーの思想から大いに刺激を受けることを願っています。
よいランニングを。
ピーター・マスターズ
PMAブックス
ブリズベン、オーストラリア
版元から一言
●原書「Athletics : How to Become a Champion, A Discursive Textbook」は、1960年にロンドンのスタンリー&ポール社から発売されました。国内では1963年に初版が発売されましたが、長らく入手が困難となっていました。この度オーストラリアのPMA Booksの協力を得て、約60年ぶりにこの大作を新訳で刊行します。
●1960年ローマ五輪のオーストラリア代表陸上競技チームの監督だったパーシー・セラティは、ハーブ・エリオットが1960年のローマ五輪1500mファイナルで金メダルを獲得したとき、競技場のフェンスを乗り越え白いタオルを振り回してハーブの圧倒的なランニングを応援し喜んだと言います。ローマの警察になだめられながら退場させられたセラティは、それでも共に走るかのようにハーブをたたえつづけたといいます。誰かが言っていることではなくて、自分の知っていること、体験してきたこと、自分の好きなことを足がかりに、誰かと一緒に新しい世界を見ること。ときに「権威」や「常識」に対して反発し、軋轢をうみながらも、絶え間ないビートとリズムで走り続けること。現代ランニングに大きな影響を及ぼし、いまなお「跳ね回っている」セラティの哲学が凝縮された一冊です。
●スポーツや芸術によって、人間や社会が変わることができるということのひとつの具体例として、自分なりの目標に向けて真摯に「いま」を走るランナーやランニングチーム、教育者、次世代の子供たち、そして困難な時代に日々の「旅」を進み続けるみなさまにぜひ読んでいただきたい一冊です。
関連リンク
https://mokusei.pub/
https://mokusei222.stores.jp/
https://www.instagram.com/mokusei222/
上記内容は本書刊行時のものです。