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富士山を壊すのは誰? 渡辺豊博(著) - 泉町書房
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富士山を壊すのは誰? (フジサンヲコワスノハダレ) 富士山登山鉄道構想が観光立国日本をダメにする (フジサントザンテツドウコウソウガカンコウリッコクニホンヲダメニスル)

社会一般
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発行:泉町書房
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ15mm
240ページ
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-910457-06-2   COPY
ISBN 13
9784910457062   COPY
ISBN 10h
4-910457-06-2   COPY
ISBN 10
4910457062   COPY
出版者記号
910457   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年7月13日
書店発売日
登録日
2024年6月16日
最終更新日
2024年7月14日
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紹介

神宮外苑の次は富士山の破壊! 日本人の心の山である世界遺産富士山に湧いて出た山梨県の「富士山登山鉄道構想」。五合目の大規模開発を伴う計画は建設費1,400億円。どこまで膨らむのか疑わしい予算、一度失ったら戻らない自然を壊すずさんな計画はどこかで聞いたことがあるようなもの。世界の観光の最先端を知り尽くし、世界遺産登録運動の先導役を務めた「富士山学」の権威、国立公園の研究者らが富士山の本当の魅力、「登山鉄道」の危険、無謀さを明らかにする。
開発を抑制し、原生に近い自然が残っていればいるほど、価値が高まり観光客が押し寄せる世界の観光地の最前線を紹介。開発優先で世界の観光地の潮流から立ち遅れる現実、目先の利益を追うことで、かえって本来の価値を損なう日本のあり方を問う。

目次

はじめに富士山登山鉄道計画は行政による富士山の「いじめ」だ 第1章世界の観光の潮流から遅れる富士山の観光そして日本の観光 第2章富士山の歴史、その信仰と恵み 第3章富士山6つの危機と本来の価値 第4章富士山登山鉄道はなぜ必要ないのか 第5章 富士山鉄道開発の経緯と現計画の問題点 第6章 富士山登山構想の背景にある国立公園満喫プロジェクトとは 第7章 私が考える富士山再生への復活プロジェクト 緊急座談会「富士山を壊すのは誰?」 

前書きなど

「一元管理ができない隙を突いて、富士山を好き勝手に利用しようするのが「富士山登山鉄道計画」だと思います。富士山を持続的に守っていくための一元管理が、国によって整っていれば、こんな無謀な計画を考えることはできないはずです。
この本では、富士山が壊されていく実態と登山鉄道計画の未熟性を解き明かします。また、世界中の先進的な観光地や世界遺産地区を調査研究してきた私だから提案できる「富士山再生計画」をお示しします。
本の共編者である村串仁三郎法政大学名誉教授には、国立公園の研究者として、自然保護の観点から富士山登山鉄道の現計画の問題点を指摘いただきました。NPO法人尾瀬自然保護ネットワークの大山昌克氏は、長年、尾瀬の過剰開発に反対してきた経験から、今回の富士山登山鉄道の背景にある国家プロジェクト「国立公園満喫プロジェクト」について解説しています。
富士山は、山梨県の山でも静岡県の山でもありません。日本と世界の共有財産として、未来永劫、しっかりと守っていかなくてはならない、大切な山なのです。そのためには、山積みになっている沢山の課題を解決するために、今の縦割り体制の行政システムを壊して、NPO・市民・行政・企業が連携・協働していく、新たな環境保全の仕組みを創る必要があります。
富士山登山鉄道計画を強引に進めようとする長崎幸太郎山梨県知事は、県民・国民に対して、今回の計画を丁寧に時間をかけて説明することを避けています。合意形成に努力することもなく、強引に本事業を進めようとするやり方は、日本の宝・世界の宝である富士山を傷つける、恥ずべき行為といわざるを得ません。
富士山において、今、発生している、複雑多岐な環境問題を抜本的に解決する道筋が見つけられれば、縦割り体制の硬直化により停滞している日本を大きく変革できるきっかけにもなると確信しています」ーー「本書『はじめに』より」

版元から一言

いま、「日本人の心の山」かつ「世界遺産」の富士山が大開発の波にさらされようとしています。鉄道を敷設し、終点の五合目を大開発をしようというものです。
それは自然をそのまま楽しむという世界の観光の潮流に後れを取るものですし、過剰開発は地球環境危機からいってもう許されないもの。目先の利益だけを追って開発しても結局、その土地の魅力を失い利益を得ることはできません。
富士山学の権威と国立公園の研究者が汚染されている富士山を守る方法と、知られざる魅力を掘り起こします。

著者プロフィール

渡辺豊博  (ワタナベトヨヒロ)  (

1950年秋田県生まれ。静岡県三島市在住。東京農工大を卒業後、静岡県庁に入庁し、農業基盤整備事業などを担当。また、富士山の世界遺産登録運動の先導役を果たす。退職後、都留文科大学教授に就任し「富士山学」などを開講。静岡県庁在職中から、グラウンドワーク三島など数々のNPO法人の事務局長を務める。ほかにNPO法人富士山測候所を活用する会の顧問。グラウンドワーク三島では地元の汚れた源兵衛川の自然回復運動に取り組み清流として甦らせ、観光客増に導いた。その後も、アメリカ、ニュージーランド、イギリスなど世界の先進的な観光地の情報を視察し、発信し続ける。著書に『清流の街がよみがえった』(中央法規出版)、『富士山学への招待』(春風社)、『富士山の光と影』(清流出版)など。自他ともに認める「世界一富士山を愛する男」。

村串仁三郎  (ムラクシニサブロウ)  (

1935年東京都生まれ。法政大学名誉教授。専門は労働経済論、鉱山労働史、現代レジャー論。国立公園論。主な著書に『賃労働原論―『資本論』第一巻における賃労働理論』(日本評論社)、『日本の鉱夫―友子制度の歴史』(世界書院)、『レジャーと現代社会』(編著、法政大学出版局)、『自然保護と戦後日本の国立公園』『高度成長期日本の国立公園』『現代日本の国立公園制度の研究―国立公園は自然保護の砦かレジャーランド・リゾート地かを問う』(3冊ともに時潮社)など。現在、「富士山鉄道建設に反対する市民の会」代表世話人を務める。

上記内容は本書刊行時のものです。