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四季と機器
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年10月20日
- 書店発売日
- 2025年10月27日
- 登録日
- 2025年9月2日
- 最終更新日
- 2025年10月27日
書評掲載情報
| 2025-11-30 |
産經新聞
朝刊 評者: 佐々木敦(批評家) |
| 2025-11-30 |
産經新聞
朝刊 評者: 佐々木敦 |
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紹介
二子玉川へ移転した大学の霧信号所キャンパスは、ずっと霧に包まれている。灯子はスタッフや教員たちと、学生たちの学ぶ場が快適であるよう、日々その運営にあたっていた。
キャンパスには猫が闊歩しているが、黒猫を、一度に二匹以上見たことが無い。
そして、そこに「あるはずのないもの」が発見される。
猫は何匹いるのか。キャンパスは正常に運営できているのか?
予定外の出来事やプライベートでの変化があっても、続く日常。
デバイス、アプリ。21世紀のテクノロジーが当たり前のベースとなった私たちの社会で、新しくなったことと変わらない人の営みの細部を描き切った小説。
デビュー小説『フルトラッキング・プリンセサイザ』から重なる登場人物たちは、池谷作品が文学の王道でもあるサーガとして構築されていること、池谷氏が大きな構想をもった作家であることを証している。
喪失の痛み、もうひとつの声を軸にシンフォニックな世界を描いた池谷和浩の新境地であり、この新しさは世界に通じる文芸作品である。
装画 加藤オズワルド
装丁 図工ファイブ
版元から一言
「四季と機器」というタイトル・モチーフに集約され、かつそこから豊饒な世界が広がる、作家・池谷和浩の作家性がより深く進化した作品です。
その新規性は、私たちがデジタルデバイスやコンテンツを当たり前に使いこなす社会・個人が獲得した視点を文学作品として昇華、持ち込んだということがひとつ。芸術作品はその時代時代の空気や風俗を描くことで、ある時代の風景を写します。ただ、そうした技術を小道具として登場させることは容易ですが、それによって変化しているヒトの心象風景を池谷作品のように細やかに描いている作品はそう多くありません。
そのように、目新しさだけでなく、複雑な情報社会のもつ欺瞞への鋭い指摘や細やかな人の感情がそこに織り込まれていること、また文章として美しい言葉の連なりを意識して描かれる格調ある文章は、純文学作品として王道でもあります。
切なさ、思慕、友情、そのほか。この作品からあふれるものはたくさんあり、読者それぞれ受け取るものが異なるかもしれません。何度でも読み返して、あなたの「四季」と「機器」を汲みだしてください。
上記内容は本書刊行時のものです。
