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一滴の黒
Traveling Tribal Tattoo
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年6月23日
- 書店発売日
- 2022年6月23日
- 登録日
- 2022年5月31日
- 最終更新日
- 2022年9月15日
紹介
この本は新しいタトゥーの時代を開こうとしている。自然力を封じ込めた美しい呪的紋様を直に皮膚に彫り込み、深く身に纏う。トライバルタトゥーは人間と自然の間に力強い美の通路を開く。21世紀の都市的文明を生きる人類が見出した新しいコスチューム! ――中沢新一(人類学者)
バックパッカーの旅費稼ぎから始まった彫師としてのキャリアは、やがて世界の民族刺青を求めるフィールドワークに発展し、さらに時空を超えて縄文へと繋がる。
日本を代表するタトゥーアーティスト・大島托が、トライバルタトゥーをめぐるリアルな習俗と歴史、そして現在を描き出す旅の記録。
目次
プロローグ
第一章 インド
第二章 タイ
第三章 ボルネオ
第四章 ケルティック
第五章 ハイダ
幕間
第六章 ポリネシア
第七章 ベルベル
第八章 台湾
第九章 琉球
第十章 アイヌ
第十一章 縄文
エピローグ
前書きなど
トライバルタトゥー
現在、僕は黒一色のブラックワークという大きな括りの中の、「トライバルタトゥー」というジャンルを専門としている。トライバルタトゥーとは文字通り「部族のタトゥー」のことで、主に狩猟採集によって生活し、いまだ文字文化を持たないような少数部族において、成年の通過儀礼、あるいは身体装飾の一環として、伝統的に施されてきた文身の総称だ。あえてトライバルと称しているのは、近代以降に発生した現代タトゥーと区別するためだ。たとえば日本においては、江戸時代に浮世絵をベースに発祥した和彫りが現代タトゥー、アイヌ民族や琉球民族が二〇世紀前半までおこなってきたシヌイェやハジチなどの文身がトライバルタトゥーとなる。もちろん、日本列島外の世界各地にも広くトライバルタトゥーの伝統はあったし、今もなおある。
一九九〇年代にはボルネオ島の文様をベースとするクレイジートライバルが世界的に大流行したため、
トライバルタトゥーと聞くとまずクレイジートライバルの文様ばかりを思い浮かべる人が多いかもしれない。太い黒線が何本か集合し、流れたり、絡み合ったりしている、読めない習字のような、あるいはトラやシマウマの模様のようなデザインといえば分かるだろうか。が、それはあくまでも一地域のトライバルタトゥー文様の現代的なアレンジのパターンに過ぎない。実際のところ世界にはもっと多様で多彩なトライバルタトゥー文様が存在しているのだ。(プロローグより抜粋)
版元から一言
本書では、各国のトライバルタトゥーを巡る本文のあいだに、KENTA UMEDA撮影による、著者の代表的なタトゥー作品のポートレートを収録。そのほか各国の民族タトゥーの図版も掲載し、紀行文であるとともに、世界の入れ墨文化をめぐる人類学的な記録にもなっています。
上記内容は本書刊行時のものです。