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根のないフェミニズム フェミサイドに立ち向かったメガリアたち キム・インミョン他7名(著) - アジュマブックス
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根のないフェミニズム フェミサイドに立ち向かったメガリアたち (ネノナイフェミニズム フェミサイドニタチムカッタメガリアタチ)
原書: 근본 없는 페니미즘

社会一般
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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ23mm
336ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-910276-02-1   COPY
ISBN 13
9784910276021   COPY
ISBN 10h
4-910276-02-5   COPY
ISBN 10
4910276025   COPY
出版者記号
910276   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月8日
書店発売日
登録日
2021年8月17日
最終更新日
2022年9月3日
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書評掲載情報

2022-02-25 週刊金曜日  2月25日号/1366号
評者: 「フェミサイドのない日本を実現する会」呼びかけ人の 皆本夏樹さん
2022-01-06 ダ・ヴィンチ  2月号
評者: ヒラギノ游ゴ
2021-11-27 朝日新聞  朝刊
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紹介

女性嫌悪(ミソジニー)を許さないフェミニストの必読書!
「根のないフェミニズム」とは、女性たちがあまりの女性嫌悪に「韓国を代表するフェミニスト戦士」にならざるを得なかったことを表現している。
メガリアという韓国のフェミニズム史に残る匿名の女性たちが自身の戦いを振り返るノンフィクション!
フェミニストにならなければ、私たちたち、生き残れなかった!
自分の怒りを信頼するというフェミニスト宣言

生き抜いてみせるし、勝ってみせる

メガリアが始めたこと:ポストイット運動、ミラーリング、ポルノサイト閉鎖、オンラインフェミサイドの公論化 脱コルセット運動
今の日本の女性たちにも必要な、生き残るための連帯!

目次

根のないフェミニズム フェミサイドに立ち向かったメガリアたち/ もくじ


訳者はじめに メガリアとウォーマドについて

第1章 すべては告訴から始まった キム・インミョン

メガリアからウォーマドまで
女性であることを隠すことで発言できていたオンラインの女たち
 女性時代カフェとオンダルセム事件
 かつてない新たな地、メガリア
 ミラーリング論戦とウォーマドの誕生

私は告訴された
 「チョッペム(チンコ蛇)」と罰金100万ウォン
 険しい道、裁判を選んだ
 被告人は出廷していますか?
 ウェブ漫画家が打ち上げた小さなボール
 フェミニズムはなぜメガリアを無視するのか
 オンライン女性たちのためのプラットフォーム
 匿名のキムさん、その名で一歩踏み出す

第2章 「招待客募集」を、
聞いたことがありますか? カン・ユ

 集団レイプと一行のコメント
 私の友達はそんな人じゃない
 私たちに「間違っている」と言う社会が間違っている
 火花となって燃え上がり…… 灰になれとでも?
 20代、大学卒業証書1枚、非正規雇用、そして女
 自分で締め上げたコルセット
 女性たちのつながりが私たちを救う


第3章 怒りは我が力、オンラインの
魔女狩りに立ち向かう イ・ウォニュン

メガリア、それは言葉にして勇気
 もう沈黙はしない
 ミラーリングはブーメランとなり返ってきた
 江南駅10番出口、女性嫌悪社会の出口へ

イルベと一戦交える
 「あんたの顔がイルベに上がってる」
 生き抜いてみせるし、勝ってみせる
 「僕は女性嫌悪者(ミソジスト)ではない」
 私のことを覚えておけ! 火刑に処せられた魔女は復讐のために帰ってきた


第4章 オンラインフェミサイド、
今度は私たちが話す番だ クク・チヘ

 「ヒュンジャ」として生きてきた自分を脱ぎ捨てる
 標的定め、コメント浄化、キーボードバトル、そして……
 女性嫌悪に左右はない
 誰が、女性たちに、失われた言葉を授けられるだろう
 女性の名前で女性を消す彼ら
 「韓男虫」と罵れば、ようやく「マンコ女」も問題になる
 「切られ」まくったフェイスブックアカウント
 真の男性フェミは死んだ男だけ。しかし……
 ここにはまだ人がいる。今度はその人たちが話す番だ
 クク・チヘ流、真の男性フェミニストになる方法


第5章 最後まで生き残ろうとする女は、汚名を着せられる イ・ジウォン

 自分の怒りを信頼するという宣言
 レイプを承認することで守られる兄弟愛と男性たちの名誉
 男性秩序から脱走しようとする女を火あぶりにせよ
 空間の主権を侵奪する男たち
 女子大別チンコの家地図
 女性の空間が消えてゆく
 フェミニズムから、女性たちが追い出されてゆく

「女子大に侵入する男性たちと、『女の敵は女』の真実」セミナー中止に関する立場表明


第6章 活動家は生まれるのではない、つくられるのだ ヒヨン

 「女イカ」、メガリアンになる
 クソみたいな世界に向けた私たちの言葉、ミラーリング
 ソラネットを知った以上、それ以前には戻れなかった
 毎日のキーボードバトル、それでも?
 運動は運動として残ってこそ強い


第7章 フェミニストの液体的連帯を夢見る チョン・ナラ

一つの問いから始まった変化
匿名の個人として発言し、連帯する
交差性? 交差性!
オンラインとオフラインの浮標
フェミニストの液体的連帯を夢見て

第8章 存在へ近づいてゆくこと 弁護士パク・ソニョン

付録 タイムライン
付録 単語辞典
日本の読者のみなさんへ チョパク・ソンニョン
訳者あとがき 大島史子
『根のないフェミニズム』の背景にあるもの

前書きなど

訳者はじめに

「メガリア」と「ウォーマド」について
「根のないフェミニズム」。韓国語で「根のない」とは「系譜がない」ことを意味する。オフラインの女性嫌悪がオンラインにおいてもますますひどくなる現実の中で、否応なしに大きな流れに巻き込まれた者、または戦いをしかけられた者のフェミニズム、とでも言おうか。
「ミラーリング」に代表されるユーモラスかつわきまえない手法で、オンライン空間に満ちあふれる根深い女性嫌悪に対抗した女性たちのオンラインコミュニティ、「メガリア」。
「メガリア」が誕生したきっかけは、2015年のMERS流行下、大韓民国初の感染者が「香港旅行から帰国した女性」という誤報を受け、男性中心のオンライン掲示板で女性に対するヘイトの書き込みが溢れたことだった(のちに最初の感染者は男性だったと判明)。
 韓国の大型掲示板サイト「DCインサイド」の中に「MERS掲示板」が作られ、女性嫌悪の投稿が溢れたことをきっかけに、女性たちは「もう我慢ならない」とミラーリング投稿で対抗し始めた。そして彼女たちは自らを「メガリアの娘たち」と呼び始める。これは「MERSギャラリー」(MERSの韓国語での発音は「メルス」)とガード・ブランテンバーグの小説『イガリアの娘たち』を合わせた言葉だが、その後「メガリア」とだけ呼ばれるようになる。
 メガリアはその後DCインサイドを出て独自のサイトを開設し、ミラーリングのほか数々のオンラインイベント、さらにはオフラインでの活動を通じて女性嫌悪社会に抗っていった。盗撮やレイプの温床であった巨大アダルトサイト「ソラネット」の閉鎖は特筆すべき快挙である。
 しかしいくつかの事件を経て内部分裂を繰り返し、メガリアのサイトはついに消滅してしまう。その後継となったのが「ウォーマド」である。「woman」と「nノマドomad」の合成語で「女はさすらう」という意味が込められたこのサイトも、男性たちによるサイト攻撃や運営側の不祥事を経て、会員たちが散り散りになっていった。
 そんな「メガリア」と「ウォーマド」は、韓国社会で常に非難を浴び続けてきた。男性による女性嫌悪を放置してきた社会が、女性によるミラーリングとしての〝男性嫌悪.にはことさら厳しく対処したのである。現在でも「メガリア」「ウォーマド」といえば「けしからん女たち」と考えられ、フェミニズム的な発言をする女性へのレッテルとしても使われる(ジェンダー平等を説けば「おまえはメガリアだろう」というふうに)。
 本書はまさにその「けしからん女たち」自らによる戦いの記録である。女性を都合よくしつけようとする家父長制社会こそいかに暴力的で「けしからん」ものか、彼女たちが教えてくれる。

著者プロフィール

キム・インミョン他7名  (キム インミョン シチメイ)  (

キム・インミョン 김익명
「チョッペム(チンコ蛇)」というコメントで100万ウォンの罰金刑を受け、裁判で争って勝った。そうしてオンライン女性嫌悪とフェミサイドの生き証人となり、現在はデザイナーとしてフェミニズム実践中。

カン・ユ  (カン ユ)  (

カン・ユ 강유
リアルタイムでソラネットでのレイプ共謀を目撃し、メガリアに合流してソラネット閉鎖運動に力を貸し、フェミニズムに覚醒した。

イ・ウォニュン  (イ ウォニュン)  (

イ・ウォニュン 이원윤
韓国で性暴力を受けたオーストラリア人女性の被害について取り上げたドミュメンタリー番組でインラビューを受けたところ、日刊ベスト(イルベ)男性ユーザーらに身元を調べられ、暴力的なコメントを書かれた。彼ら全員を告白し謝罪を受けた。フェミニスト医師であり女性嫌悪関連論文で2018年秋から米国ハーバード大学院修士課程に入学。

クク・チヘ  (クク チヘ)  (

クク・チヘ 국지혜
オンラインで繰り広げられるフェミサイドにキーボードバトルとSNSアカウントで立ち向かい、自分の名前そのものが烙印になったと感じるラディカル・フェミニスト。女性主義書籍出版社。ヨルダブックスを作った。

イ・ジウォン  (イ ジウォン)  (

イ・ジウォン 이지원
梨花女子大学校で政治外交学科に在籍し女性学を専攻し、同大学院女性学科に在学中。訳書に『セックスとジェンダーに対するフェミニズムの視点』(共訳)、『ラディカルフェミニズム』(共訳)。女性の党第1代、第2代共同代表。

ヒヨン  (ヒヨン)  (

ヒヨン 히연
「今日のユーモア」サイト会員だったがメガリアに合流し、ソラネットなどの事件に接した。現在は女性団体を組織して活動している。

チョン・ナラ  (チョン ナラ)  (

チョン・ナラ 정나라
オンラインで飲み活動していたが、オフラインまで活動領域を広げるため、
フェミニズム的な方法を模索中。

パク・ソニョン  (パク ソニョン)  (

パク・ソニョン 박선영
弁護士。ウェブ漫画家侮辱罪被疑者弁護人。

大島 史子  (オオシマ フミコ)  (翻訳

大島 史子 Fumiko Oshima
イラストレーター、漫画家。ラブピースクラブコラムサイトでフェミニズムエッセイ漫画「主人なんていませんッ!」を連載。翻訳書にアジュマブックスの『ハヨンガ ハーイ、おこづかいデートしない?』(チョン・ミギョン著/2021年)、『根のないフェミニズム フェミサイドに立ち向かったメガリアたち』(キム・インミョン他7名著/2021年)、『いいから、あなたの話をしなよ 女として生きていくことの26の物語』(チョ・ナムジュ他25名著/2022年)、『薔薇はいいから議席をくれよ』(キム・ジナ著/2022年)がある。

李 美淑  (イ ミスク)  (監修

李 美淑 Lee Misook
東京大学大学院情報学環・准教授。専門はメディア・コミュニケーション研究。国境を越える市民連帯、社会運動とメディア、ジェンダーとメディア、ジャーナリズムについて研究。

北原 みのり  (キタハラ ミノリ)  (解説

北原 みのり Minori Kitahara
作家、女性のためのプレジャーグッズショップ「ラブピースクラブ」を運営するアジュマ代表。2021年アジュマブックススタート。希望のたね基金理事。著書に『日本のフェミニズム』(河出書房新社刊)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。